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第七戦:小熟女ヒロインはダンナサマの性癖に秘所を火照らせて…!?
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「SMっていうのとも違うんだなぁ…強いて言えば、危機に陥っている女が好きっていうか…?」
「はあ、なぁにそれ?」
と郁子はきょとんと小首をかしげてみせる。
「いうなれば…そう、 Damsel in Distressていう表現がぴったりかな」
「おお、英語を使ったねぇ、発音は悪いけど」
と、イタリア留学の経験もある郁子奥様は茶化しにかかる。
「冷やかすなよ。“囚われの美女”とか、“悪漢に捕まった姫様”とかいうふうな意味で使われているんだけど」
「ええ、じゃあ、私って囚われの奥様なわけだ…。ふふん、まぁ、ワタクシこと、魅惑の人妻越後郁子の美貌を仰げば、モノにしたいっていう悪ーい男の一人や一人、なぁんちゃってね」
と、郁子は舌をペロッと出してお道化て見せる。
なかなか育ちの良い郁子奥様だが、気の良いマイルドヤンキーであり、気取ったところを見せない。
「そうなんだよ、郁ちゃん。実はさ、俺…昔からやめられない妄想があってさ」
「なぁに、妄想とか、やだ、やぁらしい!」
と、まんざらでもない様子の郁子は磔にされた艶めかしい裸体を捩ってみせる。
「小さいころ特撮とか、ドラマとか、ヒロインの女の子が攫われたり、ピンチになったりしたじゃん?」
「うん、うん、あるよね、そういう場面」
と、頷く郁子。
「昔からそういう場面をテレビとかで見るとさ…郁子をそのヒロインに置き換えて、シコシコしてました! …なんなら、朝起きるとトロッとしたカルピスとか…出してました」
と赤面しつつ、アブノーマルな告白を絞り出すように吐き出す洋助。
正直に言えば、長い恋女房との付き合いの中で、自分のズリネタを白状するなど、死ぬよりも恥ずかしい事だ。
夫婦不和の理由の一つに性の不一致というのがあげられることも多々あり、その告白が離婚に繋がる事も少なくない。
が、郁子はそんな亭主をふんわりと、優しく包み込みながらも弄り回し、濃厚なコミュニ能力で神対応する。
「へえ~~私って昔っから、洋助の“おかず”にされてたってわけなんだぁ? どーりで高校時代とか、妙による寝苦しい夜が多かったんだ…。ま、今もって嫁への愛情満タンってことで光栄なことと受け止めておきましょーか」
と、クスリとほほ笑む。
「…で、今もって私が囚われの身になっているトコを妄想していると…?」
「…うん、郁子は俺の最高のヒロピンマドンナ…つまりはヒロイン・ピンチを演じる最高の女優ってことで…」
「なぁに言ってんだか」
郁子はどこまでも付き合いが良い。
「もしかして、郁子の方もこういうスチュにちょっぴっとだけコーフンとかしてたりしない? 乳首が少しだけ硬くなったりとか?」
相変わらず磔のイエスならぬ、マリア状態の妻に生唾ごっくんの洋助。
「ばぁ~~か! んなわけないでしょ!」
ペロッと舌を出して揶揄うような仕草を見せる郁子。
「…でもまあ、今現在、変態さんのよーすけクンがどういうスチュに興奮するか、訊いてあげましょーか。どういう妄想とかしてるの?」
と、今度は淫靡な表情で訪ねてくる郁子。
そのくるくる変わる表情に、今もって洋助の心の方が、完全虜状態だ。
「あのさぁ、郁子、宮崎アニメって好きじゃん」
「うんうん、トトロとか、魔女宅とか、良いよね。子供のころ一緒に見てたもんね」
と、幼少期の思い出に浸りつつ、妄想の告白を続ける洋助。
