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七巻:美人司書は妄想が災いし、嫉妬を買って…

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「中学生の時に、あらぬ疑いを掛けられたの…。図書館の貴重な小説が盗まれてね…。それをいっつも私が読んでいたものだから…そっと持ち帰ったんじゃないかと」
「ほう、藍子ちゃんらしい、嫌疑をかけられたね」
「その時ね…妄想していたの。…恥ずかしいけど…聞いてね」
藍子は、極秘情報を恋人に打ち明けるスパイのような表情で、視線をそらしながら囁くような綺麗な声で語り始める。
「体罰容認で、校則を侵した者には容赦なく制裁が加えられる社会っていう設定よ…女子であろうと、中学生であろうと…」
藍子は生唾を嚥下する。

「実は、それは私を疎む女子グループの画策だった…。そこで、濡れ衣を着せられた私は、えん罪を先生に訴えるけれど、認められず、折檻をされてしまう…。昏い地下室で、ね」
智博も、藍子の妄想を愉し気に催促する。
「ほうほう、それでぇ? 教師連中にあの手この手で折檻されると?」
「ああン…そ、その通りよ…鎖で繋がれ、鞭打たれって…感じかしらね」
「クラスの男子たちにも、その姿を見られると…藍子ちゃんが地下室で折檻されているなんて知ったら、覗きに来る男子は後を絶たないだろうねえ」
「ああ、お世辞でも嬉しいけれど…」
藍子は、自分の真意を誰よりも知りたがるこの“理解者”である成年に、当時の心情を吐露する。

「当時憧れていた男子生徒…先輩にね…」
藍子は絞り出すように、続ける。
「眺められて、恥ずかしいトコロを…濡らすとか…」
「フフフ、そうじゃないの…」
藍子は、意に添わぬ回答をした智博を、愛おしげに見つめつつ妖しく笑う。
「彼が私を助けてくれようとする…でもね、彼も見つかって捕まってしまう…。そして彼もろとも…折檻をされるの…そして、ね…」
藍子の言葉を、答えを外し、少々プライドを傷つけられた様子で智博が遮る。
「随分、昔の彼氏にご執心だね、なんだか、妬けてくるなぁ」
智博は意地悪い顔つきで、新たな提案をする。

智博は、藍子を磔板から解放した。
手首をさすりながら、未練めいた視線を同好の士に向けてくる。
「ねえ、藍子ちゃん。念願のアレに跨ってみない…?」
藍子を視線で促すその先にあるものは、そう…“さんかくきんま”、だ
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