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①第三章 大事なものを一つだけ選ぶなら?
6人外たちの身分や力
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「(ねえ、あの時身分って言ってたけどさ。人外にも身分ってあるの?)」
するとよくぞ聞いてくれました、とでも言いたげに彼女は片方の手をもう片方の手へと添える。
「勿論。ありますとも。あ、覚えておいて損は無いので頭の中にメモするなり何なりしてくださいましね」
ぱちん、と彼女が僕の手を掴むなり指を鳴らして数秒で、あの創造の世界へ飛ばされた。
相変わらずどうなってんだ。
「えー、ではホワイトボードにご注目」と言うは教師っぽく振る舞い眼鏡をかけたブラビット。
……先生の設定気に入ってたのかな?
ぼんやりと楽しそうな彼女を遠い目をしながら見ていたら、自分の手元には紙と鉛筆。
そしていつの間にか用意されていたテーブルと椅子。何故ちゃっかり座らされているのか、という疑問はさておき、この久々の彼女特有なノリが懐かしく感じられた。
「この世界には死神協会→天界→人間界→魔界の順で上から下にあるのですが、種族身分としては大まかに死神→天使→悪魔→人間となっている為、人間が一番低い身分なのです」
ホワイトボードへ書き足されていくよく分からない図(失礼)へ更に意味不明な絵(?)が足されていく。
理解を深めようにもその画伯が邪魔をするので一旦彼女に字だけにしてくれと頼むとしょぼくれたような瞳で両耳が垂れ下がる。なんだこの罪悪感。
だがしかし、本当に邪魔でしか無かったので絵を描きながらの説明は諦めて貰った。
……そこまで落ち込まれると心苦しいけど。
これも僕の言葉で傷付いた彼女であるはずなのに、これは、何か嫌だった。
どういう原理なんだろうか。
でもそうか、だからいつも偉そうだったんだ。死神はお貴族様。妙に納得してしまった。
ブラビット先生……に説明を受けていくこと早数十分。この世界の中で、魔界というのは相当不憫なことはよく分かった。冬には人間界の積もった雪が魔界に全部流されて雪崩が発生したりだとか、死神協会からは常に馬鹿にされているとか、天界とは関係が良好だったものの今は上の者達が少々不仲であることも含め。
「ま、魔界に任せておけば大丈夫だろ」みたいなノリを感じる程色々押し付けられている立場にあるみたいで。
それには同情するが、何故。
何故彼女はやたらと魔界について語るのか。
ちらりとホワイトボードへ目を向けると、案の定八割は魔界の情報が書かれていた。
──いや、死神なんだったら死神協会メインに語ろうよ……。
気になりすぎて頭に入らなくなってきた為、僕は手を挙げて質問する。
「ブラビット先生ー、何でそんなに魔界ばっかり語るんですか」
「え。ああ! 面白い悪魔がいるんですよ、スーパー雑魚って呼ばれている悪魔の子なんですけれどね? もうほんとにほんっとに弱くって」
スーパー雑魚な悪魔って何? 人外なのにそんなに弱い存在がいるの?
いやいや、でも流石に人間よりは強いんでしょ……と聞くと
「いえ、下手すれば貴方の方が強いと思います。多分人間でも勝てますよ、あれには」
「え、待って? そんな悪魔いるの? マジで? 人外なら魔法も使えるんじゃないの?」
それがいるんですよねえ、と語る彼女は妙にはきはきした流暢な喋りで続けていく。
「魔法も……あ、そうそう。人外には魔法と創造力という二つの特殊な力がありまして、ここはその創造力で創り出した空間なんです。しかし、こればっかりは運と言わざるを得ないのですが、魔力と創造力は生まれつきの才によって左右されるのですよねぇ」
『創造力』?
