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第2章

ヒュー様の容赦ないグリグリ攻撃

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しばらく考える仕草を見せていたにぃ様がふぅっと息を吐きだして顔を上げた。


「ドラゴンがルナイスの影の中にいることを学園側は?」


「知りません。コルダがアーバスノイヤー家に転送しましたぁってお伝えしてます。今コルダが先生方に上手くご説明してくれてるかと。」



コルダなら上手いことお話してくれているはずだから、たぶんそろそろ帰ってくるんじゃないかな。




「良い判断だ。できれば魔法付与札を使い屋敷うちへ転移したいが、札を使う許可を学園側に取らないといけない。そうなるとルナイスの能力が露呈してしまう危険がある為できない。なので先ほど父上に魔法送書を送った。すぐに動いて下さるだろう。それまで耐えてくれ。」


にぃ様が心配そうに言うので、大きく頷いて全然大丈夫です!とアピールします。


僕は特にこれといって問題ないんだ。
只、ドラゴンが大変。

僕の魔力に飲まれないようにずっと防御魔法を発動している状態みたい。




『大丈夫です?』

『まだいけるぞ。』



んー…やっぱり余裕って感じじゃなさそうだなぁ。



そうだ!

閃いた僕は鞄から前にノヴァから貰っていた保護魔法付与札を取り出し、ぽいっと影の中に落としてみた。





「…おい、ルナイス。今何投げ入れた。」

じっと影を見ていると、すぐ傍からひっく~いヒュー様の声が聞こえてきて顔を上げると皆がすごく微妙な顔をして僕を見ていた。


「え?」


「え?じゃねぇーぞ。何したんだ!」


「っ…いたいぃ~!」


首を傾げる僕のコメカミに拳をギリギリしてきたヒュー様の手を必死にどかそうとするけど、ヒル家のヒュー様に敵うわけもなく…結局僕の目からどばどば涙が流れだした頃、にぃ様に救出された。





「ルナイス。今の状況で独断で行動を起こすのは危険だ。何かあった時にお前を守れなくなる。」

ヒュー様から救ってくれたにぃ様からもお叱りを受けてなるほどっと反省。



「ごべんなざぃ。」


「すごい顔になっているぞ。」



泣きながら皆に謝る僕にどん引いた顔をしながらもテトラ君がハンカチを差し出してくれた。

相変わらず容赦ない正直者である。








「それで?」

ヒュー様が落ち着いた僕を見てさきほどの説明を促す。




「ノヴァから貰っていた保護魔法付与札をぽいってしました。そしたらドラゴンさんちょっと楽になれるかなぁって。」

鼻をグスグス言わしながらも説明をするとヒュー様は納得してくれた様子でうんうんと頷いている。


「で?効果は?」


『…ドラゴンさん?』

『うむ…上手く展開できたぞ。感謝する。』



「ん。上手くいったみたいです!」



ヒュー様に聞かれてドラゴンさんに確認したら大丈夫でした!

上手くいったことと、これで更に叱られずに済むことにほっとしてちょっと声が大きくなってしまい恥ずかしい。









皆もほっとした様子だったけど、改めてにぃ様とヒュー様からこういう時に勝手な行動は止めるように注意を受けました。






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