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第2章
遠慮が見えないヒュー様とテトラ君
しおりを挟む話がまとまったところでコルダは再び姿を消し、僕達はそれぞれの迎えが到着するまで他愛もないお話をしていた。
他愛もない…とは言うが、実際は
〇〇家の〇〇が〇〇に手を出した。だとか、〇〇国の〇〇で〇〇があって処分がどうちゃらこうちゃら~っと言ったようなちょっとアレな内容ばかりだったけど…人の多い此処で堂々とお話されているのだから聞かれても問題のない話題ではあるのだろうけど、僕や近くに居た生徒達の顔は引きつっていた。
そんな中、少しの間離れていたレオが戻ってきて僕達とヒル家の迎えが到着したことが告げられた。
それと同時にノルデン家が他家の馬車と接触かあったようで馬車に破損が生じ、迎えが遅くなるようだという知らせも届いた。
「んぅ…にぃ様。テトラ君とオスカル君に家に来てもらっては駄目ですか?」
長い時間1人で此処に残すことが心配で、テトラ君も寮生だからなかなか此処から動けないみたいなので2人ともお家に来てくれたらいいんじゃない?と思ってにぃ様に確認を取る。
突然のことだから使用人達には無理をさせてしまうけど…
「そうだな。レオ。至急ハデス家とノルデン家へ連絡を。迎えの従者も当てがないようなら屋敷へ。」
にぃ様はすぐに賛成してくれてレオも直ぐに動いてくれた。
よかったよかったと安心しているとヒュー様がにぃ様の肩に笑顔全開で肘をのせた。
「俺もお邪魔させてもらおう。」
「…好きにしろ。」
どうやらヒュー様もアーバスノイヤー家に来たかったみたいで、ニコニコのヒュー様に対してにぃ様は無表情のままどうでもよさそうに返事をし肩に乗せられた肘を払った。
「あ…あの…本当にこんなに突然お邪魔してしまっていいのでしょうか?」
オスカル君が恐る恐る僕達に尋ねてくるので、僕は首を縦にブンブン振った。
にぃ様も優しく気にしないでいいと言ったことで、オスカル君は頭を下げてお礼を告げた。
「僕だけでなく、迎えの者まで気遣って頂きありがとうございます!」
そういってオスカル君が何度も頭をさげる中、テトラ君の『お邪魔します』と遠慮のない言葉に僕は苦笑いでオスカル君は信じられないものを見るような目でテトラ君を凝視した。
しかし、彼はそんな僕達の様子を気にするような人間ではない。
すぐにヒュー様に剣術を見て欲しいと願い出ている。
「…あれは露骨すぎるが、あれくらい気にしないでくれていい。」
「ぇ…あ…はい。すむません。」
図太いテトラ君に一瞬視線を向けたにぃ様は、オスカル君にそう言い、オスカル君は何も悪くないのに何故か謝ってしまっている。
でもそんなテトラ君のおかげ?でオスカル君も少し気持ちが軽くなった様子でよかった。
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