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第4章

犯人は現場に一度は戻って来る

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翌朝、僕達はファクター公爵様に見送られて問題の地へと足を進めた。



まずは僕達が襲われた所へ向かい、更に細かく現場を調べることにした。
見落としている何かがあるかもしれないし、犯人って状況を確認しに現場へ足を運ぶことって結構ある。


新たな手掛かりがないか、昨日と何か変わったところがないかを調べるのだ。




調べると言っても、僕は馬車の中に居たのであんまり現場の状況って把握してない。

魔力とか魔法に関する調査はノヴァがしてくれて、辺りの異変とかはヨハネス達がしてくれてる。


僕はガンナーという護衛を連れて調査と言う名の散歩をしている状態だ。




もちろん僕としては、しっかり周りを見て違和感がないかとか、見たくはないけれど僕にしか見えない何かがないかとか調査隊の一員のつもりで動いているが冷やかし感がえぐい。




「ガンナーは何か気になることあった?」


「実は一つお尋ねしたいことがあるのですが…以前我等を悪鬼へ落したのは悪魔だけの力だったのでしょうか?関与していたという魔法使いは今牢獄にいるのですよね?」



「そのはずだけど…そう言えば僕達は捉えられたという魔法使いを見ていないね。すぐにとーさまに確認を取るよ。」




黙ってウロウロしているのも何だから何となく傍に居るガンナーに話を振ってみれば、凄く重要そうな内容が返ってきてすぐに魔法送書でとーさまに以前捕縛したという魔法使いが牢獄の中に居るか調べてほしいとお願いした。





「ノヴァ!」


「どうした。」


「ガンナーが以前自分達を悪鬼に変えた事件で関与していた魔法使いが牢獄にいるのか気になるって言ってくれてね、僕も捕まっているところを目で見てないしすごく気になって今とーさまに魔法送書送ったの。」



「なるほど。確かにあっけなく捕まったと報告を受けているが捕まった本人を見ていない。だが、相手がそいつであれば魔力残滓で分かるはずだが…何か小細工をしている可能性もあるにはあるか。」




魔法送書を送ってからノヴァに報告して、ノヴァから返ってきた言葉にそう言えばその魔法使いが相手ならノヴァ分かるかってちょっと興奮していた脳が落ち着く。





「紛らわしいことを言って申し訳ありません。」


「謝る必要はない。今回の件に関しては些細なことでも調べる必要がある。寧ろその可能性を出してくれたことに感謝する。」




ガンナーの謝罪へのノヴァの返しに僕もうんうんと頷く。

僕何てその魔法使いがいたってこと自体すっかり忘れていたから。

確か悪魔界の事で他族へ知られては困る重要な情報は記憶から消されて、人間界の牢屋に入れられるって話だったと思うんだけど…。
魔界が絡んでいたからか、魔法使いのその後の情報って一切公にされてないんだよねぇ。


今回の件と関係がなかったとしても一度その魔法使いの現状は把握しておいて損はない。







しばらく皆で調べて得られた情報は


やはり相手は僕達が去った後に此処を訪れているだろうってことだけ。




何かしらの情報を隠蔽するためなのか、前回では感じられなかった所から魔力の残滓を感じ取ったとのことだ。

未だ残滓が残っているということは、そこそこ魔力を消費するような魔法を使ったということ。

しかもその怪しい魔力は一つだけでなく少なくとも3名の関与があるだろうということだ。








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