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その七.黒幕組織からの妖し過ぎる、そして卑劣過ぎる、そして美味し過ぎる仕事のご依頼
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一癖も二癖もありそうな卑し気な顔つきの人物は、ようっと片手をあげてスクリーン上で挨拶をしてくる。
『どうもどうも、淳二センセー。いかがです、調子は?』
「相変らずの新居徒ですからね、上手いこと浮世を忍ぶ仮の顔を演じてますが辛くってねえ。その気になれば気に入った娘っ子を見請けくらいできるのにねえ」
まさか、ソレが姪っ娘とは明かさず余裕の笑みで返す淳二だ。
『ほう、貴方にそんな良い女性がいるんですか。落とすのにお手伝いしましょうかねえ』
「あ、いえいえ」
遥は手の届かない天女のような上級層の人、という思いから此奴のような輩には近づけて成るモノか、という伯父らしい心をこの時点では持っている淳二だ。
『ところで、先般納品いただいたマインド・コンピュータの超音波のプログラミング、大変好評でしたよ』
と占部は続ける。
『ご依頼主も大満足でしたよ』
「依頼主って…誰なんです?」
そこまでの介入はタブーであることくらいは知っている淳二だが、気さくなキャラの持ち主の占部だけに少々興味の対象について口にしてみる。
『おっと、それは秘密、と言いたいトコロですけど…貴方との仲だ。少しだけ話しましょう』
淳二は俄然興味を惹かれる。
『亜細亜ぐ…いえ、ここでは秘密結社Aとしましょう。そこのボスがある女性に恋をしましてねえ。まあ、警察組織の幹部の奥様なんですが…』
「ちょっ、ちょっとヤバくないですか、それ? まあ、どこの組織か、想像は付いちゃいますけど…」
『女性を愛するのに違法合法を口にするのは野暮ってもんでしょ。彼女をモノにするため、洗脳装置を買い上げていただきましてね。今じゃ、すっかりその女性、教祖様の玩具らしいです、グフフフフ』
下卑た笑い声を聴きつつ、淳二は空恐ろしいものを感じる。
『そこで、です。恐ろしい話のついでに貴方を見込んで、お願いをしたいことがありまして。聞き入れてもらえませんかねえ。無論報酬は弾みますよぉ…』
「ゴクリ…なんです、そのお願いっていうのは…」
『コレは私も本腰を入れた仕事ですので包み隠さずお話しします。宗逸学会…の名はご存じでしょうな?』
知らぬはずはない。
亜細亜に大きな勢力をもち、多くの女性信者を教祖が選んで総ハーレム化したり、子飼いの信者と婚姻させたりというアブノーマルな教典を実行する妖しげな宗教団体だ。
詐欺紛いの霊感商法で、様々なトラブルも起き続けている。
教祖、ブラックトータスこと黒亀狂介は不思議と、検挙の網にかかることなく、何と欧米の政治家たちとも懇意にしていると聞く。
不味いことに、帝都でもその枝葉を広げ始め、各地に拠点を構え布教に勤しんでいるらしい。
兄の真一もポロリと漏らしたことだが、いずれは彼らを掃討せねば、という想いが帝都警察の面々にも根強くあるらしい。
『まず一つ、女性の秘めたる思いを告白させるシンフォニーの作成、です。まあ、平たく言えば、女芯振動機の超音波バージョンでしょう。貴方様の事です、仏蘭西から仕入れた性術師が編み上げたテキストを理解する頭脳の持ち主ならば、作成は容易でしょう』
性事・情事に関連する依頼は意外な程多く、淳二の得意分野でもある。
「たははは、なかなかわかってらっしゃいますね~~」
と、淳二は相手の情報収集の速さに舌を巻く。
『まあ、宗教上の演出に用いる小道具の作成ですな。それをジュエル・レンズなる秘石から発せられたことにして、一人の女が公開で教祖のモノに堕ちるところを信者に披露しようというわけです』
「エ、エグイですねえ…。その女性が気の毒だ。教祖の事だから、どこかの映画女優か何かですか?」
