ヴァルネラブル

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第三章 蛋白質性の視線

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 勤務のあと、由比は大学に寄った。研究室へ向かう廊下を歩いていると、トイレから出てきた指導教授の池内に出くわした。池内は、ちょうど君にメールしようと思っていたところなんだ、と言い、自室へ彼を連れて行った。
「妙なことになった。まあ、座りたまえ」
 言い置くと、池内はプリンターを起動させた。由比はパイプ椅子を出し、教授の机の前に座った。そして、間もなく還暦を迎える池内の、少しもつれた灰色の髪や、落ちそうなほどに下げられた老眼鏡を眺めていた。プリントアウトした紙を持って顔を上げた池内は、由比と目が合うと、にやりと笑った。
「聞いたぞ。相変わらずのもてっぷりらしいじゃないか。え?」
「何のことですか」
 由比は無感動に問い返した。池内は髭の生えかけた顎を摩りながら笑った。
「黒木だよ。君にすっかり心酔している。我が講座の由比中毒患者はこれで一ダースだ」
 責任を取りたまえよ、という軽口に、由比は、すぐに醒めますよ、と答えた。池内は愛弟子をじっと見つめてから、それはそうだ、醒めなければ困る、と肯いた。
「いくら憧れたところで、君の模倣は誰にもできない。黒木君はよいものを持っているのだから、彼自身のやり方を追求すべきだ。……とはいえ、他の研究者に心酔したことのない人間など存在しないがね。君を除いては」
 言葉を切って反応を窺ったが、由比はゆっくりと瞬きしただけだった。
 池内は由比の左手首に目を落とした。
「皆、君に惑う」
 安物の時計を巻きつけた、華奢な手首。
「『М大のファム・ファタール』、か」
 由比もまた、自身の手首を見た。それから視線を上げ、微かに首を傾げるようにして、場違いなほど上品に笑った。
「何ですか、それは」
 池内は喘いだ。心拍数が跳ね上がっていた。時計の針の音が一際大きく響いて、廊下をヒールの硬い靴音が通り過ぎていった。本棚で埋め尽くされた部屋の閉塞感が、突然ひどく濃厚に迫った。息が詰まって脂汗が滲んだ。言葉にできない、あるいは言葉にしてはならない激情は、もう若くない神経には辛かった。池内は項垂れた。三十秒の不自然な沈黙のあとで顔を上げたとき、その顔は実年齢よりも老いていた。
「本題に入ろう。君がこの前書いた、『溺死者の回顧録』論のことだ」
「溺死者?」
「ほら、春に講座で雑誌を出しただろう。あれに載せたものだよ」
 彼らの所属する研究室は、定期的に刊行する雑誌において時折無計画な特集を組む。今春の『若手作家・批評家特集』がまさにそれだった。しかし所属する院生には新しい作家作品を論じることのできる人間がほとんどいなかったので、作品の古今を問わず独自の、そして高水準の論が立てられる由比に白羽の矢が立てられた。とはいえ由比は若手作家に疎かったので、池内は問題作として現在話題の小説を彼に渡し、これで論じるようにと指示した。
「書いたかもしれませんね。何か問題でも?」
 問いながらも、由比はひどく気のない様子だった。が、それも当然だと池内は思った。論文に問題が生じたとしたら、同じ指摘をした先行論が見つかった、ということくらいしか考えられない。だがそれはありえない話だった。由比以外の誰にあのような奇形の論が立てられるだろう?
