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第2章
バグVSアスモ
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ホルス様に抱えられたまま僕はにぃ様達の傍へ。
ヒル侯爵の逞しい手には夢魔の頭が。
もう反抗する力もなさそうなくらいバグさんに力を奪われてヒョロヒョロだけど、容赦なく頭掴まれてます。
僕達が傍に来たことを確認したノヴァが結界を展開すると共に、バグさんとセクシー淫魔さんの戦いが始まった。
「貴方だって人間の夢を食べる為に色々してるじゃない!!何で私だけだめなのよぉ!」
ブワワワワワ
バチン!
「気色の悪い魔力を放つな。我はきちんと契約の下、もしくは罪人共から夢を喰ろうておる。お主は無秩序に他者の夢を喰い荒らすだけでは飽き足らず、鬼族を悪鬼に強制変化させたあげくドラゴン族への攻撃。上位悪魔でありながら御頭の足りぬその下品さが、同じ上位悪魔として嘆かわしくてならん。既にお主を除名処分とし、10000年の投獄、封魔の刑とすることが決定している。人族には悪いがさすがに上位悪魔だった者を人族に任すのは色々問題があるのでな。許せよ。」
ピンク色のふわふわした魔法は見た目のわりに強力な魔力を感じたけれど、そのふわふわ魔法は呆気なく羽虫を払うようにしてバグさんに手を一振りされて消された。
その後も淡々とセクシー淫魔さんの処罰についてお話するバグさんにぼんぼこ魔法を放つセクシー淫魔さんだけど、ひとつもバグさんに当たることはなく、それどころかのんびり僕達に話しかける余裕さえ見せている。
同じ上位悪魔でありながら、ここまで差がでるんだなぁ~っとノヴァの安全な結界の中でのんびりしていると、再び浮遊感を感じ、目の前にはノヴァが。
ムキムキじゃないのに、軽々抱き上げられている現実にむーんっとなるけど、ノヴァの表情を見たらちっぽけな僕のプライドなんてどーでもよくなった。
「ルナイス…」
ぎゅっと抱き締められ、それ以上言葉が出てこないって感じで名前呼ばれて…胸がきゅうっと苦しくなる。
切ないような、満たされるような…
何とも言えない感情が渦巻いて、僕もぎゅうっとノヴァの背中に腕を回して抱きしめる。
ノヴァの後はにぃ様に。
にぃ様の後はとーさまにぎゅっと抱き締めてもらって久々に地面を踏んだ頃。
丁度バグさんとセクシー淫魔さんの戦いが終わった。
「ぐぅぬぬ~…なぜなのぉ~!いいじゃない!可愛い淫魔の悪戯じゃないぃ!!もうやらないからぁ~!バグゥ!嫌わないでよぉ!!」
負けて地面に伏しているセクシー淫魔さんはぐずくず泣き出してバグさんに縋る。
しかしそんなセクシー淫魔さんをバグさんは冷たい目で見下ろすだけ。
「嫌わないもなにも…我はお主を好いたことは一度もないが?」
「っ!!ひどい!ひどいひどいひどいぃぃいい!!!私、私モテモテでこんなに美して可愛いのにバグ、貴方たった一人をこんなにも愛してあげているのにぃ!!」
「はぁ…我がお主からの愛を望んだことはないし、お主の押し付けの愛など我の腹の足しにもならん。お主は見目もよく、自分が近づける中で最も力のある我の傍に立つことで力劣る者どもを好きに弄び、偉そうに豪遊したいだけであろう。そこには我への愛ではなく、お前の自己愛しか存在せぬ。我に益などなにひとつないのになぜお主の汚らしい欲望しか詰まっていない愛を受けなければならんのだ。そんなものを喜んで受け取るのはベル殿くらいではないか?」
癇癪を起すセクシー淫魔さんに冷静に返すバグさんは、テキパキとセクシー淫魔さんを縛り上げていく。
バグさんがぎゅっと締め付けを強くする度に「あぁん」と嬌声を上げ、頬を赤く染めるセクシー淫魔さん。
ノヴァにそっと目を塞がれた。
__________
【新年挨拶】
愛読下さっている読者の皆様。
新年あけましておめでとうございます!
そして今年は不安な年明けとなってしまいました。
皆様、ご無事でしょうか?
