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第一戦:義妹はスーパーヒロイン
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大学生、篠宮光輝はノートPCに向かいながら、ピンクとホワイトのレオタードに身を包んだ美少女戦士に目を奪われていた。
と言っても特撮やゲームなど、架空の存在ではない。
ここ最近、治安の悪化する一方の東京で立てこもり強盗や、集団スリのグループを「天に変わって懲らしめちゃっ」ている実在の女の子だ。
その名を「守りたガール」という。
大和撫子然とした黒髪ロング、柔らかな潤んだ瞳、体操選手よりもちょっぴりエロイ、オフホワイトにピンクのラインの入ったレオタードがトレードマークだ。
仮面舞踏会にでも現れそうな、ダイヤをあしらったマスクの下から覗く貌から相当な美少女であることは間違いない。
だがその正体を知る者はいない、ごく少数の人間を除いては。
その一人が、アイドル好きでカメラオタクがこうじた写真家志望の、この大学生だといっても信じる者はいないだろう。
大手検索サイト、ヤプーの写真入りニュースでは守りたガールが、コンビニ強盗を得意の催眠ビームで撃退したことを報じている。
その注目の正体とは…。
「お兄ちゃま!!」
ノックと同時に部屋に飛び込んできた美少女は妹の美波だ。
と言っても光輝と血縁はなく、TVプロデューサーの父が再婚した美人キャスターの娘だ。
美波はアイドル雑誌や写真週刊誌が散乱する部屋に侵入すると、安堵した様に小さくため息をつく。
片や母親は超有名人のニュース・キャスターで経団連副会長を祖父に持つ法外なお嬢さま。
一方、カメラオタク青年は、夢追いの現実逃避型と世間知らず型の人間として不思議と気が合うようだ。
普通ならば、『キッモい糞アニキ!! カメラばっかりいじりやがって、このオタク野郎』とでも罵詈雑言を浴びせられそうな光輝だが、1年前一緒に暮らし始めて以降、妙にウマが合う仲良し兄妹で通っている。
それはある秘密を共有していることも理由の一つだ。
「おいおい、美波! お前その恰好!?」
「うふふ、着替える暇がなくてこのまんま、帰ってきちゃいました」
美波はなんと艶やかなレオタード姿。それは間違いなく、巷を騒がす守りたガールのコスチュームだった。
「おいおいおいぃ~ッ、まさか誰かに見られなかったろうな!?」
全国に数万人入ると思わしき(?)ファンが見れば一発でわかる、守りたガールのレオタード姿のまんまで帰宅した妹に慌てる光輝だ。
「だいじょぶですよ、もう外は暗いですし、目立ちません」
クスッと微笑みながら平然と言い放つ美波。しっかり者なのだが、どこかお嬢さま然としたのんびり屋でおおらかな性格だ。
なので、結構キワドイハイレグコスチュームに包まれた身体を恥ずかしげもなく披露する妹に不覚にもドギマギしてしまう光輝。
16歳の高校2年生、成長著しい乙女のナイスバディは21歳の義兄の心を惑わすのだ。
「今日はコンビニ強盗プラスひったくり犯も捕まえたんですよ! それに帰り際、歩道で転倒しそうになっていたおばあさまも助けましたぁ」
妙に満足そうに活躍を報告する屈託のない妹に戸惑う光輝だ。
「そのばあちゃんに素顔を見られなかったろうな」
「相当、目がお悪いらしくて見えないそうですからだいじょぶですッ!!」
口癖の『だいじょぶ』を連発するスーパーヒロインに大きなため息をつく光輝だ。
「あ、それと…」
急に美波は申し訳なさそうにモジモジしながら俯く。
「今日も約束守れなくてごめんなさい…」
「約束…ってなんだっけ?」
そのキュートな仕草にドキドキする光輝。
「お兄ちゃまに守りたガールのスクープ写真を撮らせるっていう…」