「これが果たして問題といえるのか判らんが」
 池内は先刻印刷した紙を由比の前に滑らせた。
「『溺死者の回顧録』の作者が、君の論文を読んだらしくてな。編集責任者の私のところにメールを送ってきた。君が自分の作品に下した評価には首肯しかねる、一度じかに会って話がしたい、と。ほら、これだ」
 由比は文面に目を走らせた。それから右手の中指で紙面を叩いた。
「たかが院生の論文に、大人気ない作家もいたものですね」
「これがただの頭のおかしい作家なら、笑って済ませられるのだがな」
 それは音もしないほど軽くささやかな動きだったので、池内は彼の指先の振動に気づかなかった。
「君は知らないだろうから言っておくが、実は作者は私の元同僚のかつての指導学生で、Y大の文学研究科の博士課程を中退した人間だ。今も研究を続けていて、それなりに有名になっている。つまりは我々と同じ現役の研究者というわけだ。だから、もしかしたら学術的に興味深い対談が実現することになるかもしれん」
 だがやはり気味の悪い話だ、と池内は言いながら思った。まず、相手の目的が解らない。対談を希望しているといっても、それが作者としてなのか研究者としてなのか、そのスタンスがメールの簡潔すぎる文章からは判らなかった。これは由比の知らないことだが、件の作者は、研究においては今となっては珍しい純粋なテクスト論の立場を取ってきたはずだった。読者の読みを否定することは、自らの研究者としての信念を否定することになりはしないだろうか。いったい相手は何がしたいのだろう。そして由比はどうするのだろう。
 探るように見つめていると、由比は口を開いた。
「こちらで処理します」
 穏やかだが、きっぱりとした口調だった。池内は、どう対処するのか訊いてみたいと思ったが、彼があまりに冷淡な調子だったので気圧されてしまった。
「それじゃあ、君のアドレスにこのメールを転送しておく」
「お手を煩わせて申し訳ありません」
 池内は目を逸らし、気を張って明るい声を出した。
「しかし、君にしては酷評だったな。そんなに酷い代物だったかね」
「酷評したつもりはありません。私はただ自分のやり方で分析して評価しただけです。それに、分析手法が違えば作品への評価も異なるでしょう。一つの方法で分析しただけでそのテクストを『酷い代物』だったと言うことはできませんよ」
「だが、君はいつも作品に好意的な評価を下すタイプだからな」
「だとすれば、私の力が足りなかったんでしょう。テクストに美点を見出せないのは、論者の責任ですから」
 それは紛れもなく、駄作に対する痛烈な皮肉だった。精進します、と艶やかに笑う彼に、池内は疲れたような微笑を返すのが精一杯だった。



 由比にとって、その週は非常に穏やかなものだった。高校で授業をして、大学で論文を読み、資料を作成した。誘われて友人と食事もした。
 男女問わず、彼には友人が多かった。穏やかな態度と品のよい立ち居振舞い、そして何よりその美貌を彩る笑みが、多くの人間を惹きつけた。実際彼は素晴らしい役者だった。彼の頭の中には大きな事典があって、そこにはどういうときにどのような笑顔を作ればよいかが記載してあった。もちろん見当外れの笑顔を作ってしまうことも非常に多かったのだが、それでも彼は、顔面の筋肉をほんの少し動かすだけで世界の一部を動かせる、稀有な人間だった。実際役者かモデルにでもなっていた方が、周囲の人間にとっては幸せだったかもしれない。
「あなたと話していると楽しいわ」
 その日の相手は、彼が昔アルバイトをしていたカフェの常連客だった。美しく頭の回転の速い女性で、外資系の企業で働いている。彼女は月に数回の頻度で彼を飲みに誘う。場所は大概、彼女の収入と矜持に相応しい店である。そこで彼はソフトドリンクを飲みながら相手の話を聞いた。
