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第四十四話
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(本当に大丈夫かよ)
俺たちは夜に宮殿へと向かった。
「ふふっ、余の風のヴェールならどんな壁も簡単に越えられる」
ディンの風のヴェールで城壁を越え、俺たちは中庭へとはいった。
「警備も厳しいな。 何とか中には入れたが、感知魔法とかはないのか」
「そんなレアな魔法は余も知らん。 余は生まれつきのものだからな」
そうはないき荒くディンは自信満々でこたえる。
それを軽くスルーして宮殿内にはいる。
「無視するな!! すごいことなんだぞ!!」
ディンがじたばたと怒っている。
「じゃあ、私は逃げるために最上階で兵士たちを眠らせるから、その魔力感知でよろしく」
そういってネメイオは先に上の階へと向かった。
「それでディン、その魔力感知でどこにあるかわかるのか」
「ふん、あたりまえだ。 どうやら二階中央の辺りで魔力を感じるな。 どうやら余のアイテムもその部屋にある」
「よしさっさといくぞ! 捕まったらおわりだ」
宮殿内を一直線にその部屋へと向かう。
「あれか」
二階の中央の部屋へ向かうと、暗い部屋、仄かな灯りの中、揃いの制服のようなものをまとったものたちがなにかをとなえている。 その中央には両手で杖をもつローブの老人がいた。
「どうやらあの杖のようだ。 周囲のものたちは魔力を増幅しているようだな」
「それでお前のアイテムはどれだ」
「あれだ。あの杖を持つものの腕輪だ。 【複魔の腕輪】、二つの魔法を同時に使える」
「それで、やれるか」
「いま、双身の魔鏡で複製している。 くっ...... やはりあのグレードのアイテム二つの複製はきついな...... な、なんとかできた」
ふたつのアイテムを手に入れる。
「はやく、そのドレインリングで俺から魔力をとれ」
「わ、わかった」
ディンは指にはめた指輪で、俺の体にふれ魔力を回復させる。
「ふ、ふぅ、なんとかなったが、サキミは大丈夫か」
「あ、ああ...... かなり魔力を失ったが、だからこそ! よし、フェアネスソウル」
中央にいる老人にフェアネスソウルをつかった。
「うっ......」
「大丈夫ですか! ゼキエル団長!」
「あ、ああ、さすがにこの数の死者操作は難しいようだな...... 少し休む」
素早く近づくと、ディンに合図を送る。 その瞬間、部屋は暗くなった。
「なっ、どうした!」
「灯りをともせ!」
スッと腕輪と杖を偽物と取り替えた。
灯りがともる。 制服のものたちはざわざわしている。
「なんだったんだ? いま一瞬杖が?」
「魔力の伝達異常か......」
灯りを確認している。
「まあよい...... 少し休憩ののち、再度進軍をする。 前線に通達」
そうザキエルという老人は椅子に座った。
「よし、手に入れたな」
「さすがだぞサキミ! その手癖の悪さシーフも真っ青な腕前だった!」
「うれしくねえよ」
すぐに最上階を目指した。
その途中の通路を移動中、横の大きなドアがあく。
(やばっ、ん? 誰もいない。 いや)
よくみるとドアの後ろで、10さいのぐらいの金髪の少女が辺りをなにかを探すように見回している。
(なんでこんなところに女の子......)
(はやくいくぞ......)
ディンにうながされその横を足音をたてないように、そのそばをゆっくりとおる
「おまちください!!」
少女はそう仁王立ちでいった。 がこちらを向いてはいない。
「わかっていますよ! そこにいるのは!」
(なんだ!?)
(わからんが、こちらをみていない。 多分魔力を感じるのかもしれん。 はやくいこう!)
