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第4章

ドラゴン3体は災害レベル

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此処からはドラゴン達の戦場と化すので人間である僕達は現場からは少し離れた所で待機することに。



ホルス様も仕方なしにドラゴンの姿に戻ってククちゃん達を伴いレッドドラゴンの所へと飛んで行った。


その間僕はラプラス様から質問攻めにあっていた。

「どうやってドラゴンと意思疎通をしているのか」

「ドラゴンの手懐け方は」

などなど、色んな質問をされたけれど全て「えー」「分かんないですー」「どうかなぁ」と誤魔化す僕。






ホルス様を優先しすぎた結果拗ねたノヴァや護衛達からの助けを得られず、ラプラス様の猛攻撃を一人交わす時間はギュロロロロロロロロロロロ!!!という大きなドラゴンの咆哮と、近づいてくる冷気と熱波によって終わった。




視線を咆哮が聞こえてきた方へ向けると、火を噴きながらククちゃんを追うガーネットの姿があり、そのガーネットに向かってククちゃんの影から氷の塊をぺっぺとぶつけるパンの姿も見えた。

そんな3体の後ろを面倒臭いって思い全開のホルス様が飛んでいて、3体の大きなドラゴンと1対の子ドラゴンが集まった光景は他種族にとって中々の恐怖である。





「おぉ!凄まじい熱、冷気!正反対の気を一度で感じられるなんて!素晴らしい!ドラゴン同士の争いはこんなに激しいのですね!何百年と生きてもなかなか見られない貴重な光景だ!」


隣のラプラス様はドラゴン同士の攻防に知識欲が刺激されたのか頬を赤く染めて興奮した様子で空を飛ぶドラゴン達を見上げている。

あまりの興奮度に引いて僕はそっとノヴァの方へと身を寄せた。








ギュィィィィイイイイイイイイイイイイ!!!!


グゥロガァアアアアアア!!




レッドドラゴンが今までにないくらいの激しい咆哮を上げ、それに対してククちゃんが怒った様子で負けないくらい大きな咆哮を上げた。

離れた所にいる僕達の体が痺れて一瞬動けなくなるほどの圧。




「ルナイス、レッドドラゴンとクク殿はなんと?」


「『こんな時に現れやがって!まさか我が子を排除したわけではあるまいな!!!』『被害妄想もほどほどにしなさい!さっきから貴方の子は此処にいるっつってんでしょ!!』って言ってる。」


「…レッドドラゴンはまだ卵の存在に気が付いてないのか?」



「うん。何かククちゃんに攻撃することに夢中で分かってないみたい。さっきからククちゃんが卵あるよって言ってるんだけど聞く耳持たない感っっじ!」


ドガーン!!!





ギュロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!!!!!!






ノヴァにドラゴン達のやり取りを説明していると、ついにキレたホルス様が黒く美しくしなやかな尾でレッドドラゴンを地面に叩き落としてしまい、物凄い音と揺れと土煙に襲われた僕達。

ノヴァが咄嗟に結界を張ってくれてラプラス様も重ねて結界のような魔法を展開してくれたので視界が不良なくらいで害なく済んだ。






キュイ  キュイ  キュイ



しばらくして土煙が落ち着きだした頃、煙の向こう側からドラゴンのか細い鳴き声が聞こえてきた。







「ルナイス、状況が分かるか?」


「んっと…僕もよく分かんないけど、たぶんレッドドラゴンがホルス様に許しを乞うてるっぽい。」



レッドドラゴンは他種より野生的だから力関係は重要なんだと思う。

それで、たぶんホルス様は地面に叩き落としたレッドドラゴンを押さえつけている。
煙で全然見えないけど。





『謝罪はいらん。目の前をよく見よ。』


『ごめんなさい、ごめんな…卵!私の子!』



しばらくドスンドスンって地面が揺れる音がしてたけど、聞こえて来たホルス様とレッドドラゴンの声にどうやら無事レッドドラゴンが卵を見つけられたらしいことが分かった。


ちなみに離れていたとはいえ、レッドドラゴンが地面に落ちてきて僕達に火傷を負わすほどの熱波がこなかった理由は煙がなくなって目の前に現れたパンと大きな氷壁のおかげであると分かった。





『ルナイス!パンは頑張った!どうだ!』


「うんうん。おかげで二回目の火傷をしなくて済んだよ。ありがとう。ククちゃんも。」



褒めろ!撫でろ!と頭をこすりつけてくるパンを撫でながら、パンとククちゃんにお礼を。

僕に褒められ感謝され撫でられて満足そうに鼻をプスプス鳴らす我が子を呆れた様子で見ながらククちゃんは『ルナイスには大きな恩があるからね』と笑った。








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