おこもり魔王の子守り人

曇天

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第十話

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「トロッコのレール...... ここか。 で中に何がいるんだ。 スマホのモンスター情報には記載がないぞ」 

 スマホを見ながらガルムに聞いた。

「モンスターの情報は、世界がひとつになってからだからな。 モンスターの生息域がまだ記載されてないものも多い」

 坑道内を歩きながらガルムが答える。

「でもモンスターは魔力を吸収した生物、植物、物質から生まれる。 だからその近くの生き物やなんかが変異したものが多いよ」

 ラクレイがライティングの魔法を使いながらいった。

「だとすると、鉱物ベースのモンスターがいるのかもな...... 固いから厄介だな」

「ああ、それにこの間のこともあるし、やばそうなら即撤退だ」
 
「だね。 欲張って死んだら意味ないし」

 そう二人と話ながら鉱山へと入っていく。 数人が横一列になれるぐらいの広さはあった。 中は木で周囲を補強されていて奥へと続く、長い一本道を進んだ。

「きたぞ!」

 それはかなり大きな蜂が数匹飛んできた。 三人で一斉に斬りつける。

 ガキッ

 尾の針を向けられるがそれをかわし、体を斬りつけると剣が中に入らない。

「かた!! くそ!」 

 それを力で地面に叩きつけると、蜂は羽ばたきをとめた。
 
「そっちは!?」   

「俺はギリギリきれた!」 

「僕もなんとか!」

(やっぱり二人は筋力があるからな。 やはり早めに使うか...... いやまだ一発しかつかえない...... ここは力で)

 俺は地面に叩きつけ蜂を倒していく、何とか全て倒した。

「こいつ岩みたいな姿だな。 鉱物の変異モンスターか...... ここは前みたいに巣じゃないだろうな」 

「こいつはストーンビー、そこまで大きい群れは作らない。 だから大丈夫だ」
  
「ねえ、二人とも、ほら!」

 ラクレイが先をみていった。 そこは広くなっており壁に小さな蒼い光が瞬く。

「これか」

「ああ、ブラムライトだ」

「小さいね」

 ラクレイが壁から鉱石をスコップでほりながらいった。

「やっぱり小さいのしかとれなくなったから閉山したんだろうな...... おい、ラクレイあそこ」

「なに? ん? あれは地面の土が盛り上がってる。 しかもよくみると何か所も......」

 地面を照らすとそこかしこに噴火口のような形で、土が盛り上がっている。

「おい...... なんか地面から音が聞こえる。 近づいてる! なんかやばいぞ!」

「逃げよう!!」

 ガルムにいわれ俺たちはすぐ離れようと駆け出した。 部屋の入り口で目の前の地面が天井に向かって盛り上がる。

「こいつは!?」

 それは大木のような巨大な赤いミミズが現れた。

「やばい! キラーワーム!! 凶暴な肉食のミミズだ!!」

 するとキラーワームは無数の牙が生えた口で頭上から、こちらに向かって落ちくる。

 ドオオォォォン!

 何とかかわすと、地面をえぐりそのまま地中に潜る。

「あ、あぶない!! 地面に潜られると、攻撃ができないよ!!」

「ちっ! 地下じゃ、俺のハウリングもあてられねえ!!」

「まて...... 俺に策がある。 何とか二人であいつを防いでくれ」

「わ、わかったよ! ガルムあいつを呼び寄せるよ!」 

「ああ! 頼むぜマモル!」

 ラクレイとガルムが盾と斧を構え、俺からはなれ地面に音を立ててワームを呼び寄せる。
 
 地面の振動が二人を追った。 俺は魔力を貯める。

(使えて一発...... 必ず当てないと。 だがでてくるタイミングが...... 頼むぞ! ガルム、ラクレイ!)

 突然地面からでてくるワームに、ラクレイとガルムが弾き飛ばされながら防いでいる。 

「ダメだ! ガルム、ラクレイなんとか動きを止められないか!」

「無茶いうな!!」

「食べられないので精一杯だよ!」

(確かにな...... 地面から出た瞬間を狙うのは無理だ。 威力もさだかじゃないが、巻き添えで二人も危険だ)

 その時キラーワームが突然飛び出し二人を弾いた。

「ぐはっ! ......くそっ、音も振動も少ないから、どこか分かりづらい......」

「......痛、このままじゃ、まずいよ......」

(まずい! もう二人がもたない! 地面に通路ができてて、移動音がしなくなったのか!)

「ヴァライアいないか!!」

 影を見るも反応がない。

(やはりいない...... 一か八か地面に攻撃を...... 地面、いや!)

「よし! 二人ともこっちに走ってこい!」

「なっ!」

「一緒にやられるよ!」

「いいから! 走れ!」

「わ、わかった!」

 二人がこっちに向かってくる。 
 
(追ってくるはずだ!)

 俺は二人が近づくと近くのワームがつくった大きい穴へと飛び込む。

「二人とも穴から離れてろ!」

 ーーその燃え盛る炎をもって、混沌すら焼き尽くせーー 

「フレアエクスプロージョン」

 俺の手のひらから炎の球体が穴の中を飛んだ。 俺は地中から飛び出したその瞬間、地面が膨らみ無数の穴から火柱が噴出した。

「あぶなっ、ここまで威力があったのか...... うっ、魔力不足か、やばいくらくらする......」

 地面から火だるまになったキラーワームが暴れながら飛び出してきた。

「いまだラクレイ!」

「よっしガルム!」 

 ガルムとラクレイの二人がキラーワームを両断した。 

「ふぅ、なんとかなった......」 

 ガルムとラクレイが小躍りしてるのをみて、俺はその場で座り込んだ。
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