「それでさあ、未来少年コナンっていうのがあっただろ」
「…そうなんだ?」
と、郁子はそこまでの旧作は知らない様子だ。
「それにね、ラナってちょ~~かわいい娘が出るのよ、12歳くらいの。それがレプカっていう悪―いオッサンにとっ捕まってさ」
「なるほど、変態よーちゃんの待望の場面ってわけね?」
もう、すでに郁子はダンナの趣向を察している様子だ。
「そのラナちゃんが、散々いたぶられてひどい目に遭ったうえ、拷問されるわけよ」
「そ―いう場面が好きなんだぁ、変態ダンナサマとしては?」
郁子のシラーッとした呆れ顔が視界に痛く突き刺さる。
とはいえ、ここまで赤裸々に変態的な性癖を告白したうえ、最愛の女の磔絵図を前に興奮冷めやらぬ洋助は止まらない。
「それがさ、めっちゃ高い場所に突き出たポールの上に、手縛りにされたうえ立たされるわけよ。服着ているし、パンチィ―も提灯っていうか、カボチャっていうか、何にもいやらしくないんだけど、身悶えるシーンがトラウマ級で興奮ものなわけ」
「……いい加減にしようね、よーちゃん」
と完全、軽蔑モードの郁子。
「いや、それでさ、中学時代の郁子がブルマとか、体操部のレオタード姿のまんまでステージに固定された平均台の上に立たされて悶えるシーンとか、散々妄想したんだ。もう何回抜いた事か」
「もう、知らないッ。ド変態なんだから!」
「ま、そう怒んないでさ、今宵はここからがお愉しみぃ、なんてな」
「一人で抜いたらいいでしょ!」
と、オカンムリの令夫人殿に軽く罵倒され、萎えてしまったのだった。
だが、それはあくまで洋助の視点だ。
内心郁子は、胸を昂ぶらせていた。
(ヤダ…濡れてきちゃった…)
それ以降である、郁子がビューティ・マダムに変身した際にピンチに陥る回数が激増したのは。
そして、もし、このまま敗北を喫したら…そんな妄想に浸るようになったのは…。
それは、郁子自身は気づかぬものの、心の襞に隠されていた過去の体験が、剥き出しにされかかったことを意味してもいた――――。
「はあ、なぁにそれ?」
と郁子はきょとんと小首をかしげてみせる。
「いうなれば…そう、 Damsel in Distressていう表現がぴったりかな」
「おお、英語を使ったねぇ、発音は悪いけど」
と、イタリア留学の経験もある郁子奥様は茶化しにかかる。
「冷やかすなよ。“囚われの美女”とか、“悪漢に捕まった姫様”とかいうふうな意味で使われているんだけど」
「ええ、じゃあ、私って囚われの奥様なわけだ…。ふふん、まぁ、ワタクシこと、魅惑の人妻越後郁子の美貌を仰げば、モノにしたいっていう悪ーい男の一人や一人、なぁんちゃってね」
と、郁子は舌をペロッと出してお道化て見せる。
なかなか育ちの良い郁子奥様だが、気の良いマイルドヤンキーであり、気取ったところを見せない。
「そうなんだよ、郁ちゃん。実はさ、俺…昔からやめられない妄想があってさ」
「なぁに、妄想とか、やだ、やぁらしい!」
と、まんざらでもない様子の郁子は磔にされた艶めかしい裸体を捩ってみせる。
「小さいころ特撮とか、ドラマとか、ヒロインの女の子が攫われたり、ピンチになったりしたじゃん?」
「うん、うん、あるよね、そういう場面」
と、頷く郁子。
「昔からそういう場面をテレビとかで見るとさ…郁子をそのヒロインに置き換えて、シコシコしてました! …なんなら、朝起きるとトロッとしたカルピスとか…出してました」
と赤面しつつ、アブノーマルな告白を絞り出すように吐き出す洋助。
正直に言えば、長い恋女房との付き合いの中で、自分のズリネタを白状するなど、死ぬよりも恥ずかしい事だ。
夫婦不和の理由の一つに性の不一致というのがあげられることも多々あり、その告白が離婚に繋がる事も少なくない。
