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第2章

あのね、僕の秘密はね…

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二人が誓約書にサインしたところで、まずとーさまは僕の口から二人にお話しするようにと言った。


二人に隠していたことを打ち明けるのはドキドキするけれど、不安はない。






「では…お二人に僕の秘密をお教えします。…実は、僕は闇魔法が使えます。」




「へぇ。……闇魔法ってどんな魔法だ?」


「え!?闇魔法も使えるんですか!?」







僕の発表にテトラ君は闇魔法って具体的になに?状態で、オスカル君は僕が授業で使っていた魔法以外にも使える魔法があるってことに驚いている。

予想通りの反応だなぁっと思いながらチラっととーさまに視線を向ければ、分かりにくいけど満足そうなお顔だと思います。







「とーさま、ドラゴンさんを出してあげてもいいですか?」


テトラ君達に闇魔法を見せるのも兼ねて、問題のドラゴン解放の許可をとーさまにお願いする。





「あぁ。では、裏の広場に移動しよう。」


とーさまの言葉で僕達はぞろぞろと広場に移動。

到着した広場は僕はあんまし来ない所。
でもきちんと綺麗に整えられていて、傍に植えられているお花も木もイキイキとしていて、空気美味うまめ。


ドラゴンが現れても平気そうな広さですが、タイルとか抉れないか心配です。





チラッと橋の方にいる庭師と使用人に目配せすると小さく手で丸を作って見せてくれたので遠慮なくドラゴン召喚!しますね。




て言っても、そんなかっこいい演出はないんだけどね。


トントン


「ドラゴンさーん、でぇておいでぇ。」



雲で薄ら影ができた時に足先で自分の影をノックして呼びかける。



ギュイィイイイ!!



呼び掛けに応じてドラゴンがそれっぽい感じで影から出てきてくれる。

五月蝿すぎない雄叫び声です。





「「ぶ…ブラックドラゴン!?」」



声を大にしてそう叫んだのはヒュー様とオスカル君。

とーさまは何か遠い目をしていて、にぃ様はふむと何か考えている様子。
テトラ君は…無表情で瞬きもせず固まっていた。






『ふむ…お主が今のアーバスノイヤー当主か。』


ぐぐぅっと伸びをしたドラゴンは視界にとーさまを捉えるとじっと観察するように見ながらそう言った。

けど、とーさまにもドラゴンの声は聞こえない様で、大きなドラゴンにじっと凝視される状況に緊張しているのが伝わってくる。



それにしても…ドラゴンはアーバスノイヤー家についてよく知っている風な感じだけど、アーバスノイヤー家とドラゴンが関係あるだなんて聞いたことないし、家の歴史が記された書物でも見た覚えがない。

首を傾げながらドラゴンを見ていると、そんな僕の様子を見てにぃ様がドラゴンが何を言っているのか通訳するようにと言われたので、僕はとりあえずそのまま訳さずドラゴンがアーバスノイヤー家について知っているようだと伝えることにした。








「…祖先にとあるドラゴンと交流を持った者がいたようだっということだけは先祖代々当主にだけ伝えられてきている。…そのドラゴンだろうか?」


『如何にも。その者とは我が生きうる限りアーバスノイヤー家を見守ると約束したのだが、近くにいては両方にとって良くない結果となろうと言うことで、我との関係は当主のみが知り離れたところより危険な状況にのみ駆け付けるということになっていたのだ。もう何百年前の話であるがな。』




ドラゴンは昔を懐かしむ様にくうを眺めながらアーバスノイヤー家と自身のことについて話してくれた。

そんな昔の約束事を今も守ってくれているのかっと驚きながらドラゴンの言葉をそのままとーさまにお伝えする。






「長きに渡りアーバスノイヤー家を見守ってくれたこと現当主であるルグノス・アーバスノイヤーより深く感謝申し上げる。」


話を聞いたとーさまはそう言うとドラゴンに深く頭を下げた。


本当は人目がある所でアーバスノイヤー家当主が頭を深く下げるところを見せることは望ましくないことだけれど、これについてワイアットがとーさまを止めることはなく、ワイアットも他の使用人も、僕とにぃ様もとーさまに習って頭を深く下げた。



ヒュー様達はこちらに背を向けて、見ていませんよーってしてくれている。





『面を上げよ。我が望んでやったことでもあるのだ。歴代の当主は皆強く、我が手を貸す必要はなかったがな。むしろこうして今、助けを乞うことになり情けない。』


ドラゴンさんの言葉をそのままの口調で通訳するのはちょっともじもじしてしまうけれど、ドラゴンの威厳の為にもそのまま伝えたほうがいいだろうとそのままお伝えする。

僕の口が『面を上げよ』と発するとばっと皆の頭が上がって、またもじもじ。




「我らにとっても重大な案件です。」

少し落ち込む様子のドラゴンさんにとーさまがそう声をかけると、ドラゴンはふっと多分笑って穏やかな声で「そうか」と言った。









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