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第3章

悪趣味な悪魔VS鼻の下を伸ばしたらしい半魔

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肘上までの長さのレースの黒い手袋


ノースリーブのネックのある黒い布は胸元にひし形の穴が空いていて長さは胸下までしかない


ピタッとした黒い短いズボン


ふくらはぎ半分までの靴下にソックスガータ


靴は厚底のローファー





露骨で品のない服装をした自分の姿に意識が遠のきそうになる。






「フォッフォ!良い姿じゃ~。髪ももう少し長い方がいいのぉ。」


パチン!



僕の姿を満足そうに眺めたベルちゃんは再び指を鳴らすと、僕の髪が肩を少し過ぎるくらいの長さに変わった。











「っルナイス様!」


すぐにヨハネスが僕の体に自分のマントをかけてくれたけど、変わった服や髪は戻らない。


ちょっとくらいセクシーな服を着るくらい、正直どうってことない。
だけど僕の意思がまったくなく、見ず知らずの変態を喜ばせるための服装にされたことと遠慮のない欲にまみれた瞳で見られていることに羞恥心と嫌悪と怒りが湧いてくる。






ドガーン!!


涙を堪えて、闇魔法を展開しようとした僕はさっきまでベルちゃんが居た所に落ちて来たガンナーにポカーンとなる。




「ッチ…逃がしたか。」


「!ルナイス様!」


舌打ちをしたガンナーの傍にベルちゃんの姿はなく、何かに気が付いたコルダに抱えられた瞬間…僕が居たところに立っているベルちゃんの姿が。



直ぐにヨハネスが切りかかるけれど、ベルちゃんはひょいひょいと剣を交わしているし余裕そうにニヤニヤ笑いながら視線を僕から離さない。

ねっとりとした視線に、本物の変態ってこんなに気色悪いんだっと知る。




ヨハネスにガンナーが加勢して、ベルちゃんに攻撃を仕掛けるけど相も変わらずひょいひょいと交わされてしまう。

何とか僕に近づこうとするベルちゃんを僕に近づけないように頑張ってくれているけど、攻撃を止めない二人にベルちゃんが段々苛立っているのが魔力圧で伝わってくる。






バチバチバチバチバチ!!


「ぐぅぁ!!」



悪魔をドボンできるかなっと考えていると、突如ベルちゃんの体に閃光が走り、余裕顔だったベルちゃんの顔が苦悶に歪む。




「ルナイス!」


「ノヴァ!!」


コルダに覆いかぶさられているから姿は確認できないが、ノヴァの声が聞こえてきて、ベルちゃんに攻撃を食らわせたのがノヴァだと分かった。



「っ半魔のくせに生意気な!!」


ベルちゃんの怒りを含んだ声が聞こえてきて、考える暇もなくノヴァの足元に魔法を展開してドボン。



「!助かった!」

ドボンしてからすぐに僕達の近くにノヴァを影の中から吐き出す。



ノヴァが居た場所は何の魔法なのか、怪しげな煙が漂っていたのでドボンして良かった。









「ルナイス…その恰好は…」

しかし僕の傍に来たことで、ノヴァに今の僕の恥ずかしい恰好がバレる。


はっとしてヨハネスのマントをしっかりと巻き付け、ベルちゃんに変えられた悪趣味な服を隠す。





しばらく固まっていたノヴァだけど、すぐに綺麗な顔に怒りを滲ませてベルちゃんの方へ向き直る。



「今すぐルナイスの服を元に戻せ。」


「ふん!見惚れて鼻の下を伸ばしていたくせに!これだから拗らせた童貞は!!」



「っ!殺す!!」




一瞬ベルちゃんの言葉に鼻の下を伸ばすノヴァを想像したけれど、想像できなかったし、想像したくなかったので頭を左右に振って思考から切り離す。

頭上からコルダのっふって聞こえた笑い声は聞かなかったことにしといてあげよう。




めちゃくちゃ怒り出したノヴァとベルちゃんがばちばちやっている間に僕達は親子ドラゴンを連れて少し離れた所へ避難。

離れてから、そう言えばどうしてこんな状況に…と数分前のことを思い出す。




『別の空間を造り、そこに住まわすのはどうじゃ?』




あぁ…そう言えば、親子ドラゴンの安全性が芝生の庭では確保できないと頭を悩ませていたところにベルちゃんが来たんだった。


別空間…空間魔法は習ってないし使ったことだない。

ノヴァが使っているのも見たことないし…



思い出すのはあの夢魔と淫魔の事件。

あれって亜空間って感じだったよね?魔界に行くのも空間を跨いでって感じだと聞いた。





激しく闘う二人を尻目にうんうん考えていると、隣に覚えのある気配がして、ぱっと視線を上げるとそこには死んだ目でバチバチやってる2人を見るバグさんの姿が。





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