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第4章

そっちがそうくるならこう!

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武器屋も見てみたいねって話しになって、近くを歩いていた屈強な冒険者らしき人に良い武器屋を知らないかと声をかけてみた。

ヨハネスに「そう言うのは私共に命令してください」とすごく真剣な顔で注意されてしまったけれど、冒険者らしき人改め屈強な冒険者は快くおすすめの武器屋を教えてくれた。





そこは闇市の中でも特に暗い路地裏に店を構えていて、人通りもぐっと減っている。

ぱっと見怪しげな雰囲気のお店が並んでいるが、面よりも魔力の質が高いとノヴァが言うから此処は知る人ぞ知る、掘り出し物があるお店が並んでいるのだと思う。



ギィィ


お店の戸を開けると建付けが悪いのか開きが悪く、高い音が鳴った。

その音で客が来たことに気が付いた店主がチラリとこちらに視線を向けるが、すぐにその視線は手元に戻された。



とりあえず認識されて追い返されていないのだから自由に見ていいだろうと判断して展示されている武器たちを見て周る。




「これいいな。ヨハネス持ってみろ」


「失礼します…これは…すごく手に馴染みます」


「変に魔力が籠められてしない分扱いやすいが持ち主によっては子供の玩具のような剣にもなる。…が、剣の腕のある者ならばこれ以上はないほどに扱いやすい代物だろう」




ノヴァが一本の剣を手に取り、それをヨハネスに渡す。

あんまりノヴァとヨハネスが気軽に話すことってないから、ノヴァに剣を渡されたヨハネスは最初ぎこちなかったけれど、剣を受け取ると目を見開きすごく嬉しそうな顔に変わった。



ノヴァの説明にヨハネスだけじゃなく僕もへぇーっと声を上げ、剣を食い入る様に見る。






「…買います」


ほんの数秒、剣を見つめたヨハネスはそう言って武器屋の店主から買い受けた。



「防具とかは見なくていいの?」


「はい。私は防御は魔法で行っているので剣のみでいいです。無駄に防具をつけると動きが鈍るので…」



ヨハネスの言葉にそう言えばヨハネスだけじゃなくて、アーバスノイヤー家の騎士や私兵達はあまりごつい防具をつけていなかったことを思い出す。

そんな理由があったのかっと今更に驚いている自分、どうなの?って思ったけど気が付かなかったことにする。






「ノヴァは?」


「俺は飛道具が欲しい…これとか」


「僕も短剣買おうかな」




お互いに欲しい物が別々の場所に置かれているので、一旦離れてそれぞれの求めるものを見て周ることにして、僕は短剣が置かれているエリアに足を運んだ。

ノヴァは魔力が多くて魔法の技術がすごいので、相性の良い魔力を宿した飛道具を買うと思う。



僕は魔力が多いけど扱いが下手くそだから、魔力を吸ってくれて魔力操作を補助してくれるような剣があればいいなと思う。

長剣だと僕が遠心力で振り回されるので、短剣で。





短剣だけでも沢山の種類が置かれているのだけど、いまいちピンとくる物が見当たらない。



自分の命を守ってくれる武器を妥協したくないし…と顎に手を添えて唸っていると、スッと横から一本の短剣が飛んできた。




「持ってみろ」

店主に言われて目の前で浮いている短剣を手に取ると、ぐっと魔力が吸われる感覚がして一瞬体がふらつく。

がしかし、ある程度短剣が魔力を吸い安定すると驚く程に手に馴染んだ。



ぴったりと、まるで僕の手の形に変化したように馴染む短剣を軽く振ってみる。


うん。
すごく良い。




「それは初めの魔力吸収がキツイ代物でな。…なかなか持ち主が現れなかったが、やっと巡り会えたようだな」


僕の様子を見ていた店主がそう言ってふんっと鼻を鳴らした。



「店主さん。これおいくらですか?」

「ふん。どーせ此処にあっても売れない代物だ。20000キンでいい」


「そ…それは安くしすぎじゃない?」


「それ以上はいらん」



20000キン何て稽古用の模擬剣くらいの値段だ。

あまり相性の良い相手がいないからと言ってもあまりにも安すぎる。



だけど、店主からは絶対それ以上の金額にはしないし、受け取らないぞっという意地を感じる。



「んぐぅ…じゃあアレも買ってやる!!」


そう言って僕が指さしたのは今世では馴染みがなく、前世では模造品を見たことがある銃。

こっちでも銃と呼ぶのか分からず、とりあえずアレだ!と指をさせば店主の眉間にぐっと深い皺がきざまれる。




「お前…アレに手を出そうってのか?使い方知ってるんか」


「あれでしょ…あれ…バーンってやつでしょ!」



「!!買う前にそいつを使えるって証明出来たら売ってやる。こい!」



いつの間にか店主と言い合いのようになり、店主に言われるがまま店の裏に出る。

ヨハネスがすごく顔を顰めているし、ガンナーはオロオロしていて、ノヴァは心配そうに僕を見ている。


そんな3人に大丈夫!ってウインクして見せて、店の裏の何も無い空間の真ん中に立った。




いざ!



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