ちょっと今凄く知りたかったことが聞けた気がするな、とメモしていく内に僕が書き終わった頃にまた追加で教えてくれた。
創造力というのは具現化する力、つまり想像した物をその場で実際に造り上げてしまうことが出来る。
魔法は逆に、反映する力。
だから……大抵の場合は幻覚などに用いられるらしく、それだと彼女がやっていた音の遮断とはどういうことなのか。
頭に疑問符を浮かべていると、魔法は魔法でも明確に理屈さえ理解していればそのまま現実に反映することが出来るのだという。
例えば、専門知識も無く「怪我を治す!」とか回復魔法を使っても痛みを飛ばすくらいしか出来ないが、専門知識があり損傷部位が分かっている状態で使うと本当に治すことが出来るんだそう。
はあ、知識って人外にも凄く重要なものなんだな、と聞いてて思った。
知ったかぶりでは魔法はただの気休め、もしくは精神的作用しか施すことが出来ないもの。
考えてみればみる程、創造力の方が重要視されていそうだなと口にすると、本当にそうらしく、創造力の強さは己の強さに関わることだと彼女は言った。
「家名はご立派な死神の出なんですが、下級悪魔とのハーフなのが決め手になったのか、世界一の雑魚という称号が付けられる程創造力も魔力も無くってね……それはもう、貧弱で貧弱で。遠目から見ていても噂で聞いていても可哀想になる程なんです。お友達も一人もおらず、一匹狼を貫き通そうとするあの様が哀れすぎて目も合わせられませんわ!」
わっと手で顔を覆う彼女。
まさかそんな表情豊かに喋ると思ってなかった僕。
内容も過去の自分に刺さるボッチと貧弱。三連発で動揺することが起きていてしどろもどろになってしまう、え、何。
そんなに仲良い知り合い、いたの?
約四年間一緒に居て今初めて知ったんだけど、というショックの方が大きかったかもしれない。
ブラビットもボッチ仲間だと思っていたのだが、思い違いだったのか。
というか、君をそんな表情豊かにする程仲良いのか面白いのか……後者かな。
確かに面白いもんなその情報だけで。
魔法もあって創造力とかいう力もある世界で人間に勝てないって相当ヤバいよ。レベル1とかあるなら1以下な気がしてならない。
やたらと「ほんと可哀想」だとか「無駄にモテてはいるんですよ無駄に」とかその知り合いの悪魔語りが続いて、続きすぎて嫌になった僕は「ちょっともう寝かせて」と睡眠不足を訴えた。
実際、睡眠が足りてない状態でこの情報量は鬼か、とさえ思ったが適度に間を置いて様子を見ながらしてくれていた為、もう少し大丈夫だったとは感じている。
が、その悪魔の話が多すぎて……多分飽きてきた。
訴えると申し訳なさそうにせっせと現実に戻り、あろうことか僕をお姫様抱っこでベッドに寝かせるブラビット。
……いや、待って? 立場逆じゃない?
なんて僕の対立意見を述べるもさっさと寝かしつけられ、余程疲れていたのか、ベッドに横になるなり睡魔に身を任せて目を閉じてしまった。
翌日、問題無いということで退院してすぐ学校へ行った僕に、新しいお友達が出来ることとなった。
教室に着いてすぐ狼君が心配してくれて、他の子達からも心配の言葉を掛けられ……そのすぐ後に、狼君が昼休みに話があると行って彼を連れて来たのだ。
「──お前が黒兎赤だろ? 俺は陸堂仁夏。よろしく」
肩まで伸ばされた小豆鼠色の髪。一般的には女の子っぽいと言われそうなその髪は、僕には何故だか男の子らしく格好良く映った。
「病院のお世話になったばっかなのにごめんねー。仁夏がどうしてもって言うからさ」
「そりゃ、お前があんだけ言えば気になるだろうよ」
あんだけ言えばってどのくらい僕のこと言ってたんだ、狼君は⁉
あの神(任命)からそんな名前が出てると思わず、僕は仁夏君の方へ「そんなに?」と問いかける。
椅子を逆にし、上の背もたれへ両腕をぶら下げながら彼は、まるで不良少年のように見えた。
でも、服装はしっかりとしたお金のありそうな子のそれで、上下を見てもお坊ちゃん、と言った風である。
「何か言う度に『赤君がー』、『赤君がさー』だかんな。いっつも大人しいこいつが何回も口にするってけっこー珍しいんだぜ?」
にへっと笑う彼の頬を抓る狼君。むしろ僕からしてみれば血管が浮き出ている今の狼君の方が珍しいのだが。
「ごめんね、ほんっと仁夏って空気読めなくてっさぁ……」
いでででで! と悲痛な声を出す仁夏君が本当に痛そうだったので止めようとしたが、「いいって」と遮られてしまった。彼曰く幼馴染みだから日常的にこんな感じなのだとかで、それを聞いた瞬間、そうか。
この子が狼君が言っていた小学生になる前からいるお友達だったのか、と腑に落ちた。
今も尚ぐりぐりと頭を摩擦されている仁夏君。いや痛そう。
「痛そう……大丈夫?」
「お前優しいな。狼の奴のダチにしちゃ偉くまとも──あだだだだっ」
え、何。珍しいの心配されるの。
狼君の交友関係は……まさか阿井田君みたいな熱い手のひら返しタイプばっかり(完全なる偏見)なんだろうか?
