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第3章

新たなドラゴン情報

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考えることを諦めた僕と侯爵様は、取り合えず親子が過ごせる場所が確保できるまではこのまま此処に居てもらい、少数精鋭の騎士を護衛に置くこととした。

藍色のドラゴンの通訳としてホルス様も芝生広場に残り、僕は侯爵様とノヴァを招いて遅めの昼食を。




「馳走になった。私は騎士団の方へ戻る。またチルと遊んでやってくれ。今度はいつ会えるのかと楽しみにしている。ヒューのこともよろしく頼む。あれも君を本当の弟のように思っている。」


「はい。僕もヒュー様のことは兄のように思っておりますし、チルのことも弟のように思ってます。」


「うむ。ウォードもあまり関わる機会はないが、何か困ったことがあれば何時でも相談に来るといい。」


「ありがとう存じます。」




ノヴァと騎士団の方へ帰還なさる侯爵様の見送りを。

侯爵様は関わりの薄いノヴァにもきちんとお声をかけてくれて、気にかけてくれていることが分かり僕も、きっとノヴァも嬉しい気持ちになる。




侯爵様を見送った後は、再びドラゴン親子の元へ。



「ルナイス、良い所へ来た。」

着くなりホルス様に抱えられてすたこらサッサと卵の元へ運ばれた。



どうやら藍色のドラゴンさんは子を探すために結構な魔力を消費し、残った少ない魔力を更に子に与えたことで気を失ってしまったらしい。

今は残って警護をしていた騎士団の人達が、回復薬をぶっかけて、ドラゴンの前に結構な量の魔獣肉を用意してくれているので、あのドラゴンは心配なさそう。



藍色のドラゴンさんが目を覚ましたとしても、しばらくは子に魔力を与えられないのでホルス様は僕を卵の所へ運んだみたい。




ペタっと卵に触れるとぐぃっと魔力が一気に抜ける感覚に体がふらついたが、ホルス様が支えてくれたので地面に倒れずにすんだ。


「小僧。母が心配なのは分かるがルナイスから強引に魔力を奪うでない。」


僕を支えたホルス様が卵をコツンと叩き、卵の子を叱ると卵がゆらりと揺れた。


『ごめんなさい。』


そして頭の中に聞こえてきた声にそれが謝罪の動きだったのだと分かった。







「ホルス様、ドラゴンで卵の時からこんなに言葉とか理解しているの?」


卵の中の子はこちらの言葉をしっかりと理解しているようだし、受け答えもできる様子で、ドラゴンの知能って?と気になった僕は遠慮なくホルス様に質問する。

近くにやってきたノヴァも気になるのか僕の隣に来てホルス様に視線を向ける。





「個体によるな。我等のようなスピリットに近い者は卵の時からたくさんのことを理解しているが、ワイバーンなどのように魔獣に近い者は卵の時には喋らんし言葉も理解しておらんな。この小僧はなかなかに魔力量の多い子のようだから、これだけしっかりと意思疎通ができているのだろう。」



ホルス様の説明に、これは今まで人間が知らなかった新しい情報では?とノヴァを見ればノヴァも僕を見ていて、目が合うと深く頷いてくれたので、今聞いたことは間違いなくドラゴンについての書物に新たに書き加えられる新情報だ。

見聞きした情報を何でもかんでも馬鹿正直に書き残すのはよくない。
情報の種類によっては、悪用しようと企む輩の補助となってしまう。



これはよくよくホルス様を含め、とーさま達とご相談して書物に書き記すかどうかを決めなくちゃ。






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