が、郁子はそんな亭主をふんわりと、優しく包み込みながらも弄り回し、濃厚なコミュニ能力で神対応する。
「へえ~~私って昔っから、洋助の“おかず”にされてたってわけなんだぁ? どーりで高校時代とか、妙による寝苦しい夜が多かったんだ…。ま、今もって嫁への愛情満タンってことで光栄なことと受け止めておきましょーか」
と、クスリとほほ笑む。
「…で、今もって私が囚われの身になっているトコを妄想していると…?」
「…うん、郁子は俺の最高のヒロピンマドンナ…つまりはヒロイン・ピンチを演じる最高の女優ってことで…」
「なぁに言ってんだか」
郁子はどこまでも付き合いが良い。
「もしかして、郁子の方もこういうスチュにちょっぴっとだけコーフンとかしてたりしない? 乳首が少しだけ硬くなったりとか?」
相変わらず磔のイエスならぬ、マリア状態の妻に生唾ごっくんの洋助。
「ばぁ~~か! んなわけないでしょ!」
ペロッと舌を出して揶揄うような仕草を見せる郁子。
「…でもまあ、今現在、変態さんのよーすけクンがどういうスチュに興奮するか、訊いてあげましょーか。どういう妄想とかしてるの?」
と、今度は淫靡な表情で訪ねてくる郁子。
そのくるくる変わる表情に、今もって洋助の心の方が、完全虜状態だ。
「あのさぁ、郁子、宮崎アニメって好きじゃん」
「うんうん、トトロとか、魔女宅とか、良いよね。子供のころ一緒に見てたもんね」
と、幼少期の思い出に浸りつつ、妄想の告白を続ける洋助。
「それでさあ、未来少年コナンっていうのがあっただろ」
「…そうなんだ?」
と、郁子はそこまでの旧作は知らない様子だ。
「それにね、ラナってちょ~~かわいい娘が出るのよ、12歳くらいの。それがレプカっていう悪―いオッサンにとっ捕まってさ」
「なるほど、変態よーちゃんの待望の場面ってわけね?」
もう、すでに郁子はダンナの趣向を察している様子だ。
「そのラナちゃんが、散々いたぶられてひどい目に遭ったうえ、拷問されるわけよ」
「そ―いう場面が好きなんだぁ、変態ダンナサマとしては?」
郁子のシラーッとした呆れ顔が視界に痛く突き刺さる。
とはいえ、ここまで赤裸々に変態的な性癖を告白したうえ、最愛の女の磔絵図を前に興奮冷めやらぬ洋助は止まらない。
「それがさ、めっちゃ高い場所に突き出たポールの上に、手縛りにされたうえ立たされるわけよ。服着ているし、パンチィ―も提灯っていうか、カボチャっていうか、何にもいやらしくないんだけど、身悶えるシーンがトラウマ級で興奮ものなわけ」
「……いい加減にしようね、よーちゃん」
と完全、軽蔑モードの郁子。
「いや、それでさ、中学時代の郁子がブルマとか、体操部のレオタード姿のまんまでステージに固定された平均台の上に立たされて悶えるシーンとか、散々妄想したんだ。もう何回抜いた事か」
「もう、知らないッ。ド変態なんだから!」
「ま、そう怒んないでさ、今宵はここからがお愉しみぃ、なんてな」
「一人で抜いたらいいでしょ!」
と、オカンムリの令夫人殿に軽く罵倒され、萎えてしまったのだった。
だが、それはあくまで洋助の視点だ。
内心郁子は、胸を昂ぶらせていた。
(ヤダ…濡れてきちゃった…)
それ以降である、郁子がビューティ・マダムに変身した際にピンチに陥る回数が激増したのは。
そして、もし、このまま敗北を喫したら…そんな妄想に浸るようになったのは…。
それは、郁子自身は気づかぬものの、心の襞に隠されていた過去の体験が、剥き出しにされかかったことを意味してもいた――――。
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