真なる世界の主人公達よ。

独。

文字の大きさ
上 下
7 / 23
第6話

慢心・創痍

しおりを挟む
 たった一体の敵に満身創痍になって帰ってきた2人。彼らは急に持った能力に浮かれていたのだ。決して最強になれたとか軽く考えていたとかでは無い。しかしモンスターにも命があり、自分らだけでなく、相手も全力で来るという事実をさっき思い知らされたのである。相手の立場を考えるというのはやはりどんな時も難しい物だ。

 1時間ほどそんな事を考えながら、能力について話をした。よく見ると経験値もしっかり貰えている。
「今日はもう1回行って1レベル上げて帰ろうか」
「そうねっ基本的な情報は貰って帰らないとこのままでは引き下がれないもの」
そうしてビッグフットを2体ほど屠り、時は夕方と化していた。
「ふぅ、単体でいるのを見つけるのが大変だったな」
「そうね、やっぱ団体で安心しときたいのよ今安全区でいる人達と同じよ」
安全区の人とは東京のラインの内側で絶望する人々のことである。
Lvは上がったもののステータスが変わったぐらいで何か新しいそこまでの変化はなかった。能力もレベルアップはしない。恐らくこれは鍛錬による強化なのだろうと2人で仮定した。
「じゃ、また明日ねっ」
スイはそう言うとその口調とは裏腹に少し疲れた顔をして帰っていった。

翌昼、朝はさすがにきついので昼過ぎに集まり(と言っても2人だが)また森へ行く。
そんな時だった。
「おい、君たちぃ2人でどこにいくんだぁい」
モンスターよりも不気味なキザ男が話しかけてきた。
「(ちょっと誰あれ?知り合い?無視しよあれ)」
とスイが小さい声で伝えて来たので賛同しかない俺は従った。
「この魁夢(かいむ)様が一緒に行ってやろうと言うんだぁ君たちも反応したまえっ」
如何にも厨二ぽい名前だが実名で登録されてるはずなのでこれはただの誹謗中傷になる。やめておこう。と思ったのだが。。。
「なにその厨二病感溢れる名前は気持ち悪いっ」
スイ。それは言うな。ほら見ろよ、魁夢のあの顔。さっきまでのキザ顔が崩れてきてるじゃないか。
「特別に君たちに俺様の能力を教えてやろうかっ知りたいだろ?」
「いや別n」
「僕の能力は「薔薇」さ!この俺様に良く似合う能力だろ」
と僕の言葉は半ば遮られながら能力を見せつけた。地面から棘がでてくる。その薔薇の匂いもやはり良い。少しクラクラ来る。これが能力か。
「判断能力を奪われるような良い匂いと攻撃的なその薔薇は如何にもという感じだな」
「そうね。でも似合うという所はガテンがいかないわっ」
スイ。また痛いとこをつくなお前は。
仲間にするとは言っていないが粘着してくるので放って置いた。
「(一応戦力になるし最悪盾にすればいいわ)」
とどうしたんだと言いたくなるほどこの数秒で性格が変わったかのような言い方をする。兎にも角にも今日は異様な人物と森へ進むことになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい

こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。 社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。 頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。 オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。 ※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。

異世界配信で、役立たずなうっかり役を演じさせられていたボクは、自称姉ポジのもふもふ白猫と共に自分探しの旅に出る。

美杉。節約令嬢、書籍化進行中
ファンタジー
 いつだってボクはボクが嫌いだった。  弱虫で、意気地なしで、誰かの顔色ばかりうかがって、愛想笑いするしかなかったボクが。  もうモブとして生きるのはやめる。  そう決めた時、ボクはなりたい自分を探す旅に出ることにした。  昔、異世界人によって動画配信が持ち込まれた。  その日からこの国の人々は、どうにかしてあんな動画を共有することが出来ないかと躍起になった。  そして魔法のネットワークを使って、通信網が世界中に広がる。  とはいっても、まだまだその技術は未熟であり、受信機械となるオーブは王族や貴族たちなど金持ちしか持つことは難しかった。  配信を行える者も、一部の金持ちやスポンサーを得た冒険者たちだけ。  中でもストーリー性がある冒険ものが特に人気番組になっていた。  転生者であるボクもコレに参加させられている一人だ。  昭和の時代劇のようなその配信は、一番強いリーダが核となり悪(魔物)を討伐していくというもの。  リーダー、サブリーダーにお色気担当、そしてボクはただうっかりするだけの役立たず役。  本当に、どこかで見たことあるようなパーティーだった。  ストーリー性があるというのは、つまりは台本があるということ。  彼らの命令に従い、うっかりミスを起こし、彼らがボクを颯爽と助ける。  ボクが獣人であり人間よりも身分が低いから、どんなに嫌な台本でも従うしかなかった。  そんな中、事故が起きる。  想定よりもかなり強いモンスターが現れ、焦るパーティー。  圧倒的な敵の前に、パーティーはどうすることも出来ないまま壊滅させられ――

異世界楽々通販サバイバル

shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。 近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。 そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。 そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。 しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。 「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...