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第5章
国出だ国出!!
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以前ホルス様の件の時にも王家から強大な戦力が集まっていることについて苦言を呈されたことがあった為、今回はきちんとユエが家族になった経緯やお家や家族を守る為に力を使うことはあるけれど、国や罪なき者を害する力は使わないという宣誓書等を丁寧に文書にして国に提出した。
すんなり事が済むとは思っていなかったが、やっぱり王家から呼び出しがあって…
「君がドラゴンに愛される子であることはこちらも理解しているし、君のおかげでアーナンダ国を狙う愚か者共を被害を最小限にして抑えられている事実がある。しかし、今でさえドラゴンという戦力を手に入れた我が国を不安視する同盟国が増えてきている中、また新たに君に戦力が増えるのはもはやアーナンダ国だけの問題ではなくなるんだ」
と、クラージュ殿下に困った顔で言われた。
「我が国に龍神の愛子がいると勘付き始めている者が出てきている。今、更に君を守護するドラゴンが増えれば戦争の火種となる可能性が高い」
「でもユエは戦争に出しませんし、まだ生まれて間もないのでそんな力もないです」
「いくら君達がそう言っても君達の事やドラゴンの事をよく知らない者達はその言葉だけでは納得しない」
「では生まれて間もないドラゴンの子をどうすることを望まれているのですか」
クラージュ殿下の言う事も分かるけれど、そんな周りの為に僕がユエを手放さなければならないだなんてどうしても納得ができない。
それに折角ユエを託してもらったのに…
「力のない飛ばないペットであればいい。そしてその様子を皆に公開するのならばこれ以上あの灰色のドラゴンについては何も言わない」
「っ!ドラゴンから魔力を奪い翼を奪えというのですか!?そんなことをしてはドラゴンはすぐに死んでしまいます!!死んだ姿のドラゴンを見世物にしろと!?」
「落ち着けルナイス。一時的に魔法を使えなくして、一時的に飛べないようにするだけだ」
「…」
「でなければ、君が原因で関係のない命が散らされることになる」
クラージュ殿下は誤解してる。
僕がドラゴンを自在に操り、ドラゴンは従順に僕の言う事に何でも従うと思っているんだ。
けれどそれは大きな間違いだ。
ドラゴンは殺そうと思えばいつでも体一つで人を殺せるし、国一つ潰す事なんて簡単にできる生き物だ。
僕の事だって、龍神の加護が与えられていようが気に入らなければ排除することはできる。
それをしないのは、そうしてしまえば生態系が崩れ他種族との共存ができなくなり、その結果は自分達が破滅する未来があると分かっているから。
アーナンダ国がドラゴンに助けてもらいながらドラゴンという生き物を理解し思いやってと共存できないっていうなら…僕にだって考えがある。
「分かりました」
「そうか。では例のドラゴンは」
「僕はアーナンダ国を出ます。ユエの両親が居る場所はドラゴンが多く住む地と聞きますし、そこに行きます」
「は?」
「そんなに皆がドラゴンに怯え、自分達の恐怖を軽減する為にドラゴンの大切な翼を一時的にでも飛べないように制御しようって言うのなら僕はそんな者達の為にドラゴンが危険を犯してまで人を守る必要はないと思いますので、僕は此処を出ます。では、そういうことで、さようなら殿下」
一方的にクラージュ殿下に別れを告げて、何か言われたり止められたりする前に部屋の窓から外に飛び降りる。
トン
「ホルス様!国出だ国出!!こんな無礼な国守る価値なし!!」
『ははははは!!それは愉快だな。ではこのまま国を出るか』
窓から飛び降りた僕をキャッチしたのは、どこからか飛んできたホルス様。
丁度いいとホルス様に国を出ることを告げると面白そうに笑って凄いスピードで城から離れていく。
そして一鳴きホルス様が咆哮を上げるとどこからともなくレッドドラゴン達が集まってきて結構な集団になった。
国をそのまま出る前に一度ウォード家に寄り、ノヴァを誘拐して再び飛び立つ。
ヨハネス達は連れて行く気がなかったのだけど、いつの間にかレッドドラゴンの後ろに乗っていて…ってあれ?