俺たちが離れようとする。
「そこか!!」
少女は俺の足にしがみついた。
「し、しまった!」
「逃がしませんよ!」
振りほどこうとするも、女の子は強い力でしっかり捕まっている。
「まずい! あまり強くふれない!」
「しかたない! インビンシブル!!」
女の子の体を隠蔽した。 俺は女の子を抱き抱えると暴れる口を押さえて最上階を目指す。
「しゃあない! 最上階でおいてこう」
「だな!」
「もが、もが」
俺たちは最上階へとついた。 警備の兵士たちがたおれている。
「やったのね! その子なに!?」
「しらん! ディン! 風のヴェールを!!」
「わかった!」
最上階から城壁へととぶ。 その瞬間女の子を離した。
「にーがーしーまーせーん!!」
女の子は俺に飛び付いてきた。
「あぶないから! そのままだと落ちる! しゃあない!」
ふり落ちそうな女の子を抱き抱えると、そのまま壁を越えた。
俺たちは夜に宮殿へと向かった。
「ふふっ、余の風のヴェールならどんな壁も簡単に越えられる」
ディンの風のヴェールで城壁を越え、俺たちは中庭へとはいった。
「警備も厳しいな。 何とか中には入れたが、感知魔法とかはないのか」
「そんなレアな魔法は余も知らん。 余は生まれつきのものだからな」
そうはないき荒くディンは自信満々でこたえる。
それを軽くスルーして宮殿内にはいる。
「無視するな!! すごいことなんだぞ!!」
ディンがじたばたと怒っている。
「じゃあ、私は逃げるために最上階で兵士たちを眠らせるから、その魔力感知でよろしく」
そういってネメイオは先に上の階へと向かった。
「それでディン、その魔力感知でどこにあるかわかるのか」
「ふん、あたりまえだ。 どうやら二階中央の辺りで魔力を感じるな。 どうやら余のアイテムもその部屋にある」
「よしさっさといくぞ! 捕まったらおわりだ」
宮殿内を一直線にその部屋へと向かう。
「あれか」
二階の中央の部屋へ向かうと、暗い部屋、仄かな灯りの中、揃いの制服のようなものをまとったものたちがなにかをとなえている。 その中央には両手で杖をもつローブの老人がいた。
「どうやらあの杖のようだ。 周囲のものたちは魔力を増幅しているようだな」
「それでお前のアイテムはどれだ」
「あれだ。あの杖を持つものの腕輪だ。 【複魔の腕輪】、二つの魔法を同時に使える」
「それで、やれるか」
「いま、双身の魔鏡で複製している。 くっ...... やはりあのグレードのアイテム二つの複製はきついな...... な、なんとかできた」
ふたつのアイテムを手に入れる。
「はやく、そのドレインリングで俺から魔力をとれ」
「わ、わかった」
ディンは指にはめた指輪で、俺の体にふれ魔力を回復させる。
「ふ、ふぅ、なんとかなったが、サキミは大丈夫か」
「あ、ああ...... かなり魔力を失ったが、だからこそ! よし、フェアネスソウル」
中央にいる老人にフェアネスソウルをつかった。
「うっ......」
「大丈夫ですか! ゼキエル団長!」
「あ、ああ、さすがにこの数の死者操作は難しいようだな...... 少し休む」
素早く近づくと、ディンに合図を送る。 その瞬間、部屋は暗くなった。
「なっ、どうした!」
「灯りをともせ!」
スッと腕輪と杖を偽物と取り替えた。
灯りがともる。 制服のものたちはざわざわしている。
「なんだったんだ? いま一瞬杖が?」
「魔力の伝達異常か......」
灯りを確認している。
「まあよい...... 少し休憩ののち、再度進軍をする。 前線に通達」
そうザキエルという老人は椅子に座った。
「よし、手に入れたな」
「さすがだぞサキミ! その手癖の悪さシーフも真っ青な腕前だった!」
「うれしくねえよ」
すぐに最上階を目指した。
その途中の通路を移動中、横の大きなドアがあく。
(やばっ、ん? 誰もいない。 いや)
よくみるとドアの後ろで、10さいのぐらいの金髪の少女が辺りをなにかを探すように見回している。
(なんでこんなところに女の子......)
(はやくいくぞ......)
ディンにうながされその横を足音をたてないように、そのそばをゆっくりとおる
「おまちください!!」
少女はそう仁王立ちでいった。 がこちらを向いてはいない。
「わかっていますよ! そこにいるのは!」
(なんだ!?)
(わからんが、こちらをみていない。 多分魔力を感じるのかもしれん。 はやくいこう!)
俺たちが離れようとする。
「そこか!!」
少女は俺の足にしがみついた。
「し、しまった!」
「逃がしませんよ!」
振りほどこうとするも、女の子は強い力でしっかり捕まっている。
「まずい! あまり強くふれない!」
「しかたない! インビンシブル!!」
女の子の体を隠蔽した。 俺は女の子を抱き抱えると暴れる口を押さえて最上階を目指す。
「しゃあない! 最上階でおいてこう」
「だな!」
「もが、もが」
俺たちは最上階へとついた。 警備の兵士たちがたおれている。
「やったのね! その子なに!?」
「しらん! ディン! 風のヴェールを!!」
「わかった!」
最上階から城壁へととぶ。 その瞬間女の子を離した。
「にーがーしーまーせーん!!」
女の子は俺に飛び付いてきた。
「あぶないから! そのままだと落ちる! しゃあない!」
ふり落ちそうな女の子を抱き抱えると、そのまま壁を越えた。
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