そうだとしたら仁夏君に同情せざるを得ない。
友達は選んだ方が良いよってブラビットが言ってたけど、狼君の方が友達選んだ方が良いんじゃないかな。
あ、そうだ。ブラビットと言えば、と思い出してぽんっと手を置く。
置いた瞬間、「ん?」と二人揃ってこっちを見るものだから「仲良いなー」と心底思った。
「狼君、あのね。今度聞いて欲しいことがあるの、良い?」
「あー……ああ」
あれのことかな、と察しが付いたようで「良いよ」と了承が得られた。
何のことだよ、俺にも教えろよという仁夏君には申し訳ないけど教える訳にはいかないので口を噤んで貰った。
ごめんね、今のところ二人だけの秘密なんだこの話。
ブラビットがいる前で狼君と話したらまた気まずい思いをさせてしまうし、また死神協会の日に言おうと決めてその日は帰宅したのだった。
するとよくぞ聞いてくれました、とでも言いたげに彼女は片方の手をもう片方の手へと添える。
「勿論。ありますとも。あ、覚えておいて損は無いので頭の中にメモするなり何なりしてくださいましね」
ぱちん、と彼女が僕の手を掴むなり指を鳴らして数秒で、あの創造の世界へ飛ばされた。
相変わらずどうなってんだ。
「えー、ではホワイトボードにご注目」と言うは教師っぽく振る舞い眼鏡をかけたブラビット。
……先生の設定気に入ってたのかな?
ぼんやりと楽しそうな彼女を遠い目をしながら見ていたら、自分の手元には紙と鉛筆。
そしていつの間にか用意されていたテーブルと椅子。何故ちゃっかり座らされているのか、という疑問はさておき、この久々の彼女特有なノリが懐かしく感じられた。
「この世界には死神協会→天界→人間界→魔界の順で上から下にあるのですが、種族身分としては大まかに死神→天使→悪魔→人間となっている為、人間が一番低い身分なのです」
ホワイトボードへ書き足されていくよく分からない図(失礼)へ更に意味不明な絵(?)が足されていく。
理解を深めようにもその画伯が邪魔をするので一旦彼女に字だけにしてくれと頼むとしょぼくれたような瞳で両耳が垂れ下がる。なんだこの罪悪感。
だがしかし、本当に邪魔でしか無かったので絵を描きながらの説明は諦めて貰った。
……そこまで落ち込まれると心苦しいけど。
これも僕の言葉で傷付いた彼女であるはずなのに、これは、何か嫌だった。
どういう原理なんだろうか。
でもそうか、だからいつも偉そうだったんだ。死神はお貴族様。妙に納得してしまった。
ブラビット先生……に説明を受けていくこと早数十分。この世界の中で、魔界というのは相当不憫なことはよく分かった。冬には人間界の積もった雪が魔界に全部流されて雪崩が発生したりだとか、死神協会からは常に馬鹿にされているとか、天界とは関係が良好だったものの今は上の者達が少々不仲であることも含め。
「ま、魔界に任せておけば大丈夫だろ」みたいなノリを感じる程色々押し付けられている立場にあるみたいで。
それには同情するが、何故。
何故彼女はやたらと魔界について語るのか。
ちらりとホワイトボードへ目を向けると、案の定八割は魔界の情報が書かれていた。
──いや、死神なんだったら死神協会メインに語ろうよ……。
気になりすぎて頭に入らなくなってきた為、僕は手を挙げて質問する。
「ブラビット先生ー、何でそんなに魔界ばっかり語るんですか」
「え。ああ! 面白い悪魔がいるんですよ、スーパー雑魚って呼ばれている悪魔の子なんですけれどね? もうほんとにほんっとに弱くって」
スーパー雑魚な悪魔って何? 人外なのにそんなに弱い存在がいるの?
