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第4章
久しい友はいったいどこを目指すのか
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ハデス領から獣人領まで再び足を運んでみたり、名のない森の結界の状態を北を離れる前に一度見て欲しいと頼まれて見に行って問題がないことを確認したりと過ごして、ノヴァともうやりたいことないねっと話し合ったところで北の地を離れることにした。
ちなみににぃ様とは極寒の洞窟に行った次の日に一緒に過ごして、その翌日には仕事のため中央に帰って行った。
見回りも兼ねて馬に乗って帰るって言って、急遽野生の馬を捕まえて帰って行った。
我が兄ながらなかなかのワイルドさである。
そうそう。結局空の魔力晶には一番馴染みのあるにぃ様の魔力を入れてもらった。
この魔力晶を武器に仕込めば武器が強化され炎を纏うという効果があるので、さっそく懐に忍ばせている短剣に埋め込んでいる。
心臓の近くにあるから何かあってもにぃ様が守ってくれるって思えてすごく良い。
ハデス領を出て数日。
東の地に足を踏み入れる前にノルデン領へとやって来た。
東の地はスピリット系が多く住んでいる地で、土地の90%は森。
アーナンダ国に所属しているけれどそれはアーナンダ国の人間が有事の際に東の地を守ることと自然を破壊しないことを約束しその代わりアーナンダ国が危機に迫った時には手を貸してもらうという契約を結んでいるから。
東の地のことに関してはファクター公爵家が主に管理していて、ノルデン家とオルフェウス家も連携して東の地を管理している。
本来はファクター家へ先に出向くべきなのだが、公爵様が今は忙しくて出迎えができないということで先にノルデン家へ行くことを了承してもらった。
「ルナイス様!!」
「オスカル君!!」
馬車から降りた僕達を出迎えてくれた久しぶりに会う友を抱擁し、彼の体の変化に気が付いた。
「…何か大きくなった?」
「はい!3センチ程伸びました。卒業してから訓練をしまくったりあちこち行っていたら何時の間にか。」
へへっと笑うオスカル君に唖然とする。
どちらかというと幼い可愛さがあったオスカル君は今、立派な男性へと進化している。
「ルナイス様も少し大きくなられたのでは?それに全く隙を感じられません。どんな訓練をされているのかご教授願いたいです。」
目をキラキラと輝かせてそう言ってくるオスカル君はいったい何処を目指しているのか…
しかし彼の言う通り僕も少しずつ成長している。
ずっと魔力が不安定だったりで成長が遅く、同年代よりも身長が引くく筋肉が付きにくかった僕だけど魔力が安定してきてからはやっぱり周りよりは成長がゆっくりなのだけど着実に成長している。
にぃ様やノヴァ、テトラ君やオスカル君程大きくはなれないだろうけど僕は特に気にしていない。
もう少し身長が欲しいなぁって思うことは度々あるけれど。
「うん。少しずつ伸びてる。訓練は…最近はノヴァと一緒に柔軟体操をしてるくらいだよ。」
「なるほど。筋肉がついてきてから体の柔軟性は確かに気になっていたんですよね。僕もやってみよ。」
僕の言葉を聞いてからぶつぶつと暫く独り言を呟いていたオスカル君だけど、執事っぽい人に促されて現実世界に思考を戻したオスカル君の案内で滞在させてもらう離れへ。
「確かファクター公爵様が戻られるのは4日後でしたよね?」
「うん。ご挨拶したらまたオスカル君の所にお邪魔させてもらいたいと思っているんだけど、どうかな?」
「僕は自由の利く身ですので、全然構いません。ファクター公爵様宛の品を一つ預かっているのであちらへ行く際はご同行させていただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろん。」
ファクター公爵様は本当に忙しい方で、長男のストーム様は魔術研究所の所長で次男は次期宰相。三男はファクター家の当主になるため留学をして勉強中なのだとか。
エイド様と三男さんは頭も良く落ち着いた性格なので問題はないのだけど、長男のストーム様は度々研究に没頭するあまりやらかすことで有名だ。
その度に公爵様とエイド様が後処理に追われていることも有名。
だけどストーム様は沢山の人が助かる魔術を編み出したり国に貢献もしている実力もあって、公爵様もエイド様もそんなストーム様の後処理に文句は言うが辞めろとは言わない。
むしろ応援しているからこそ、エイド様は宰相を目指されたのだとか。(ヒュー様情報)
そして今ファクター公爵様はまさにその長男、ストーム様の起こした爆発事件の後処理中。
帰ってきてからは公務に忙しいだろうから、気心のしれたノルデン家に滞在をお願いしたのだ。
オスカル君から承諾を貰えたのでヨハネスにファクター公爵様にこのことをすぐお知らせするように指示をだして、お昼の時間になるまでしばし休憩をすることにした。
________
ややこしいですが
魔導具研究所、魔術研究所は別物です。
私も誰が所長でどこと関係があって…っと混乱してます。
更新しながら設定についても改めて見直そうと思いますが、もし大きな矛盾点などございましたらご指摘くださると助かります。
