40 / 66
第四十話
しおりを挟む
アズレイ不動産につくと、ネメイオはいなかった。 代わりに小太りのおっさんがでてきた。
「おっさん、ネメイオは?」
「誰がおっさんだバカもの! 私はアズレイ不動産の社長アズレイだぞ!」
「お主が依頼人か」
「依頼人...... ああ、お前たちが冒険者ギルドのやつらか」
(態度悪いな)
「その上、あんたんとこにアパートの管理費を払ってるお得意様だよ」
「あの建物の...... まあ格安にしておいたんだ。 恩は感じなくていいぞ」
そういって懐から扇子のようなものを取り出しあおいだ。
(このおやじ!! ぶっとばしてやろうか)
「それでアズレイとやら、護衛とはどういうことだ」
ディンが聞いた。
「ああ、最近わしの家が何者かに侵入されてな。 何とか警備のおかげでなんを逃れたが、その時これを張り付けていってな」
そういって紙を一枚机から取り出した。
『貴殿の持つ【ドレインリング】をもらいうける、明後日の夜、 ロイヤルシーフ』
その紙にはそうかかれていた。
「ドレインリングってなんだ?」
「これだ。 この指輪だ」
そう指にはめた指輪をみせた。
「周囲から魔力をえる指輪だ」
ディンがそういうと、アドレイはうなづく。
「大枚はたいて買った指輪だ。 それを盗もうとは許せん!」
「盗人か...... そういやまえにギルドでそんな話を聞いたな」
「ロイヤルシーフとは怪盗です」
ドアがあいて、ネメイオがはいってきた。
「ネメイオ、詳しくはなせ。 宵月ならしっはおるが、ロイヤルシーフなど、わしはよくは知らん」
「はい、社長」
ネメイオが手にもった袋をアズレイに渡した。 じゃらじゃらと音がする。 どうやらお金がはいっているようだ。
「むほほ、ではお前たちにわしの護衛を命ず」
にやついて袋を大切にもっている。
「まあ、まて、ここじゃ危険なんだろ。 うちのアパートにきてもらう。 そこには仲間もいるしな」
「ふーむ、しかし......」
アズレイは難色を示した。
「お前の金、全部とられてもいいのか」
「うっ...... だが! 護衛費以外びた一文はらわんからな! ほれ、これに署名しろ」
そう机の上においていた契約書を見せてくる。
「なになに、期日内、護衛以外の金銭は受けない。 財産も保護する。 かすり傷ひとつでもつけられた場合、一切の護衛料金は受け取らない。 なおかつ護衛料金の返金と慰謝料を払うものとする......」
(強欲な野郎だ)
俺はため息をついて署名する。
「これでいいか」
「ふむふむ、よかろう! さあ案内しろ」
「それで、明後日の夜までってことか」
「この怪盗とやらは予告状をだして、それ通りに遂行するらしいのです」
ネメイオはそういった。
(なんでわざわざ予告状なんだ?)
「でネメイオはどうすんだ?」
「わたしも同行します」
「ネメイオ、その部屋代は払わんぞ」
そうアズレイがいう。
(このおやじ!!!)
「かまいません。 仕事のうちですので」
おっさんを連れてアパートに戻った。
「まあ、まあだな。 ボロいがまあ我慢できる。 タダだからな。 わしの私兵も配置した。 まあ怪盗など恐れるに足りん」
「そうか。 それよりサキミだいじょうぶか?」
俺はアズレイの財産、金のはいった袋を私兵たちと山ほど背負っていた。
「ふぎぃ、はぁはぁ、はぁ」
「そこにおけ、全部わしのもんだ」
そういってひとつずつおしいれへとおいている。
「ふぅ、現金かよ」
「当たり前だ。 誰も信じられんからな。 こうやって手元に置くのが一番だ。 いいか! この中の一枚でも奪われたら、護衛料は払わんからな」
「わかってるよ...... つまりしあさっての朝までだな」
「そうだ! それまで一切のものを近づけるなよ! がははははっ」
そう横柄な物言いでアズレイはわらう。
「とりあえずあいつは埋めるか......」
「気持ちはわかるが、仕事は仕事だ、がまんせい。 それに怪盗を捕まえたとなれば、ここの安全性は担保されよう」
ディンがそういう。
「まあな...... 気がすすまんが、しかたない」
「すみません...... わが社長が」
そうネメイオが頭を下げる。
「お前よくあんなの下で働けるな」
「まあ、お仕事なので......」
「それにしても、怪盗ロイヤルシーフとはなんなのだ?」
「ここ最近現れた盗賊ですね。 予告状をだし希少なアイテムや財宝、金品を盗み出しています」
「ふーん、でも予告なんてなんでだすんだ? 警戒されるだけだろ」
「さあ、一応の礼儀らしいですね」
ネメイオも首をかしげる。
「礼儀をわきまえてるなら、そもそも盗むなよ」
「まったくだな。 それでネメイオそいつはどんな者なのだ?」
「よくは...... ここ数年、富豪、王族、犯罪組織などから盗んでいるという者としか......」
「まあ、あのおっさんはそれに狙われているということか......」
俺たちは不本意だが、任務を続けた
