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マオはゼロじぃにとっても規格外.37

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「ほほ!ならマオはイチの好感度別ボイスを聞くことができるの!」


「ボイス?」


「あぁ、モンスターが進化する度、愛情度が上がる度、ボイスが増える仕様にしたのじゃ!更には絵も変化する!ほれ、ここにモンスター図鑑が載っとるじゃろ?これを開けば手にしたモンスターの成長記録がわかる。ついでに武器図鑑や防具図鑑、食べ物図鑑などもある。」


へぇ、便利ー。一回ゲットしたら、その物の全ての情報が見れるらしい。
作り方や入手可能場所、弱点や好物までも書かれている。

モンスター図鑑からイチのページを開けば、イチの進化前の姿や愛情度が低い時のボイスが聞けた。


「す、凄い!全部コンプリートしたくなる!!」

「そうじゃろそうじゃろう!ん?マオはもうゲーム内の全てのモンスターを所持していなかったか?」

「してるけど、まだ進化途中の子も少しいるから。ほら、この子とかは進化先のが黒いシルエットなのはまだ進化してないからでしょ?」

「うむ。そうじゃ。解放するには進化させんといけない。」


ふーむ、この図鑑。なかなかにコレクター魂を刺激してくれる…。
全コンプしてやるぜ!ってほとんどコンプされてるけど。

とりあえず今はイチのボイスを聞くとしよう。

【獣人化】は人間の姿に耳と尻尾がついた状態。


『なんだか毛がないと落ち着きません。今初めて人間が服を着る意味が理解できました。貴方はどんな服も似合いそうですね。』


【人化】は完璧な人間に姿を変える。


『貴方と同じ世界に立てたような気がします、なんて…おこがましいですね。生涯、貴方のそばにいることを許して頂ければこれ以上の喜びはありません。』

自分の好みの状態にすることが出来るらしい。

僕は【獣化】の方が好きだから戻すけど。


『ふぅ、やはりこの姿が一番落ち着きます。でも、貴方の喜ぶ顔が見られるなら、あれらの姿も悪くはありませんね。命令されれば即座に。』

「なんじゃ、戻すのか…って、おい!マオお主!今気づいたがその氷澪牙、超神化しとるじゃないか!」

ゼロじぃの言う通り、イチはすでに全進化、神化、超神化させている。

神化、超神化とは、最終進化させたモンスターをもう2段階進化させることが出来るものだ。
この神化と超神化する方法は公式サイト、攻略サイトとも情報はなかった。…もともと不人気なために、情報が少なかったのも原因だけど…。
確かに神化、超神化させる条件は難しいけどやり方がわかればほぼ全モンスター共通なので、あとは進化アイテムを集める作業のようなものだ。


「ま、まさか神化ならず、超神化させるとは。やるのぉ…」

「うん!確かにちょっと大変だったけど、全然苦じゃなかったよ!今はもう神化は500以上、超神化は120とか130くらい各種いたかなぁ。ん?どうしたの?ゼロじぃ。」


超神化は保有モンスター各種族1匹だけしか出来ない設定だったからね。
ゼロじぃが口をポカーンと開けてへんてこな顔をしている。


「…。マオ、どれだけやり込んだらこんなことになるんじゃ…そう簡単に超神化、いや神化さえも、こんな簡単に出来るはずはないのじゃが…。これは更にアプリの修正をして進化条件の難易度を上げておいた方がいいな…」


ど、どうしたんだろ…。僕、何か変なのかな?


「うーん、わしが予想していたものよりもとんでもない強さになっておるのぉ…」

「え?まぁ、拓也から貰った5億でひたすらやったから。イベントなんかは有給とか使って一日中やってたし。」


正直、ゼロは嬉しい反面引いていた。
ここまで自分のゲームをやっていてくれたこと、とんでもない規模の国を作り上げてくれたことに。


「ほとんどは課金に助けられたかなぁ」

「そ、そうか。それは良かったのじゃ」


いくら金があったって、限度というものがある…とゼロは思った。

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