いやいや、でも流石に人間よりは強いんでしょ……と聞くと
「いえ、下手すれば貴方の方が強いと思います。多分人間でも勝てますよ、あれには」
「え、待って? そんな悪魔いるの? マジで? 人外なら魔法も使えるんじゃないの?」
それがいるんですよねえ、と語る彼女は妙にはきはきした流暢な喋りで続けていく。
「魔法も……あ、そうそう。人外には魔法と創造力という二つの特殊な力がありまして、ここはその創造力で創り出した空間なんです。しかし、こればっかりは運と言わざるを得ないのですが、魔力と創造力は生まれつきの才によって左右されるのですよねぇ」
『創造力』?
ちょっと今凄く知りたかったことが聞けた気がするな、とメモしていく内に僕が書き終わった頃にまた追加で教えてくれた。
創造力というのは具現化する力、つまり想像した物をその場で実際に造り上げてしまうことが出来る。
魔法は逆に、反映する力。
だから……大抵の場合は幻覚などに用いられるらしく、それだと彼女がやっていた音の遮断とはどういうことなのか。
頭に疑問符を浮かべていると、魔法は魔法でも明確に理屈さえ理解していればそのまま現実に反映することが出来るのだという。
例えば、専門知識も無く「怪我を治す!」とか回復魔法を使っても痛みを飛ばすくらいしか出来ないが、専門知識があり損傷部位が分かっている状態で使うと本当に治すことが出来るんだそう。
はあ、知識って人外にも凄く重要なものなんだな、と聞いてて思った。
知ったかぶりでは魔法はただの気休め、もしくは精神的作用しか施すことが出来ないもの。
考えてみればみる程、創造力の方が重要視されていそうだなと口にすると、本当にそうらしく、創造力の強さは己の強さに関わることだと彼女は言った。
「家名はご立派な死神の出なんですが、下級悪魔とのハーフなのが決め手になったのか、世界一の雑魚という称号が付けられる程創造力も魔力も無くってね……それはもう、貧弱で貧弱で。遠目から見ていても噂で聞いていても可哀想になる程なんです。お友達も一人もおらず、一匹狼を貫き通そうとするあの様が哀れすぎて目も合わせられませんわ!」
わっと手で顔を覆う彼女。
まさかそんな表情豊かに喋ると思ってなかった僕。
内容も過去の自分に刺さるボッチと貧弱。三連発で動揺することが起きていてしどろもどろになってしまう、え、何。
そんなに仲良い知り合い、いたの?