「職場の人と飲むと、大抵仕事の話になっちゃうのよ。うんざり」
「私も大学の知り合いとだと、研究の話になります」
 そこは夜景の見える会員制のバーだった。藍色のビロード張りの宝石箱のような展望と、甘く物悲しいジャズの生演奏が、恋人たちのために提供される。そこで向かい合わせに座る、三十くらいの隙のない美女と、それよりも若く、異質なほど綺麗な男。男のスーツが安物であることなど、問題にならなかった。客もウェイターも彼らに目を奪われている様子だった。
 私たちは完璧だ、彼女は周囲の羨望の眼差しを敏感に感じ取り、満足した。それから彼女は、改めて相手を見つめた。明らかに格の違う店に来ているにも拘わらず、この男は店内の誰よりもエレガントで堂々としている。年下の男、それも貧乏院生などに引っかかったと周りに知れたら、きっとさんざん馬鹿にされるだろう。しかし、由比は特別な人間なのだ。誰に笑われようと、ほかの女に盗られる前に自分のものにしなければならない。
「チカ君。明日は仕事ないわよね?」
「ええ。鹿島さんは?」
「私も休みよ」
 彼女は目の前の男を見つめた。彼はグラスに浮いた水滴を親指でそっと拭っていた。俯くと、細く艶やかな黒髪が白い額の上をさらさらと滑った。少し伏せられて翳った瞳孔は、まるで黒瑪瑙のように見える。本当にこの男は、見惚れるほどに美しい。
「実は、近くのホテルの部屋を予約してあるの」
 言ったあとで、鹿島は唐突に不安になった。確かに私は美人だ。だが、この男に相応しいほど美しいだろうか? 由比という男は、私のものにするにはあまりに上等すぎやしないだろうか? 彼が放つ恐ろしいほどの存在感には、他者を徹底的に叩きのめして地に引きずり落としてしまうところがある。
「豪勢ですね」
 由比はにこりと笑って、グレープフルーツジュースを一口飲んだ。薄いレモン色の液体の中で、小さくなった氷が音を立てた。鹿島は、剥き出しになった由比の清潔な喉元を眺めた。きめ細かく皺のない皮膚の上では、喉仏の突起が作る影さえも滑らかで、そして優美だった。思わず彼女は硝子の壁面に映る自分の姿を見た。少しずつ頭の奥が鈍くなっていくのが感じられた。重い砂をゆっくりと流し込まれているような圧迫感。どんどん迷いが大きくなっていく。身動きが取れなくなっていく。その重みを振り切るように、でも、と彼女は自身に向かって叫んだ。でも、それじゃあどんな女がこの男に釣り合うっていうの? 答えは見えていた。彼女は長い沈黙の後で、静かにその台詞を口にした。
「ねえ、部屋で飲まない?」
 由比は細く長い指で、スーツの袖をずらした。華奢な手首には時計が巻きついていた。スーツ同様、見るからに安価なそれは、しかし彼の肌の上にあると白金の蔦のように輝かしかった。彼は優雅な仕草で時刻を確認してから、口角を僅かに上げた。
「終電までならお付き合いしますよ」
 二人は席を立った。
 三十分ほど部屋で飲んだあと、鹿島はシャワーを浴びに行った。彼女が戻ってくると、由比は烏龍茶の入ったグラスを持って、壁を見つめていた。
「何を考えているの?」
 鹿島は彼を背後から抱きしめた。由比はシンプルに、研究について、と答えた。鹿島は笑った。それから前に回ると、彼の頬に手を当てて仰向かせ、軽いキスをした。由比は黙っていたが、ベッドへ引っ張られ押し倒されたところで、小さく溜め息をついた。
「セックスしたいということですか?」
 ベッドの上に投げ出され、ネクタイを解かれても、彼は恐ろしく上品で、なおかつ完結していた。鹿島は戸惑いながらも、辛うじて肯いた。由比は相手の顔をじっと見つめた。そして口を開いた。



 十一時近くに自宅アパートに到着したとき、エントランスに人影を見つけても、由比は特に驚いたそぶりを見せなかった。亡霊のような顔をしてただ立ち尽くす男に向けて、そっと触れるような笑みを浮かべた。
