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 身体の中に指が蠢く。最初は違和感しか感じなかったが、何度も同じ箇所を攻められているうちに快感を得るようになっていた。
 
「ぁ、ん……」
「声我慢しないで。聞かせて」
「んん、んっ!葉桐くん、そこばっか、や……」
「ここ気持ちいいんだ。もっと触る?」
「ゃっ、もうだめ……」
 
 あれから葉桐くんは宣言通り、俺の身体に自分の想いを叩きつけた。首や鎖骨、胸など至る所を噛まれ、吸われ、痕を残された。もう嫌だと訴えても聞いてくれず、それどころか執拗に攻められた。おかげで今はもう全身性感帯になってしまったみたいになっている。

「ふふ、かわいい。かわいすぎて他の男に取られないか心配だ」
「ちが、う。おれ、かわいくなぃ」
「かわいいよ。俺がどれだけ先輩に群がる虫を追い払うのに苦労したか……」
「あぁっ!」
 
 乳首を甘噛みされた途端、頭が真っ白になった。腰がガクガクと震え、信じられないくらい大きな声が出てしまう。
 
「ひぅ……あっ……」
「またイッちゃったんだ。かわいい」
「ん、ん、ん、」
「ねえ、今日はこのまま泊まって。朝までずっと繋がってたい」

 どういう意味が分からず首を傾げると、葉桐くんは目を細めて俺の首元を吸った。ちくりとした痛みを感じまた甘い声を上げた。朦朧とした意識の中、また増えてしまった痕を明日どう隠そうかと考えていると、突然葉桐くんが俺をうつ伏せにして腰を持ち上げた。

 いつの間にか指が三本も入るほど広げられた後孔に、指よりも遥かに大きく熱いものを擦り付けられる。その正体は見なくても分かった。

「先輩、挿れるね」
「え?ちょ、待って!まだ無理だって!」
「大丈夫。ほら、入った」

 嘘!?と思った瞬間にはもう遅かった。先端が中に潜り込み、一気に奥まで突き上げられ、息ができないほどの圧迫感に襲われる。

「ああっ、ひぁっ……やぁ……」
「はぁっ……すごい締まる……」
 
 目の前に火花が散るような感覚に耐えていると葉桐くんのものがゆっくりと引き抜かれた。ギリギリまで抜かれたところで再び押し戻され、激しくピストン運動が始まる。

「ひあっ!ふか、深い!おく、あたってる」
「うん、そうだね。奥突かれてきもちいいね」
「はぎっ、葉桐、くんっ、あっ、ひんっ」
「颯汰って呼んで」
「んぁっ、そっ、そーた、あっ、あっ」
 
 俺は何度も達し、葉桐くんも俺の中に吐き出した。それでも彼は抜かずに体勢を変えながら何度も求めてきた。結局明け方近くまで続いた。
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