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ライバルは同じ奇癖を持つようで…
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「ケイフェイは伊東博士の居所を掴みたい、そうだろ? と、すれば、残酷なブレイディ大佐の事だ。昨日の夜、ここに幽閉したら即刻、お姉さまを拷問したはずだ」
「でも、現に真理愛さんは拷問にかけられているじゃないか」
「さて、それはどうかな?」
と、倫之助は訳知り顔で続ける。
「お姉さまの素肌をごらんよ。鞭で叩かれていたにしては、傷がほとんどないんだ。夕べから拷問を受け続けていたのなら、もっと痣だらけのはずだよ」
「でも、ずっと鞭打ちにされていたかどうかわからないじゃないか。別の方法で責めらていたけれど、強情な真理愛さんに手を焼いて、鞭を使ったのかも…」
「いや、それはないね」
と、抗弁するような口調の寛太郎の主張を、バッサリ否定する倫之助。
「部屋の隅に目を向けてごらんよ。天上の鎖は駿河問いにするため、被験者を吊るす用途に用いるものだと思うし、三角木馬だって用意してある。少なくとも、拷問の手始めには、鞭打ちから、というが定石だよ」
なかなか鋭い考察を見せる倫之助だ。
「それに考えてもみ給えよ。いくらお姉さまが強情な娘さんとはいえ、責められれば気絶の一つもしてしまうはずだよ。そうなれば、蘇生させるために水を頭からかけられてもおかしくない。だのに、彼女の足元には水滴も落ちていないよ」
どこまでも、虜囚となった真理愛の被験状況を冷静に分析する倫之助だ。
「じゃあこれは、僕たちを誘き出すための罠だっていうのかい?」
「ああ、おそらくはね。こうしてみていると、女に人の磔にされた姿って、妙に…なんだかこう…」
これまで利発さを絵に描いた様子で、事態を語っていた倫之助が口籠りはじめた。
「…絶望感とか、感じるよね…そう思わないか、寛太郎君」
健全な男児であれば、女の人の素っ裸にあらぬ反応を覚えるのは無理からぬこと。
しかし、敬愛しているお姉さまリーダーが、こんな破廉恥な仕打ちを受けている光景を目の当たりにして、悪の組織に対して怒りと同時に、勃然とした奇妙な感覚に陥るとすると、なかなかアブノーマルな話になってくる。
「…うん…日頃、お転婆な真理愛さんがこうも惨めに鎖で繋がれていたりすると、こう…敗北感を覚えるというか、別の意味でグッとくるというか…」
「別の意味って?」
「別って…ほら…アソコが固くなるって言うか…」
「あそこって…?」
と、ボーイズ・トークが展開される滑稽な状況だ。
マセているはずの倫之助が、あえて知ったかぶりをしつつ、内密な言葉にしかねる回答を聞き出そうとしているように見える。
一方で、一学年下の、性的には完全に目覚めているかに思える寛太郎の趣向を聞き出すことで、同じ性癖をもった、いわば同志を求めているようにも聞こえる。
どうやら、その直感は当たった様子だ。
「実は…僕も夕べ、真理愛さんがケイフェイに捕まっちゃったって聞いた時から、眠れなくて…。今頃、あぁーんな目や、こぉーんな目に遭わされているんじゃないかって…」
実際のところ、敬愛する真理愛の身を案じると同時に、秘密結社の手に堕ちた令嬢が窮地に陥っていると想像をめぐらすだけで、男の子のシンボルがわだかまってくるのも事実なのだ。
「僕もだ…。実は朝起きたら…下着の中がトロッとしていて…お互い…気が合いそうだね」
そんな告白をされると、帝都警察の幹部の子弟でその優等生ぶりから、少々敬遠気味だった倫之助に、たちまち親近感がわいて来る寛太郎だ。
「でも、現に真理愛さんは拷問にかけられているじゃないか」
「さて、それはどうかな?」
と、倫之助は訳知り顔で続ける。
「お姉さまの素肌をごらんよ。鞭で叩かれていたにしては、傷がほとんどないんだ。夕べから拷問を受け続けていたのなら、もっと痣だらけのはずだよ」
「でも、ずっと鞭打ちにされていたかどうかわからないじゃないか。別の方法で責めらていたけれど、強情な真理愛さんに手を焼いて、鞭を使ったのかも…」
「いや、それはないね」
と、抗弁するような口調の寛太郎の主張を、バッサリ否定する倫之助。
「部屋の隅に目を向けてごらんよ。天上の鎖は駿河問いにするため、被験者を吊るす用途に用いるものだと思うし、三角木馬だって用意してある。少なくとも、拷問の手始めには、鞭打ちから、というが定石だよ」
なかなか鋭い考察を見せる倫之助だ。
「それに考えてもみ給えよ。いくらお姉さまが強情な娘さんとはいえ、責められれば気絶の一つもしてしまうはずだよ。そうなれば、蘇生させるために水を頭からかけられてもおかしくない。だのに、彼女の足元には水滴も落ちていないよ」
どこまでも、虜囚となった真理愛の被験状況を冷静に分析する倫之助だ。
「じゃあこれは、僕たちを誘き出すための罠だっていうのかい?」
「ああ、おそらくはね。こうしてみていると、女に人の磔にされた姿って、妙に…なんだかこう…」
これまで利発さを絵に描いた様子で、事態を語っていた倫之助が口籠りはじめた。
「…絶望感とか、感じるよね…そう思わないか、寛太郎君」
健全な男児であれば、女の人の素っ裸にあらぬ反応を覚えるのは無理からぬこと。
しかし、敬愛しているお姉さまリーダーが、こんな破廉恥な仕打ちを受けている光景を目の当たりにして、悪の組織に対して怒りと同時に、勃然とした奇妙な感覚に陥るとすると、なかなかアブノーマルな話になってくる。
「…うん…日頃、お転婆な真理愛さんがこうも惨めに鎖で繋がれていたりすると、こう…敗北感を覚えるというか、別の意味でグッとくるというか…」
「別の意味って?」
「別って…ほら…アソコが固くなるって言うか…」
「あそこって…?」
と、ボーイズ・トークが展開される滑稽な状況だ。
マセているはずの倫之助が、あえて知ったかぶりをしつつ、内密な言葉にしかねる回答を聞き出そうとしているように見える。
一方で、一学年下の、性的には完全に目覚めているかに思える寛太郎の趣向を聞き出すことで、同じ性癖をもった、いわば同志を求めているようにも聞こえる。
どうやら、その直感は当たった様子だ。
「実は…僕も夕べ、真理愛さんがケイフェイに捕まっちゃったって聞いた時から、眠れなくて…。今頃、あぁーんな目や、こぉーんな目に遭わされているんじゃないかって…」
実際のところ、敬愛する真理愛の身を案じると同時に、秘密結社の手に堕ちた令嬢が窮地に陥っていると想像をめぐらすだけで、男の子のシンボルがわだかまってくるのも事実なのだ。
「僕もだ…。実は朝起きたら…下着の中がトロッとしていて…お互い…気が合いそうだね」
そんな告白をされると、帝都警察の幹部の子弟でその優等生ぶりから、少々敬遠気味だった倫之助に、たちまち親近感がわいて来る寛太郎だ。
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