と、言いつつ、そんな悲劇に見舞われる女の姿を妄想すると、中年童貞の有り余る性欲がふつふつと起き上がってくるのもまた事実。
『それが、そしてもう一つのお願いとリンクします…。その標的というのが…』
その名を聞いた淳二は仰天することとなる…。
『どうもどうも、淳二センセー。いかがです、調子は?』
「相変らずの新居徒ですからね、上手いこと浮世を忍ぶ仮の顔を演じてますが辛くってねえ。その気になれば気に入った娘っ子を見請けくらいできるのにねえ」
まさか、ソレが姪っ娘とは明かさず余裕の笑みで返す淳二だ。
『ほう、貴方にそんな良い女性がいるんですか。落とすのにお手伝いしましょうかねえ』
「あ、いえいえ」
遥は手の届かない天女のような上級層の人、という思いから此奴のような輩には近づけて成るモノか、という伯父らしい心をこの時点では持っている淳二だ。
『ところで、先般納品いただいたマインド・コンピュータの超音波のプログラミング、大変好評でしたよ』
と占部は続ける。
『ご依頼主も大満足でしたよ』
「依頼主って…誰なんです?」
そこまでの介入はタブーであることくらいは知っている淳二だが、気さくなキャラの持ち主の占部だけに少々興味の対象について口にしてみる。
『おっと、それは秘密、と言いたいトコロですけど…貴方との仲だ。少しだけ話しましょう』
淳二は俄然興味を惹かれる。
『亜細亜ぐ…いえ、ここでは秘密結社Aとしましょう。そこのボスがある女性に恋をしましてねえ。まあ、警察組織の幹部の奥様なんですが…』
「ちょっ、ちょっとヤバくないですか、それ? まあ、どこの組織か、想像は付いちゃいますけど…」
『女性を愛するのに違法合法を口にするのは野暮ってもんでしょ。彼女をモノにするため、洗脳装置を買い上げていただきましてね。今じゃ、すっかりその女性、教祖様の玩具らしいです、グフフフフ』
下卑た笑い声を聴きつつ、淳二は空恐ろしいものを感じる。
『そこで、です。恐ろしい話のついでに貴方を見込んで、お願いをしたいことがありまして。聞き入れてもらえませんかねえ。無論報酬は弾みますよぉ…』
「ゴクリ…なんです、そのお願いっていうのは…」
『コレは私も本腰を入れた仕事ですので包み隠さずお話しします。宗逸学会…の名はご存じでしょうな?』
知らぬはずはない。
亜細亜に大きな勢力をもち、多くの女性信者を教祖が選んで総ハーレム化したり、子飼いの信者と婚姻させたりというアブノーマルな教典を実行する妖しげな宗教団体だ。
詐欺紛いの霊感商法で、様々なトラブルも起き続けている。
教祖、ブラックトータスこと黒亀狂介は不思議と、検挙の網にかかることなく、何と欧米の政治家たちとも懇意にしていると聞く。
不味いことに、帝都でもその枝葉を広げ始め、各地に拠点を構え布教に勤しんでいるらしい。
兄の真一もポロリと漏らしたことだが、いずれは彼らを掃討せねば、という想いが帝都警察の面々にも根強くあるらしい。
『まず一つ、女性の秘めたる思いを告白させるシンフォニーの作成、です。まあ、平たく言えば、女芯振動機の超音波バージョンでしょう。貴方様の事です、仏蘭西から仕入れた性術師が編み上げたテキストを理解する頭脳の持ち主ならば、作成は容易でしょう』
性事・情事に関連する依頼は意外な程多く、淳二の得意分野でもある。
「たははは、なかなかわかってらっしゃいますね~~」
と、淳二は相手の情報収集の速さに舌を巻く。
『まあ、宗教上の演出に用いる小道具の作成ですな。それをジュエル・レンズなる秘石から発せられたことにして、一人の女が公開で教祖のモノに堕ちるところを信者に披露しようというわけです』
「エ、エグイですねえ…。その女性が気の毒だ。教祖の事だから、どこかの映画女優か何かですか?」
と、言いつつ、そんな悲劇に見舞われる女の姿を妄想すると、中年童貞の有り余る性欲がふつふつと起き上がってくるのもまた事実。
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