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第13話
悪意の生誕
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ご老人は様々な場所や人を紹介してくれた。畑、水田、はしゃぐ子ども、働く大人。どれも(誰も)が自立し、考え、生きるために動いている。街の能力者はNPCと呼んでいるが全くノンプレイヤーではない。しっかりとこの世界を生きている村人であった。返す言葉の1つ1つが優しく、好意をもって接してくれている。初めての僕たちに疑いを持つことなく、だ。
「あなた方は宿は決まっているのかい?ここらの村は他にないし、かといって宿屋はないはずなのですが」
「あぁ、それに関してはテントを持ってきているのでどこかに張らせて頂ければと思いまして、、」
と僕が言った瞬間、スイと魁夢の表情が曇ったのが後ろからの異様な視線で伝わった。そしてそれを察したからか
「うちで泊まっていくといいよ。あなたたちの事もよく知りたいからね。この老いぼれと話をしてくれんかの」
「え!いいんですか!ありがとうございますっ!やったね!凪月!」
「あ、あぁ」
最初から狙ってただろ。旅番組のおねだりの仕方をするな。と思いながらそのご老人の好意に甘えた。
翌朝。
「バァン」
朝も早いというのにニワトリの様に大きく鳴り響いた音に驚き、僕は起きた。横の二人は疲れたのかぐっすり眠っている。僕も疲れていたので2度寝をかましてやろうと思ったのだが村の様子がどうやらおかしい。悲鳴とどよめきが村を満たしていた。異変を感じた僕は2人を起こし外へでた。
「何かあったんですかおじさん」
「子どもが殺された。。。」
初めに駆け寄ってきた子どもが血を流して転がっていた。自殺では無いことは朝の音と頭に空いた穴から理解した。銃殺である。
「てめぇらこのガキみてぇになりたくなけりゃ王国の傘下に入れ。詳しくは桜梅家の傘下だ。」
渋めの声をした顎髭を少しは生やした黒い男が屋根の上で拳銃をこちらへ向けながら話す。
「桜梅家、、貴族派の有力者だ、、、あなた方には関係の無い話。今のうちにお行きなさい」
「そんな訳には行きませんよおじさん。おい2人とも分かってるな。」
「もちろんよ」「誰に向かって」
「初手はバレないように行く。スイが水をバレないように遠回りであいつを囲うんだ。」
「わかったわ」
そうしてスイが遠回りで水を相手に囲おうと伸ばして数秒だった。
「ちっコスパ悪ぃなおい。ここにプレイヤーがいるなんて聞いてねぇぞあのくそじじいがよ」
そんな独り言を、大きく言った瞬間スイを目掛けて拳銃で打ってきた。スイはとっさに水の壁を作り弾速を下げ、何とか避けたが確実に殺そうとした射角だった。
「こそこそとしてもてめぇら三下が勝てるわけねぇのよ。コスパ悪ぃからどっか行ってくんねぇかな」
「三下だと?よくも俺様の前でそんな口聞けたな愚者よ。」
やっぱりと言うべきか魁夢が反応してしまった。挑発はして欲しくなかったのに。。。
「わかったわかった。てめぇらが消えねぇなら消すまでって事よ。」
完全に怒らせてしまったと僕とスイは気を引き締めた。
「あなた方は宿は決まっているのかい?ここらの村は他にないし、かといって宿屋はないはずなのですが」
「あぁ、それに関してはテントを持ってきているのでどこかに張らせて頂ければと思いまして、、」
と僕が言った瞬間、スイと魁夢の表情が曇ったのが後ろからの異様な視線で伝わった。そしてそれを察したからか
「うちで泊まっていくといいよ。あなたたちの事もよく知りたいからね。この老いぼれと話をしてくれんかの」
「え!いいんですか!ありがとうございますっ!やったね!凪月!」
「あ、あぁ」
最初から狙ってただろ。旅番組のおねだりの仕方をするな。と思いながらそのご老人の好意に甘えた。
翌朝。
「バァン」
朝も早いというのにニワトリの様に大きく鳴り響いた音に驚き、僕は起きた。横の二人は疲れたのかぐっすり眠っている。僕も疲れていたので2度寝をかましてやろうと思ったのだが村の様子がどうやらおかしい。悲鳴とどよめきが村を満たしていた。異変を感じた僕は2人を起こし外へでた。
「何かあったんですかおじさん」
「子どもが殺された。。。」
初めに駆け寄ってきた子どもが血を流して転がっていた。自殺では無いことは朝の音と頭に空いた穴から理解した。銃殺である。
「てめぇらこのガキみてぇになりたくなけりゃ王国の傘下に入れ。詳しくは桜梅家の傘下だ。」
渋めの声をした顎髭を少しは生やした黒い男が屋根の上で拳銃をこちらへ向けながら話す。
「桜梅家、、貴族派の有力者だ、、、あなた方には関係の無い話。今のうちにお行きなさい」
「そんな訳には行きませんよおじさん。おい2人とも分かってるな。」
「もちろんよ」「誰に向かって」
「初手はバレないように行く。スイが水をバレないように遠回りであいつを囲うんだ。」
「わかったわ」
そうしてスイが遠回りで水を相手に囲おうと伸ばして数秒だった。
「ちっコスパ悪ぃなおい。ここにプレイヤーがいるなんて聞いてねぇぞあのくそじじいがよ」
そんな独り言を、大きく言った瞬間スイを目掛けて拳銃で打ってきた。スイはとっさに水の壁を作り弾速を下げ、何とか避けたが確実に殺そうとした射角だった。
「こそこそとしてもてめぇら三下が勝てるわけねぇのよ。コスパ悪ぃからどっか行ってくんねぇかな」
「三下だと?よくも俺様の前でそんな口聞けたな愚者よ。」
やっぱりと言うべきか魁夢が反応してしまった。挑発はして欲しくなかったのに。。。
「わかったわかった。てめぇらが消えねぇなら消すまでって事よ。」
完全に怒らせてしまったと僕とスイは気を引き締めた。
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