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第三話
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「ふぅ、昨日はヤバかった...... 死ぬかと思った」
俺は目が覚めると天井をみてそう思った。
「そう、二度とこの天井をもう拝めないと...... あれ補修のあとがない......」
それはみたことのない大きな白い天井だった。
「おい!」
「......ゲーム」
隣のコタツでスタンバってるアディエルエがいた。
「昨日、200回もしたろ!」
「ちがう、199回......」
目の下にクマがあるアディエルエはそういった。
「それと布団から直接召喚するな! そもそもどうやって召喚してんだ!」
「マモルにマーキングしてる...... 召喚すればよべる......」
「勝手にマーキングすな! よぶな!」
「ゲーム......」
そういってパッドを渡そうとしてくる。
(くっ! しかし昨日助けてもらったから断りづらい......)
「......仕方ない。 一回だけだぞ。 今日も仕事なんだから」
(......アディエルエは魔王だとは聞いてはいたが、今まで信じてなかったが、しかし昨日のあれをみると本物なんだな)
俺は必死に目を閉じてボタンを連打しているアディエルエをみた。
魔王、向こうの世界の王の一人、魔族は種族ではなくそこに属した者たちのことでその魔力はずばぬけており、向こうの世界に君臨した時代もあったという。
「なあ......」
「あっ、負けた...... 急に話しかけるから......」
「いや、パーフェクトで負けてたから関係ないだろ。 アディエルエは魔王なんだろ。 この城に人いないよな」
「............」
じっと口を閉じてこちらを何か言いたそうに見ている。
「わかった、もう一回やるから」
「......私...... 大勢がいや...... だから、みんな他の場所に住んでる......」
(底無しの人見知りだな......)
「それで人がいないのか」
「コウモリや狼がいる...... 食べ物も運んでもらえる...... 掃除は自分でしたりする」
見回すとそこらにお菓子やペットボトルが散乱し、通販のダンボールのから箱やパンパンのごみ袋がいくつかある。
(何が、掃除はしたりする、だ。 ごみ屋敷一歩手前じゃないか......そういえばたしかに、城にはコウモリがいるし狼もいるな。 最初犬かと思ったけど)
「でも今日から...... もうきてる......」
「きてる? どこにもいな......」
その時首の辺りに冷たい感触があった。 危険を感じ目だけでゆっくり見ると、首筋に長い剣の刃が当てられている。
「貴様...... アディエルエさまのなんだ......」
恫喝にも聞こえるような低い声が後ろから聞こえた。
(い、一体どこから...... だれもいなかったはず)
「ヴァライア...... 今ゲーム...... 邪魔しないで......」
「はっ!」
アディエルエがそういうと目の前に一瞬で移動し、膝をおりかしずく、それは長い黒髪の少女だった。
(同い年ぐらいか、どこから現れた? めちゃくちゃかわいいけど、こっちを射殺すような目でみているな)
「......頼まれていた任務をこなし帰ってきましたが、この者は一体? 外の世界の者でしょうか」
「マモル、私のオタ友......」
「違う...... ただの友達だ」
「お、お友達ですか......」
そういうと目から滝のようにとめどなく涙をながした。
「く、くぅ! ま、まさか、アディエルエさまにお友達ができるなんて! よかろう! 後で始末するつもりだったが、生きることをゆるそう!」
「えっ!? 俺始末されるとこだったの!?」
「......あぅ、負けた...... 今のはヴァライアのせい......」
「い、いや、アディエルエさま! やはり貴様は殺す......」
そういってこちらに剣をむける。
「俺が悪いわけじゃないだろ!」
「マーモール、冒険行こーぜ!」
外から声がかけられる。
「あっ! 仕事の時間だ! じゃあなアディエルエ!」
「あっ......」
俺はなんとかその場を逃れた。
俺は目が覚めると天井をみてそう思った。
「そう、二度とこの天井をもう拝めないと...... あれ補修のあとがない......」
それはみたことのない大きな白い天井だった。
「おい!」
「......ゲーム」
隣のコタツでスタンバってるアディエルエがいた。
「昨日、200回もしたろ!」
「ちがう、199回......」
目の下にクマがあるアディエルエはそういった。
「それと布団から直接召喚するな! そもそもどうやって召喚してんだ!」
「マモルにマーキングしてる...... 召喚すればよべる......」
「勝手にマーキングすな! よぶな!」
「ゲーム......」
そういってパッドを渡そうとしてくる。
(くっ! しかし昨日助けてもらったから断りづらい......)
「......仕方ない。 一回だけだぞ。 今日も仕事なんだから」
(......アディエルエは魔王だとは聞いてはいたが、今まで信じてなかったが、しかし昨日のあれをみると本物なんだな)
俺は必死に目を閉じてボタンを連打しているアディエルエをみた。
魔王、向こうの世界の王の一人、魔族は種族ではなくそこに属した者たちのことでその魔力はずばぬけており、向こうの世界に君臨した時代もあったという。
「なあ......」
「あっ、負けた...... 急に話しかけるから......」
「いや、パーフェクトで負けてたから関係ないだろ。 アディエルエは魔王なんだろ。 この城に人いないよな」
「............」
じっと口を閉じてこちらを何か言いたそうに見ている。
「わかった、もう一回やるから」
「......私...... 大勢がいや...... だから、みんな他の場所に住んでる......」
(底無しの人見知りだな......)
「それで人がいないのか」
「コウモリや狼がいる...... 食べ物も運んでもらえる...... 掃除は自分でしたりする」
見回すとそこらにお菓子やペットボトルが散乱し、通販のダンボールのから箱やパンパンのごみ袋がいくつかある。
(何が、掃除はしたりする、だ。 ごみ屋敷一歩手前じゃないか......そういえばたしかに、城にはコウモリがいるし狼もいるな。 最初犬かと思ったけど)
「でも今日から...... もうきてる......」
「きてる? どこにもいな......」
その時首の辺りに冷たい感触があった。 危険を感じ目だけでゆっくり見ると、首筋に長い剣の刃が当てられている。
「貴様...... アディエルエさまのなんだ......」
恫喝にも聞こえるような低い声が後ろから聞こえた。
(い、一体どこから...... だれもいなかったはず)
「ヴァライア...... 今ゲーム...... 邪魔しないで......」
「はっ!」
アディエルエがそういうと目の前に一瞬で移動し、膝をおりかしずく、それは長い黒髪の少女だった。
(同い年ぐらいか、どこから現れた? めちゃくちゃかわいいけど、こっちを射殺すような目でみているな)
「......頼まれていた任務をこなし帰ってきましたが、この者は一体? 外の世界の者でしょうか」
「マモル、私のオタ友......」
「違う...... ただの友達だ」
「お、お友達ですか......」
そういうと目から滝のようにとめどなく涙をながした。
「く、くぅ! ま、まさか、アディエルエさまにお友達ができるなんて! よかろう! 後で始末するつもりだったが、生きることをゆるそう!」
「えっ!? 俺始末されるとこだったの!?」
「......あぅ、負けた...... 今のはヴァライアのせい......」
「い、いや、アディエルエさま! やはり貴様は殺す......」
そういってこちらに剣をむける。
「俺が悪いわけじゃないだろ!」
「マーモール、冒険行こーぜ!」
外から声がかけられる。
「あっ! 仕事の時間だ! じゃあなアディエルエ!」
「あっ......」
俺はなんとかその場を逃れた。
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