「おいで」
 甘い声だった。相手の全神経の隅々にまで溶け込んで細胞を揺るがす響きだった。黒木は顔を僅かに歪めた。それでも由比の後をついていった。ついていかざるをえなかった。
「三時間も待ってたの? 通報されなくてよかったね」
 二人はローテーブルの対辺に座った。彼らの間には前と同じマグカップが二つあった。しかし今回はインスタントコーヒーだった。テーブルには、スティックシュガーとポーションを盛った硝子の小皿が出してあった。黒木は由比がブラックしか飲まないことを知っていた。それで口を開きかけたが、上手い訊き方ができそうになかったし、答えもだいたい見当がついていたので結局何も言わずに下を向いた。それを見て、由比は唇の端だけで笑った。一通り相手の頭部を眺めてから、由比は腕時計に指をかけた。
「――寝てきたんですか」
 低い声が、金具を外す彼の鼓膜を掠めた。
「そのご友人と」
「彼女と?」
 由比は時計を手首から抜いた。かしゃん、という音を立てて、銀色のバンドがテーブルの上に横たわった。彼はネクタイを外し、上のボタンを二つ外した。そして口を開いた。
「俺のセクシャリティについては、もう知っていると思ってたんだけど」
 黒木は自身の指をひたすら見つめた。彼の言葉を、あの日重ねた身体では理解できても、頭ではまだ理解できずにいた。できるはずがなかった。しかし無慈悲で優しい声はそれを許さなかった。
「それじゃあ、はっきりさせておこう」
 甘く蕩ける、残酷な声。
「俺は、心も身体も性的にゼロだ」
 頭が、おかしくなる。
「要するに、いわゆるマイノリティなんだろうね。もちろん見てのとおり身体は男だし、精神も男で一致している。ただ、そう――分類的にはアセクシャルっていうのに相当するのかな、簡単にいうと、性的欲望や恋愛感情がない。そして俺の場合は、それに加えて生殖能力と性的快感というものが綺麗に欠落している。性器を弄られたって前立腺を擦られたって全然気持ちよくならない。勃起なんて一度もしたことがないね。ついでにいえば精通だってまだだよ、というか永遠に来ないんじゃないかな。ほかの二次性徴はだいたい来ているのにね。まあつまり、完全に不能で不感症だ。だから、彼女と寝てきたわけがない。……解った?」
 黒木は肩をびくりと動かした。すると由比は笑顔を見せた。
「いい子だね」
 黒木は呻いた。鼓膜と角膜に与えられる愛撫は苦しいほどだった。いっそ耳を塞ぎ目を閉じれば、このおぞましさから逃れられるのだろうか。今なら由比誓を抱いた男たちが皆去っていく理由も解る。
「一つだけ……聞かせてください」
 そう、初めから由比は真実を明かしていたのだ。ヘテロでもホモでもバイでもない。あの言葉で彼は全てを語っていた。
「何故、俺に抱かれたんですか」
「断る理由がなかったからだよ」
「でも、あなたが気持ちよくなれるわけじゃないのに……俺のことが好きなわけでもないのに……どうして」
「君の中でセックスというものがどういう位置づけなのか知らないけどね」
 こつこつこつ、と規則正しい音がした。見ると、由比の中指がテーブルを叩いていた。その指は爪の先まで清潔だった。どうしようもなく清潔だった。そして由比は指と同じく救いがたいほど清潔な声帯と清潔な舌で、セックスなんて、と清潔に発音した。
「セックスなんてジグソーパズルと同じだよ。ピースを嵌め込むことができるのなら、それは正当だ。それがこの世の真理なんだ」
 だから君も俺を抱いたんだろう、そう問い返す声が遠く聞こえる。
「……あなたは」
 声が震えた。
「あなたは、おかしい」
 由比は軽やかな笑い声を立てた。蕾がふわりと開いたような笑み。
「やっぱり君もほかの連中と同じだね。こっちにしてみれば、自分には理解不能な性欲とやらを持て余して困っている知人のために、痛いだけなのを我慢して善意でその処理の手伝いをしたつもりなのに、どうして詰られなきゃならないのかって話なんだけど」
