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第4章

疲労困憊ホルス様

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ホルス様の背に乗っている間、ガーネットの相方を知っているのかと何故迷わずガーネットが住処にしていた所へ向かえるのかと尋ねてみた。


『東の地の者でないことは明らかであるし、南の地に火山は3座。卵とガーネットが居た方とは逆の方向にある火山であろうと推測できる。それと後は微かにドラゴンの鳴き声が聞こえてくる場所がある。パンはきっとその声を辿って行ったのだろう。』


声?と耳を澄ましてみるが、僕には何も聞こえなかった。

隣のノヴァにも聞いてみたけれど聞こえないって。




『人の耳では聞こえぬだろうな。そうだな…超音波のような声だ。』


超音波…ドラゴンって超音波も出せるの?

こんな時だけど新しい情報に僕とノヴァは目を合わせてメモを取る。









しばらく飛んでやってきた火山は人の身である僕達には暑すぎて近づけそうになかったので、僕達はギリギリ大丈夫そうな所で降ろしてもらってククちゃん達の事はホルス様に任せることにした。

今回の件でホルス様の心労が凄そうなので、帰ったら思いっきり労おうと思う。






どれくらい経ったか…

水分補給をしっかりとしながらホルス様達が帰ってくるのを待っている僕達の元に


グルゥアアア!!!


ギィィィイ!!


キーキー!!


ギュロロロロロロロロロロ!!!


4体のドラゴンの大きな鳴き声が聞こえてきた。








慌てて火山の方へ眼を凝らし見えたのは一部凍る山の斜面と吹き上がる炎、そしてそれらが見えた後に黒い煙が立ち込めた。






「…これはガチ喧嘩だ。」

「ガチ?喧嘩?」


あわわわっと慌てる僕の横で聞き慣れない言葉に首を傾げるノヴァには気が付いているけれど、今は説明してる暇がない!

止めないとやばいことになる!どうしようどうしようっと考えに考えた結果…





「やめなさーーーーーーーーーい!!!」






取り合えず叫んでみた。

風魔法を駆使して声がよく聞こえるようにしたのもあってか、先程まで聞こえて来ていたドラゴン達の騒がしい鳴き声がピタリと止む。



しばらく様子を覗ったけれど、その後鳴き声も聞こえてこないし火柱があがっている様子もないことにほっと息を吐き

「パーーーーーーーーーーーン!!おいでぇぇええええ!!!」

また大きく空気を吸って一番素直に何でも話してくれそうな小さきドラゴン君を呼ぶとビュンっと一瞬で目の前に飛んできた。




『ルナイス!呼んだ?呼んだよね!なに?どうしたの?』

目の前に現れたパンに怪我はないようでほっと一安心。

息を切らしてはーはー言いながらもハイテンションで僕に話しかけてくるパンに何があったのか詳しく教えてくれと頼むと元気よく『分かった!』と頷き先程の騒ぎの原因を話してくれた。




パン:『ガーネットさんが子をつれて息絶え絶え!旦那様浮気したの?』

クク:『出産直後の相方と生まれて間もない卵を放置して別の雌と浮気するなんていい度胸ね。』

旦那さんらしきドラゴン:『ま、待て!今ガーネットって言ったか!?浮気何て誤解だ!ずっと探してるんだ!どこにいる!?』


パン:『浮気者!浮気者!』

旦那さんらしきドラゴン:『うるせぇ!!ガーネットは何処だって聞いてんだぁ!』

クク:『自分が誤解させるようなことしたのが悪いんでしょう!私の子に八つ当たりすんじゃないわよ!!』


ここでククちゃん旦那さんらしきドラゴンの体の一部を凍らせる。

旦那さんらしきドラゴン叫び悶える。



旦那さんらしきドラゴン:『てめぇら許さねぇーからな!!』


ホルス様:『いい加減にせんかぁ!!』











っというやり取りがあったらしい。


そして今は僕の声で言い合いが止まり、旦那さんらしきドラゴンはククちゃんに半分凍らされていて、ホルス様は他のレッドドラゴン達に事情を説明中らしい。


パンから聞いた向こうの情報をノヴァ達にも話して、どうなるのか待つこと数分。




「ホルス様!」


『ルナイス、ガーネットの相方を連れて戻る。その後は一旦火山にガーネットを戻し他の者達も交えて話し合いをさせる。どうやら浮気したというのはガーネットの誤解らしいから、そこからは放っておいていいだろう。』


すごく疲れた様子のホルス様が飛んできて、すごく疲れた目で結果を報告してくれた。

疲れているところ申し訳ないのだけど、ホルス様にしか乗れないので頑張ってガーネットの所まで飛んでもらう。


ホルス様と僕達の後にククちゃんが飛んで、その後ろにガーネットの旦那様でその後ろをパンが飛んでという形で弱っているガーネットの元へ。







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