またそういった問題が分かりましたら大幅に修正をする可能性がありますのでご了承ください。
その際には事前にお知らせをさせていただければと思います。
設定の更新を怠っていますがそのうち…
ちなみににぃ様とは極寒の洞窟に行った次の日に一緒に過ごして、その翌日には仕事のため中央に帰って行った。
見回りも兼ねて馬に乗って帰るって言って、急遽野生の馬を捕まえて帰って行った。
我が兄ながらなかなかのワイルドさである。
そうそう。結局空の魔力晶には一番馴染みのあるにぃ様の魔力を入れてもらった。
この魔力晶を武器に仕込めば武器が強化され炎を纏うという効果があるので、さっそく懐に忍ばせている短剣に埋め込んでいる。
心臓の近くにあるから何かあってもにぃ様が守ってくれるって思えてすごく良い。
ハデス領を出て数日。
東の地に足を踏み入れる前にノルデン領へとやって来た。
東の地はスピリット系が多く住んでいる地で、土地の90%は森。
アーナンダ国に所属しているけれどそれはアーナンダ国の人間が有事の際に東の地を守ることと自然を破壊しないことを約束しその代わりアーナンダ国が危機に迫った時には手を貸してもらうという契約を結んでいるから。
東の地のことに関してはファクター公爵家が主に管理していて、ノルデン家とオルフェウス家も連携して東の地を管理している。
本来はファクター家へ先に出向くべきなのだが、公爵様が今は忙しくて出迎えができないということで先にノルデン家へ行くことを了承してもらった。
「ルナイス様!!」
「オスカル君!!」
馬車から降りた僕達を出迎えてくれた久しぶりに会う友を抱擁し、彼の体の変化に気が付いた。
「…何か大きくなった?」
「はい!3センチ程伸びました。卒業してから訓練をしまくったりあちこち行っていたら何時の間にか。」
へへっと笑うオスカル君に唖然とする。
どちらかというと幼い可愛さがあったオスカル君は今、立派な男性へと進化している。
「ルナイス様も少し大きくなられたのでは?それに全く隙を感じられません。どんな訓練をされているのかご教授願いたいです。」
目をキラキラと輝かせてそう言ってくるオスカル君はいったい何処を目指しているのか…
しかし彼の言う通り僕も少しずつ成長している。
ずっと魔力が不安定だったりで成長が遅く、同年代よりも身長が引くく筋肉が付きにくかった僕だけど魔力が安定してきてからはやっぱり周りよりは成長がゆっくりなのだけど着実に成長している。
にぃ様やノヴァ、テトラ君やオスカル君程大きくはなれないだろうけど僕は特に気にしていない。
もう少し身長が欲しいなぁって思うことは度々あるけれど。
「うん。少しずつ伸びてる。訓練は…最近はノヴァと一緒に柔軟体操をしてるくらいだよ。」
「なるほど。筋肉がついてきてから体の柔軟性は確かに気になっていたんですよね。僕もやってみよ。」
僕の言葉を聞いてからぶつぶつと暫く独り言を呟いていたオスカル君だけど、執事っぽい人に促されて現実世界に思考を戻したオスカル君の案内で滞在させてもらう離れへ。
「確かファクター公爵様が戻られるのは4日後でしたよね?」
「うん。ご挨拶したらまたオスカル君の所にお邪魔させてもらいたいと思っているんだけど、どうかな?」
「僕は自由の利く身ですので、全然構いません。ファクター公爵様宛の品を一つ預かっているのであちらへ行く際はご同行させていただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろん。」
ファクター公爵様は本当に忙しい方で、長男のストーム様は魔術研究所の所長で次男は次期宰相。三男はファクター家の当主になるため留学をして勉強中なのだとか。
エイド様と三男さんは頭も良く落ち着いた性格なので問題はないのだけど、長男のストーム様は度々研究に没頭するあまりやらかすことで有名だ。
その度に公爵様とエイド様が後処理に追われていることも有名。
だけどストーム様は沢山の人が助かる魔術を編み出したり国に貢献もしている実力もあって、公爵様もエイド様もそんなストーム様の後処理に文句は言うが辞めろとは言わない。
むしろ応援しているからこそ、エイド様は宰相を目指されたのだとか。(ヒュー様情報)
そして今ファクター公爵様はまさにその長男、ストーム様の起こした爆発事件の後処理中。
帰ってきてからは公務に忙しいだろうから、気心のしれたノルデン家に滞在をお願いしたのだ。
オスカル君から承諾を貰えたのでヨハネスにファクター公爵様にこのことをすぐお知らせするように指示をだして、お昼の時間になるまでしばし休憩をすることにした。
________
ややこしいですが
魔導具研究所、魔術研究所は別物です。
私も誰が所長でどこと関係があって…っと混乱してます。
更新しながら設定についても改めて見直そうと思いますが、もし大きな矛盾点などございましたらご指摘くださると助かります。
またそういった問題が分かりましたら大幅に修正をする可能性がありますのでご了承ください。
その際には事前にお知らせをさせていただければと思います。
設定の更新を怠っていますがそのうち…
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