「にぃ様!ヒュー様!」
「ルナイス!」
「おい馬鹿!まずは何があったのかちゃんと説明しろ!!」
よくよく見たらちょっと離れた所に居たレッドドラゴンの背に乗ったにぃ様とヒュー様が居てびっくり。
何時の間に!
すんなり事が済むとは思っていなかったが、やっぱり王家から呼び出しがあって…
「君がドラゴンに愛される子であることはこちらも理解しているし、君のおかげでアーナンダ国を狙う愚か者共を被害を最小限にして抑えられている事実がある。しかし、今でさえドラゴンという戦力を手に入れた我が国を不安視する同盟国が増えてきている中、また新たに君に戦力が増えるのはもはやアーナンダ国だけの問題ではなくなるんだ」
と、クラージュ殿下に困った顔で言われた。
「我が国に龍神の愛子がいると勘付き始めている者が出てきている。今、更に君を守護するドラゴンが増えれば戦争の火種となる可能性が高い」
「でもユエは戦争に出しませんし、まだ生まれて間もないのでそんな力もないです」
「いくら君達がそう言っても君達の事やドラゴンの事をよく知らない者達はその言葉だけでは納得しない」
「では生まれて間もないドラゴンの子をどうすることを望まれているのですか」
クラージュ殿下の言う事も分かるけれど、そんな周りの為に僕がユエを手放さなければならないだなんてどうしても納得ができない。
それに折角ユエを託してもらったのに…
「力のない飛ばないペットであればいい。そしてその様子を皆に公開するのならばこれ以上あの灰色のドラゴンについては何も言わない」
「っ!ドラゴンから魔力を奪い翼を奪えというのですか!?そんなことをしてはドラゴンはすぐに死んでしまいます!!死んだ姿のドラゴンを見世物にしろと!?」
「落ち着けルナイス。一時的に魔法を使えなくして、一時的に飛べないようにするだけだ」
「…」
「でなければ、君が原因で関係のない命が散らされることになる」
クラージュ殿下は誤解してる。
僕がドラゴンを自在に操り、ドラゴンは従順に僕の言う事に何でも従うと思っているんだ。
けれどそれは大きな間違いだ。
ドラゴンは殺そうと思えばいつでも体一つで人を殺せるし、国一つ潰す事なんて簡単にできる生き物だ。
僕の事だって、龍神の加護が与えられていようが気に入らなければ排除することはできる。
それをしないのは、そうしてしまえば生態系が崩れ他種族との共存ができなくなり、その結果は自分達が破滅する未来があると分かっているから。
アーナンダ国がドラゴンに助けてもらいながらドラゴンという生き物を理解し思いやってと共存できないっていうなら…僕にだって考えがある。
「分かりました」
「そうか。では例のドラゴンは」
「僕はアーナンダ国を出ます。ユエの両親が居る場所はドラゴンが多く住む地と聞きますし、そこに行きます」
「は?」
「そんなに皆がドラゴンに怯え、自分達の恐怖を軽減する為にドラゴンの大切な翼を一時的にでも飛べないように制御しようって言うのなら僕はそんな者達の為にドラゴンが危険を犯してまで人を守る必要はないと思いますので、僕は此処を出ます。では、そういうことで、さようなら殿下」
一方的にクラージュ殿下に別れを告げて、何か言われたり止められたりする前に部屋の窓から外に飛び降りる。
トン
「ホルス様!国出だ国出!!こんな無礼な国守る価値なし!!」
『ははははは!!それは愉快だな。ではこのまま国を出るか』
窓から飛び降りた僕をキャッチしたのは、どこからか飛んできたホルス様。
丁度いいとホルス様に国を出ることを告げると面白そうに笑って凄いスピードで城から離れていく。
そして一鳴きホルス様が咆哮を上げるとどこからともなくレッドドラゴン達が集まってきて結構な集団になった。
国をそのまま出る前に一度ウォード家に寄り、ノヴァを誘拐して再び飛び立つ。
ヨハネス達は連れて行く気がなかったのだけど、いつの間にかレッドドラゴンの後ろに乗っていて…ってあれ?
「にぃ様!ヒュー様!」
「ルナイス!」
「おい馬鹿!まずは何があったのかちゃんと説明しろ!!」
よくよく見たらちょっと離れた所に居たレッドドラゴンの背に乗ったにぃ様とヒュー様が居てびっくり。
何時の間に!
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