光輝の報道写真家になりたいという夢を叶えるという共通の夢も、2人の関係を上手くとりもっていた。
と言っても特撮やゲームなど、架空の存在ではない。
ここ最近、治安の悪化する一方の東京で立てこもり強盗や、集団スリのグループを「天に変わって懲らしめちゃっ」ている実在の女の子だ。
その名を「守りたガール」という。
大和撫子然とした黒髪ロング、柔らかな潤んだ瞳、体操選手よりもちょっぴりエロイ、オフホワイトにピンクのラインの入ったレオタードがトレードマークだ。
仮面舞踏会にでも現れそうな、ダイヤをあしらったマスクの下から覗く貌から相当な美少女であることは間違いない。
だがその正体を知る者はいない、ごく少数の人間を除いては。
その一人が、アイドル好きでカメラオタクがこうじた写真家志望の、この大学生だといっても信じる者はいないだろう。
大手検索サイト、ヤプーの写真入りニュースでは守りたガールが、コンビニ強盗を得意の催眠ビームで撃退したことを報じている。
その注目の正体とは…。
「お兄ちゃま!!」
ノックと同時に部屋に飛び込んできた美少女は妹の美波だ。
と言っても光輝と血縁はなく、TVプロデューサーの父が再婚した美人キャスターの娘だ。
美波はアイドル雑誌や写真週刊誌が散乱する部屋に侵入すると、安堵した様に小さくため息をつく。
片や母親は超有名人のニュース・キャスターで経団連副会長を祖父に持つ法外なお嬢さま。
一方、カメラオタク青年は、夢追いの現実逃避型と世間知らず型の人間として不思議と気が合うようだ。
普通ならば、『キッモい糞アニキ!! カメラばっかりいじりやがって、このオタク野郎』とでも罵詈雑言を浴びせられそうな光輝だが、1年前一緒に暮らし始めて以降、妙にウマが合う仲良し兄妹で通っている。
それはある秘密を共有していることも理由の一つだ。
「おいおい、美波! お前その恰好!?」
「うふふ、着替える暇がなくてこのまんま、帰ってきちゃいました」
美波はなんと艶やかなレオタード姿。それは間違いなく、巷を騒がす守りたガールのコスチュームだった。
「おいおいおいぃ~ッ、まさか誰かに見られなかったろうな!?」
全国に数万人入ると思わしき(?)ファンが見れば一発でわかる、守りたガールのレオタード姿のまんまで帰宅した妹に慌てる光輝だ。
「だいじょぶですよ、もう外は暗いですし、目立ちません」
クスッと微笑みながら平然と言い放つ美波。しっかり者なのだが、どこかお嬢さま然としたのんびり屋でおおらかな性格だ。
なので、結構キワドイハイレグコスチュームに包まれた身体を恥ずかしげもなく披露する妹に不覚にもドギマギしてしまう光輝。
16歳の高校2年生、成長著しい乙女のナイスバディは21歳の義兄の心を惑わすのだ。
「今日はコンビニ強盗プラスひったくり犯も捕まえたんですよ! それに帰り際、歩道で転倒しそうになっていたおばあさまも助けましたぁ」
妙に満足そうに活躍を報告する屈託のない妹に戸惑う光輝だ。
「そのばあちゃんに素顔を見られなかったろうな」
「相当、目がお悪いらしくて見えないそうですからだいじょぶですッ!!」
口癖の『だいじょぶ』を連発するスーパーヒロインに大きなため息をつく光輝だ。
「あ、それと…」
急に美波は申し訳なさそうにモジモジしながら俯く。
「今日も約束守れなくてごめんなさい…」
「約束…ってなんだっけ?」
そのキュートな仕草にドキドキする光輝。
「お兄ちゃまに守りたガールのスクープ写真を撮らせるっていう…」
光輝の報道写真家になりたいという夢を叶えるという共通の夢も、2人の関係を上手くとりもっていた。
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