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第3章

悪魔に興味を持たれているのが公爵家次男の僕です…

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取り合えず…


お話をするのに鎖に巻かれたままの相手とお話するのはちょっと問題があるってことで




僕とノヴァとバグさんとベルちゃんで急遽お茶会を開くことにした。
(ヨハネスとコルダは警護の配置に戻った)


悪魔はお茶会が好きみたいで、バグさんもベルちゃんも机の上に並べられた紅茶とお菓子に満足そうなお顔してる。

バグさんは足を組んで優雅にカップを傾けていて、ベルちゃんは足を組んで顎を机につけたままバクバクとお菓子を口に放り込んでいる。



貴族社会ではアウトな二人だけど、彼らは悪魔なのでマナーは今この場に存在しない。





ならばっと


僕もちょっと姿勢を崩す。



ピンっと張っていた背中をちょっとだけ丸めて楽な姿勢で紅茶を飲む。

チラリとヨハネスを見れば一瞬目が合ったけど、すぐに逸らされた。



うん。大丈夫だなっと判断しそのままの姿勢でベルちゃんに空間を造る、についてお話をするよう促した。






「説明もなにもぉそのままじゃよ。例えば…ほれ。今わしはお菓子を亜空間に締まった。このように…いつでも取り出せる。」


「有機物が入っても問題ないのですか?」



「それは使用者の技量じゃの~。わしはできん。バグはそういうの得意じゃろ?」


「うむ。しかし我のは夢世界に放り入れているだけ。空間魔法とはちと種類が違う。坊は闇属性の気が強いから我等より空間を造り有機物を入れるのは危険だな。」



「危険?」




闇属性に適正があると何故危険なのかと首を傾げる僕。





「只の異空間ではなく、闇の異空間を造ってしまう可能性が高い。そうなれば入れられたものが闇に落ちてしまう危険がある。我等のような存在は問題ないが…光属性の精霊であれば入れた瞬間死ぬかもしれんな。」


バグさんの言葉にふっと以前ノヴァにも魔法付与札に付与してあげた闇奈落ブラックホールを思い出した。

あまり…というか入れたらどこに行くのか、生死も分からないので使う場面がなかったが今でも使おうと思えば使える魔法であることは確認済み。



確かに間違って闇奈落あれに落としてしまったらやばい。






「ノヴァ・ウォード。あなたは夢使いから魔法を教わったでしょう?あの親子の寝床を造るなら貴方が適任でしょう。」


「「「!!」」」



「っこれはこれはマルコシアス殿。貴殿が姿を現すとは。」


「何故お主がここにっ!」





僕には異空間を造るのは難しそうだっと思っていると、不意にすぐ傍で声が聞こえてきた。

バグさんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに落ち着いて、ベルちゃんは嫌そうに顔を顰めて体を仰け反らせている。












「あぁ、ルナイス殿とお話するのはこれが初ですかね?私はマルコシアスと申します。」


「あ!あのセクシー淫魔さんの時にバグさん紹介してくれた悪魔さんですね。お話はと…父上から聞いております。その節は大変お世話になりました。僕はルナイス・アーバスノイヤーと申します。」






告げられた名前に少し前の記憶から情報を引っ張り出す。


僕が直接会うことはなかったけれど、僕を助ける手伝いをしてくれたホルス様の知人、精霊のルゲイエさんの知人の悪魔さんだ。

超多忙だとかでバグさんを紹介してくれた後はすぐ姿を消してしまったようだけど、このマルコシアスさんも僕の魂に興味津々らしい。



悪魔に興味持たれてる公爵家の次男…いや、深くは考えないでおこう。





「ご丁寧にご挨拶くださりありがとうございます。君にはとても興味があってお話をしたいと思っていたのですが…そこに居る愚鈍のせいでなかなか暇がありませんで…困ったものです。」


「ぐっ」



ニコニコと微笑む姿は穏やかでふわふわしているのだけど、すいっとベルちゃんに向けた視線は絶対零度で場の温度が一機に下がる。

気のせいじゃなければベルちゃんの体半分が凍っている。





「ね?」


「わかった!わかった!帰るから!!!」







笑顔のままね?っと首を傾げたマルコシアスさんにベルちゃんが声を上げて降参すると凍った半身は元に戻った。

腕を擦って口を尖らせるベルちゃんと、知らんぷりを決め込むバグさんを見て察する。




あぁ…




怒らせてはいけない人だ







と。








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