少年探偵隊とお姉さまの卑猥で怪奇なお譚

僕は少年探偵隊員…

ここは奥多摩にある怪しげな洋館の地下―――。
秘密結社ケーフェイのアジトである。
吉越寛太郎少年は、足音を忍ばせつつ、石造りの階段を下っていく…。
（足音を立てちゃまずいな…）
凛とした顔だちの少年は、ブルージーンズの半ズボンから延びるムチリとした太腿を止め、ソックスとシューズを脱ぎ捨てた。
健康優良な男児は、その幼さと精悍さを併せ持つ肢体を、闇に忍ばせ、潜入を続けるのだった。

地下に降り立ち、素足の裏にひんやりした感触を覚えると同時に、鉄扉が視界に入った。
「ここかな…？」
少年は小声でつぶやくと、歩を進めた。
鉄扉には、アルミ製の蓋つき覗き窓が付いている。
「きっとここだよ…。そんな気がする。そーっと、そっと、覗いてみよう…」
聡明そうな男児は、そそっと素足を浮かせるとつま先立ちで扉の傍に身を寄せる。
「これ、こうやって動かせば…中を覗けるのかな…」
扉をくりぬく穴を覆い隠す蓋をかちゃかちゃいわせると、その円筒形のトンネルの小さな入り口をこじ開けた。
中の様子を覗き込んだ寛太郎は、あっと声を上げそうになる。