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初お仕事
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天使達と別れてすぐ、僕らはヤラスティのすぐ近くの森へと足を進めていた。
薬草と言ったらやはり草木生える森である。リーシャさんに薬草の取れる場所を聞いたら、是非ここにと勧められたのだ。
リーシャさんの必死さに若干の不信感はあったものの、教えて貰っている身としては文句なんて言えず今に至る。それにこの森はストローグのお墨付きで、薬草の群生地があるのだそうだ。
もしそれを見つけられたら大儲け間違いなしらしい。
「今どこら辺かな…?」
「森の外側付近でございまする」
「見たところここらのめぼしい薬草はあらかた採取されてますね」
「もう少し先へ行ったらきっとありますうさ!」
「う、うん」
昼間だというのに、森の中は草木が光を遮るほど生い茂っているため薄暗い。それは奥へと進むにつれて増していき、とにかく怖い。
しかし影に潜むクロスケには居心地が良かったのか、嬉しそうに体を揺らしている。普段は人目があるため隠れてもらっているが、今は森の中で人もいないため、のびのび動いている。
しかし、クロスケは良くても僕には暗すぎる。
「なんか光るものとか持ってくるば良かった。こんなに暗いなんて思わなかったよ…」
「それでしたらわたくしにお任せ下さい」
そう言うと、ギンの頭上に拳ほどの光る球体が現れた。電球ほどに光るそれは、僕の行先を明るく照らしてくれた。魔法だ。
「ありがとう!ギン!」
先程まで感じていた怖さは、その光を見ただけでどこかへすっ飛んで行ってしまった。光は偉大である。
ギンの魔法のおかげか、森のそこそこ奥まで順調に進むことが出来た。もっと魔物とかなんかが襲ってくるかと身構えていたのが、なんだか拍子抜けだ。
「マオ様、薬草というのはこれでございまするか?」
ギンが小さなくちばしを突き出して指すそれは、まさに僕が探していた薬草、オルナ草。傷薬だけでなく回復薬を作る為に必ず必要となる薬草だ。
ちなみに傷薬は人の自然治癒を促進させ、治りを少し早めるモノ。回復薬は魔法的に作られたもので、大きな怪我も瞬時に治すモノ。
回復薬はゲームの時とほとんど効果は一緒だったのですんなり理解することが出来た。傷薬の方は日本にあったものとほとんど同じようなものだろう。
「ほんとにあったね、オルナ草の群生」
「他にもお金になりそうな薬草がありますうさ。採取していきますうさ?」
「いや、今はとりあえず依頼をこなしちゃおう。必要になったらまた来ればいいよ」
「了解ですうさ!…ってイチ!クロスケ!それはオルナ草じゃないうさ!」
「む、そうなのか?」
「?」
「全然違ううさ!どこに目つけてんだうさ!」
「イチ殿、クロスケ殿、オルナ草はこれでございまする」
「…同じだろう?」
「…??」
「違うつってんだろぼけ!」
「そんな怒らなくても良いでは無いか…」
「ウサマルセンパイコワイッス……」
「…ふふ」
みんなのコント…会話に笑いを零しながら僕もオルナ草を採取していく。鮮やかな緑がとても綺麗だ。それに加え長細い単純な形な為採取しやすい。
黙々と作業を続け結構な数を取ったが、群生地なだけあってまだまだ沢山のオルナ草が生えている。依頼では10本をひと束としてそれを10束だが、これだと直ぐに終わってくれそうだ。
「これだ、うさまる!今度こそオルナそっ……」
「色がまるっと違うだろうーーがーー!!!」
「ぶへっ!」
……頑張ろう!
薬草と言ったらやはり草木生える森である。リーシャさんに薬草の取れる場所を聞いたら、是非ここにと勧められたのだ。
リーシャさんの必死さに若干の不信感はあったものの、教えて貰っている身としては文句なんて言えず今に至る。それにこの森はストローグのお墨付きで、薬草の群生地があるのだそうだ。
もしそれを見つけられたら大儲け間違いなしらしい。
「今どこら辺かな…?」
「森の外側付近でございまする」
「見たところここらのめぼしい薬草はあらかた採取されてますね」
「もう少し先へ行ったらきっとありますうさ!」
「う、うん」
昼間だというのに、森の中は草木が光を遮るほど生い茂っているため薄暗い。それは奥へと進むにつれて増していき、とにかく怖い。
しかし影に潜むクロスケには居心地が良かったのか、嬉しそうに体を揺らしている。普段は人目があるため隠れてもらっているが、今は森の中で人もいないため、のびのび動いている。
しかし、クロスケは良くても僕には暗すぎる。
「なんか光るものとか持ってくるば良かった。こんなに暗いなんて思わなかったよ…」
「それでしたらわたくしにお任せ下さい」
そう言うと、ギンの頭上に拳ほどの光る球体が現れた。電球ほどに光るそれは、僕の行先を明るく照らしてくれた。魔法だ。
「ありがとう!ギン!」
先程まで感じていた怖さは、その光を見ただけでどこかへすっ飛んで行ってしまった。光は偉大である。
ギンの魔法のおかげか、森のそこそこ奥まで順調に進むことが出来た。もっと魔物とかなんかが襲ってくるかと身構えていたのが、なんだか拍子抜けだ。
「マオ様、薬草というのはこれでございまするか?」
ギンが小さなくちばしを突き出して指すそれは、まさに僕が探していた薬草、オルナ草。傷薬だけでなく回復薬を作る為に必ず必要となる薬草だ。
ちなみに傷薬は人の自然治癒を促進させ、治りを少し早めるモノ。回復薬は魔法的に作られたもので、大きな怪我も瞬時に治すモノ。
回復薬はゲームの時とほとんど効果は一緒だったのですんなり理解することが出来た。傷薬の方は日本にあったものとほとんど同じようなものだろう。
「ほんとにあったね、オルナ草の群生」
「他にもお金になりそうな薬草がありますうさ。採取していきますうさ?」
「いや、今はとりあえず依頼をこなしちゃおう。必要になったらまた来ればいいよ」
「了解ですうさ!…ってイチ!クロスケ!それはオルナ草じゃないうさ!」
「む、そうなのか?」
「?」
「全然違ううさ!どこに目つけてんだうさ!」
「イチ殿、クロスケ殿、オルナ草はこれでございまする」
「…同じだろう?」
「…??」
「違うつってんだろぼけ!」
「そんな怒らなくても良いでは無いか…」
「ウサマルセンパイコワイッス……」
「…ふふ」
みんなのコント…会話に笑いを零しながら僕もオルナ草を採取していく。鮮やかな緑がとても綺麗だ。それに加え長細い単純な形な為採取しやすい。
黙々と作業を続け結構な数を取ったが、群生地なだけあってまだまだ沢山のオルナ草が生えている。依頼では10本をひと束としてそれを10束だが、これだと直ぐに終わってくれそうだ。
「これだ、うさまる!今度こそオルナそっ……」
「色がまるっと違うだろうーーがーー!!!」
「ぶへっ!」
……頑張ろう!
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