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しおりを挟む「じゃ、もう電気消すぞー」
犬山の声により照明の光が消える。そして俺は布団の中に入った。
胸がドキドキ張り詰めてくるのを感じる。誰だろうか。まあ絶対に夜鳥だろうけど。もし夜鳥がそのまま怒って襲いかかろうとしてきても、犬山もいる事だし大丈夫だろう。
皆が寝入ってかなり時間が経った。
まだか?ずっと痛い程心臓が動悸して、心臓が破れてしまいそうだ。来るなら早く来い。そして捕まえてやる。
すると、ぎし、と布団の上に誰かの体重が乗るのが聞こえた。
き、来た。来たぞ。そして横向きで瞼をぎゅっと閉じて待機する。すると、唇に柔らかいものが触れた。その途端、俺はそいつの頭を両手で抑えて叫んだ。
「現行犯逮捕!!!!」
すると、俺の声で起きたのか、誰かが照明をつける。やっと今までキスをしてきた相手の顔を見て俺は目を見開いた。
「は、くまの……?」
あの無表情でどんな美しい物にも無関心な熊野の顔があった。
「大丈夫か、猫宮!!」
「そんな大声出してどうしたの!?」
熊野の顔を両手で抑える俺と見た事がない程目を開ける熊野。そんな俺達を見て、他の二人は首を傾げた。
予想外過ぎる。待って、頭が全然追い付いてない。熊野?コイツが俺にキスしてたってこと?
揶揄いづらいにも程があるだろっ!!
夜鳥だと思って証拠写真を撮るためにスマホまで用意したのに熊野なんて嘘だ……。
他の二人は何があったか知らない為、なんだなんだと見つめる。
そして焦った俺は熊野の腕を掴んで走り出した。
「ちょっと外行ってくる!!」
「は!?なら俺連れてけよ!」
「寒いから外に行くなら僕のコートをーーって、もう行っちゃったか」
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