約四年間一緒に居て今初めて知ったんだけど、というショックの方が大きかったかもしれない。
ブラビットもボッチ仲間だと思っていたのだが、思い違いだったのか。
というか、君をそんな表情豊かにする程仲良いのか面白いのか……後者かな。
確かに面白いもんなその情報だけで。
魔法もあって創造力とかいう力もある世界で人間に勝てないって相当ヤバいよ。レベル1とかあるなら1以下な気がしてならない。
やたらと「ほんと可哀想」だとか「無駄にモテてはいるんですよ無駄に」とかその知り合いの悪魔語りが続いて、続きすぎて嫌になった僕は「ちょっともう寝かせて」と睡眠不足を訴えた。
実際、睡眠が足りてない状態でこの情報量は鬼か、とさえ思ったが適度に間を置いて様子を見ながらしてくれていた為、もう少し大丈夫だったとは感じている。
が、その悪魔の話が多すぎて……多分飽きてきた。
訴えると申し訳なさそうにせっせと現実に戻り、あろうことか僕をお姫様抱っこでベッドに寝かせるブラビット。
……いや、待って? 立場逆じゃない?
なんて僕の対立意見を述べるもさっさと寝かしつけられ、余程疲れていたのか、ベッドに横になるなり睡魔に身を任せて目を閉じてしまった。
翌日、問題無いということで退院してすぐ学校へ行った僕に、新しいお友達が出来ることとなった。
教室に着いてすぐ狼君が心配してくれて、他の子達からも心配の言葉を掛けられ……そのすぐ後に、狼君が昼休みに話があると行って彼を連れて来たのだ。
「──お前が黒兎赤だろ? 俺は陸堂仁夏。よろしく」
肩まで伸ばされた小豆鼠色の髪。一般的には女の子っぽいと言われそうなその髪は、僕には何故だか男の子らしく格好良く映った。
「病院のお世話になったばっかなのにごめんねー。仁夏がどうしてもって言うからさ」
「そりゃ、お前があんだけ言えば気になるだろうよ」
あんだけ言えばってどのくらい僕のこと言ってたんだ、狼君は⁉
あの神(任命)からそんな名前が出てると思わず、僕は仁夏君の方へ「そんなに?」と問いかける。
椅子を逆にし、上の背もたれへ両腕をぶら下げながら彼は、まるで不良少年のように見えた。
でも、服装はしっかりとしたお金のありそうな子のそれで、上下を見てもお坊ちゃん、と言った風である。
「何か言う度に『赤君がー』、『赤君がさー』だかんな。いっつも大人しいこいつが何回も口にするってけっこー珍しいんだぜ?」
にへっと笑う彼の頬を抓る狼君。むしろ僕からしてみれば血管が浮き出ている今の狼君の方が珍しいのだが。
「ごめんね、ほんっと仁夏って空気読めなくてっさぁ……」
いでででで! と悲痛な声を出す仁夏君が本当に痛そうだったので止めようとしたが、「いいって」と遮られてしまった。彼曰く幼馴染みだから日常的にこんな感じなのだとかで、それを聞いた瞬間、そうか。
この子が狼君が言っていた小学生になる前からいるお友達だったのか、と腑に落ちた。
今も尚ぐりぐりと頭を摩擦されている仁夏君。いや痛そう。
「痛そう……大丈夫?」
「お前優しいな。狼の奴のダチにしちゃ偉くまとも──あだだだだっ」
え、何。珍しいの心配されるの。
狼君の交友関係は……まさか阿井田君みたいな熱い手のひら返しタイプばっかり(完全なる偏見)なんだろうか?
そうだとしたら仁夏君に同情せざるを得ない。
友達は選んだ方が良いよってブラビットが言ってたけど、狼君の方が友達選んだ方が良いんじゃないかな。
あ、そうだ。ブラビットと言えば、と思い出してぽんっと手を置く。
置いた瞬間、「ん?」と二人揃ってこっちを見るものだから「仲良いなー」と心底思った。
「狼君、あのね。今度聞いて欲しいことがあるの、良い?」
「あー……ああ」
あれのことかな、と察しが付いたようで「良いよ」と了承が得られた。
何のことだよ、俺にも教えろよという仁夏君には申し訳ないけど教える訳にはいかないので口を噤んで貰った。
ごめんね、今のところ二人だけの秘密なんだこの話。
ブラビットがいる前で狼君と話したらまた気まずい思いをさせてしまうし、また死神協会の日に言おうと決めてその日は帰宅したのだった。
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