一刻も早く被災された方が日常を取り戻し、物語を楽しく読める環境になることを切に願います。
2024年
無理なく平和にそして、健康に過ごせるようお祈り申し上げます。
よろしくお願い致します。
薄明 喰
ヒル侯爵の逞しい手には夢魔の頭が。
もう反抗する力もなさそうなくらいバグさんに力を奪われてヒョロヒョロだけど、容赦なく頭掴まれてます。
僕達が傍に来たことを確認したノヴァが結界を展開すると共に、バグさんとセクシー淫魔さんの戦いが始まった。
「貴方だって人間の夢を食べる為に色々してるじゃない!!何で私だけだめなのよぉ!」
ブワワワワワ
バチン!
「気色の悪い魔力を放つな。我はきちんと契約の下、もしくは罪人共から夢を喰ろうておる。お主は無秩序に他者の夢を喰い荒らすだけでは飽き足らず、鬼族を悪鬼に強制変化させたあげくドラゴン族への攻撃。上位悪魔でありながら御頭の足りぬその下品さが、同じ上位悪魔として嘆かわしくてならん。既にお主を除名処分とし、10000年の投獄、封魔の刑とすることが決定している。人族には悪いがさすがに上位悪魔だった者を人族に任すのは色々問題があるのでな。許せよ。」
ピンク色のふわふわした魔法は見た目のわりに強力な魔力を感じたけれど、そのふわふわ魔法は呆気なく羽虫を払うようにしてバグさんに手を一振りされて消された。
その後も淡々とセクシー淫魔さんの処罰についてお話するバグさんにぼんぼこ魔法を放つセクシー淫魔さんだけど、ひとつもバグさんに当たることはなく、それどころかのんびり僕達に話しかける余裕さえ見せている。
同じ上位悪魔でありながら、ここまで差がでるんだなぁ~っとノヴァの安全な結界の中でのんびりしていると、再び浮遊感を感じ、目の前にはノヴァが。
ムキムキじゃないのに、軽々抱き上げられている現実にむーんっとなるけど、ノヴァの表情を見たらちっぽけな僕のプライドなんてどーでもよくなった。
「ルナイス…」
ぎゅっと抱き締められ、それ以上言葉が出てこないって感じで名前呼ばれて…胸がきゅうっと苦しくなる。
切ないような、満たされるような…
何とも言えない感情が渦巻いて、僕もぎゅうっとノヴァの背中に腕を回して抱きしめる。
ノヴァの後はにぃ様に。
にぃ様の後はとーさまにぎゅっと抱き締めてもらって久々に地面を踏んだ頃。
丁度バグさんとセクシー淫魔さんの戦いが終わった。
「ぐぅぬぬ~…なぜなのぉ~!いいじゃない!可愛い淫魔の悪戯じゃないぃ!!もうやらないからぁ~!バグゥ!嫌わないでよぉ!!」
負けて地面に伏しているセクシー淫魔さんはぐずくず泣き出してバグさんに縋る。
しかしそんなセクシー淫魔さんをバグさんは冷たい目で見下ろすだけ。
「嫌わないもなにも…我はお主を好いたことは一度もないが?」
「っ!!ひどい!ひどいひどいひどいぃぃいい!!!私、私モテモテでこんなに美して可愛いのにバグ、貴方たった一人をこんなにも愛してあげているのにぃ!!」
「はぁ…我がお主からの愛を望んだことはないし、お主の押し付けの愛など我の腹の足しにもならん。お主は見目もよく、自分が近づける中で最も力のある我の傍に立つことで力劣る者どもを好きに弄び、偉そうに豪遊したいだけであろう。そこには我への愛ではなく、お前の自己愛しか存在せぬ。我に益などなにひとつないのになぜお主の汚らしい欲望しか詰まっていない愛を受けなければならんのだ。そんなものを喜んで受け取るのはベル殿くらいではないか?」
癇癪を起すセクシー淫魔さんに冷静に返すバグさんは、テキパキとセクシー淫魔さんを縛り上げていく。
バグさんがぎゅっと締め付けを強くする度に「あぁん」と嬌声を上げ、頬を赤く染めるセクシー淫魔さん。
ノヴァにそっと目を塞がれた。
__________
【新年挨拶】
愛読下さっている読者の皆様。
新年あけましておめでとうございます!
そして今年は不安な年明けとなってしまいました。
皆様、ご無事でしょうか?
一刻も早く被災された方が日常を取り戻し、物語を楽しく読める環境になることを切に願います。
2024年
無理なく平和にそして、健康に過ごせるようお祈り申し上げます。
よろしくお願い致します。
薄明 喰
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