「あなたは頭がおかしい!」
 突然、硬い音が空気を揺さぶった。気づくと黒木はテーブルを拳で叩いていた。マグカップと腕時計のベルトががたがたと鳴った。
「善意? 笑わせないでくださいよ。あなたがやってることは色情狂と同じじゃないですか。それじゃまるで公衆便所だ」
「だとしても、強姦よりましだ」
 黒木は顔を上げた。そして心底ぞっとした。
 由比は笑っていた。表情は先刻と全く同じだった。だがそこには華やかさや煌びやかさと同梱された、爛れたようなおぞましさが、引き攣れたような歪みがあった。綺麗であればあるほど、それは吐き気を催すほどグロテスクだった。
 こつこつこつこつこつ。
「どうせ断ったって、遅かれ早かれ無理やりやられるんだよ。それなら和姦の方がいい」
 耳を塞ぎたかった。しかし動けなかった。薄い唇が紡ぐ言葉が呪詛のように黒木の脳を痺れさせる。
「リスクの問題だよ」
 そう、これはリスクの問題なんだ。強姦はあまりにもこちら側のリスクが高すぎる。でも合意の上なら、さほど乱暴にはされないし、入れる前に段階を踏んでもらえるし、ゴムだって使ってもらえる。俺はセックスみたいな些事で怪我をしたり病気をうつされたりするのは嫌なんだ。君だってそうだろう?
 こつこつこつこつ。
「レイプ……されたことが?」
 由比は不思議そうに首を傾げた。
「君はないの?」
 ありません、と潰れそうな喉で答えると、彼は素っ気なく、そう、と言った。
「じゃあ、解らなくても仕方ないね。ごめん」
 その瞳には何の拘りもなかった。いつものひたすら見惚れてしまう表情だった。先刻のおぞましさは欠片ほども残っていなかった。
「……由比さん……」
 このままではいけないと思う。何か言わなければならないと、確かにそう思う。口を開けば、辛うじて掠れた声が漏れる。それは相手の名を呼んでいる。だがそこから先が続かない。どのような言葉を並べても、その心に届く気がしない。自分と相手の間には越えられない距離がある、その瞳には深すぎる闇がある、誰にも踏み込めない地獄がある。
 由比は静かに首を横に振る。そして沈黙する黒木を微笑で突き落とす。
「いいんだ。俺は自分の肉体と人生に満足してる」
 言外に由比は問いかけている。君は俺の全てを否定するつもりか、と。
 どうしてだろう。
「それで、今日は何かな。この前と同じ?」
 どうしてこんなことになってしまったのだろう。
「構わないよ。明日は休みだしね」
 由比は立ち上がる。ワイシャツのボタンを外しながら。
「先にシャワー浴びていい? そのへんの本でも読んで待ってて」
「由比さん……俺は」
「何?」
 帰ります、と言えばよいのだ。そして二度とここを訪れなければ。それで全ては終わる。何もかも終わるのだ。
「そうだ、今度来るときは先に連絡して。また何時間も待たせたら悪いから」
 それで、終わらせられるはずなのに。
「黒木君?」
 手首を掴むとほんの少し冷たくて、顔を寄せると花のような匂いがして、抱きしめると壊れそうなくらい細くて、肌を探ると子供のように滑らかだった。
 そう、この男は子供なのだ、と黒木は思った。無垢で残酷な子供。ままごとをするように菓子を弄び、パズルのピースを嵌めるように男と交わる。髭も生えなければ射精も知らず、酒も飲まない。彼はきっと永遠にこのままだ。
 どうしてだろう。
 どうして俺は、よりによってこんな人間を好きになってしまったのだろう。
「解らないな」
 腕の中で男はあどけなく呟く。
「どうして君たちはみんな泣くんだろう」
 黒木は肩を震わせた。
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