「おっさん、ネメイオは?」
「誰がおっさんだバカもの! 私はアズレイ不動産の社長アズレイだぞ!」
「お主が依頼人か」
「依頼人...... ああ、お前たちが冒険者ギルドのやつらか」
(態度悪いな)
「その上、あんたんとこにアパートの管理費を払ってるお得意様だよ」
「あの建物の...... まあ格安にしておいたんだ。 恩は感じなくていいぞ」
そういって懐から扇子のようなものを取り出しあおいだ。
(このおやじ!! ぶっとばしてやろうか)
「それでアズレイとやら、護衛とはどういうことだ」
ディンが聞いた。
「ああ、最近わしの家が何者かに侵入されてな。 何とか警備のおかげでなんを逃れたが、その時これを張り付けていってな」
そういって紙を一枚机から取り出した。
『貴殿の持つ【ドレインリング】をもらいうける、明後日の夜、 ロイヤルシーフ』
その紙にはそうかかれていた。
「ドレインリングってなんだ?」
「これだ。 この指輪だ」
そう指にはめた指輪をみせた。
「周囲から魔力をえる指輪だ」
ディンがそういうと、アドレイはうなづく。
「大枚はたいて買った指輪だ。 それを盗もうとは許せん!」
「盗人か...... そういやまえにギルドでそんな話を聞いたな」
「ロイヤルシーフとは怪盗です」
ドアがあいて、ネメイオがはいってきた。
「ネメイオ、詳しくはなせ。 宵月ならしっはおるが、ロイヤルシーフなど、わしはよくは知らん」
「はい、社長」
ネメイオが手にもった袋をアズレイに渡した。 じゃらじゃらと音がする。 どうやらお金がはいっているようだ。
「むほほ、ではお前たちにわしの護衛を命ず」
にやついて袋を大切にもっている。
「まあ、まて、ここじゃ危険なんだろ。 うちのアパートにきてもらう。 そこには仲間もいるしな」
「ふーむ、しかし......」
アズレイは難色を示した。
「お前の金、全部とられてもいいのか」
「うっ...... だが! 護衛費以外びた一文はらわんからな! ほれ、これに署名しろ」
そう机の上においていた契約書を見せてくる。
「なになに、期日内、護衛以外の金銭は受けない。 財産も保護する。 かすり傷ひとつでもつけられた場合、一切の護衛料金は受け取らない。 なおかつ護衛料金の返金と慰謝料を払うものとする......」
(強欲な野郎だ)
俺はため息をついて署名する。
「これでいいか」
「ふむふむ、よかろう! さあ案内しろ」
「それで、明後日の夜までってことか」
「この怪盗とやらは予告状をだして、それ通りに遂行するらしいのです」
ネメイオはそういった。
(なんでわざわざ予告状なんだ?)
「でネメイオはどうすんだ?」
「わたしも同行します」
「ネメイオ、その部屋代は払わんぞ」
そうアズレイがいう。
(このおやじ!!!)
「かまいません。 仕事のうちですので」
おっさんを連れてアパートに戻った。
「まあ、まあだな。 ボロいがまあ我慢できる。 タダだからな。 わしの私兵も配置した。 まあ怪盗など恐れるに足りん」
「そうか。 それよりサキミだいじょうぶか?」
俺はアズレイの財産、金のはいった袋を私兵たちと山ほど背負っていた。
「ふぎぃ、はぁはぁ、はぁ」
「そこにおけ、全部わしのもんだ」
そういってひとつずつおしいれへとおいている。
「ふぅ、現金かよ」
「当たり前だ。 誰も信じられんからな。 こうやって手元に置くのが一番だ。 いいか! この中の一枚でも奪われたら、護衛料は払わんからな」
「わかってるよ...... つまりしあさっての朝までだな」
「そうだ! それまで一切のものを近づけるなよ! がははははっ」
そう横柄な物言いでアズレイはわらう。
「とりあえずあいつは埋めるか......」
「気持ちはわかるが、仕事は仕事だ、がまんせい。 それに怪盗を捕まえたとなれば、ここの安全性は担保されよう」
ディンがそういう。
「まあな...... 気がすすまんが、しかたない」
「すみません...... わが社長が」
そうネメイオが頭を下げる。
「お前よくあんなの下で働けるな」
「まあ、お仕事なので......」
「それにしても、怪盗ロイヤルシーフとはなんなのだ?」
「ここ最近現れた盗賊ですね。 予告状をだし希少なアイテムや財宝、金品を盗み出しています」
「ふーん、でも予告なんてなんでだすんだ? 警戒されるだけだろ」
「さあ、一応の礼儀らしいですね」
ネメイオも首をかしげる。
「礼儀をわきまえてるなら、そもそも盗むなよ」
「まったくだな。 それでネメイオそいつはどんな者なのだ?」
「よくは...... ここ数年、富豪、王族、犯罪組織などから盗んでいるという者としか......」
「まあ、あのおっさんはそれに狙われているということか......」
俺たちは不本意だが、任務を続けた
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる