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第2章

ノヴァの理解力に拍手

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たどり着いたのは騎士団の模擬戦闘場。


どうやらここの地下で悪鬼達を結界に封じ込めているらしい。

とーさまはまだお仕事が山盛りにあるから地上でお別れ。
ワイアットももちろんとーさまと一緒にお別れだ。



コルダはいつの間にか消えていて、馬車から降りた僕はヨハネスと一緒に戦闘場の傍にある小さな建物の小さな部屋でノヴァが来てくれるのを待つ。

僕が座る椅子には、座る前にヨハネスがハンカチを置いてくれた。
あんまし綺麗じゃないんだって。気にしないのに。









ヨハネスとお話していると扉がノックされ、ノヴァが顔を覗かせた。


「ノヴァ悪鬼達の所へ行く前に聞いてもらいたいことあるんだけど…。」

僕がそう言うとノヴァは僕が座る椅子の僕の横に座ってくれた。

すごく近距離だけど、この部屋には他に椅子が見当たらないので仕方がない。
近すぎてより目になっちゃうけど、笑わないでほしいなっと思いながら体を隣のノヴァの方へ向けてお話をする体制をとる。




「あのね、僕の推測だし、もしかしたらぁ~ってお話なんだけどね。」

とーさまも騎士さんも真剣に僕のもしかしたらぁ~話を調べてくれるって言ってくれたけど、やっぱり自信がほとんどない事だからお話を始める前に保険をかけてしまう。

もじもじする僕にノヴァはうんと頷いて、真剣に聞く姿勢。




「もしかしたら全部が全部、悪鬼じゃないんじゃないかなぁーって…。他の魔物が形を変えられてるって可能性はないかなぁ?」


「なるほど…そう思う理由は?」



僕のお話にノヴァは顎に手を当てて考えてくれている。

ノヴァの反応を見る限り、ノヴァも捉えた悪鬼達に少し違和感を感じているのかなっと思いながら問われた理由について答える為息を吸い込む。




「支配に抗おうとしている感じがした悪鬼と只苦しんでて歪な感じの悪鬼が居たなって思ったの。色々考えてて、そういえば物質を変化させる魔法があったなって思ったら…なんて言うのかな…んー……魂の形を無理やり変えられたっていうかぁ…」


「確かに過去処罰された者の中に物質変化の魔法を悪用した者がいるという記述を見たことがある。禁術だがあるにはあるな。そういった魔法が。」




どういう言葉をチョイスすれば上手く伝わるかなぁっとうんうん唸って考える僕の口からこぼれる言葉を拾ってノヴァがそう言ってくれた。

どうやら伝わってくれたみたい!ノヴァの理解力!





「聞いてもらいたい話というのは以上か?」

ノヴァに拍手を送りたい気持ちでいるとそう聞かれて、ぶんぶん首を縦に振って頷いて答える。




「うん。じゃあ悪鬼達の所へ行こう。目を覚ました悪鬼が何体かいるから確認しよう。」

そう言って立ち上がったノヴァはすっと僕に手を差し伸べる。

こういうの受けるのは本来ご令嬢なんだけどなぁっと思いながらも嫌なことではないので黙って自分の手を重ねる。



ノヴァだけじゃなく、とーさまもにぃ様もご令嬢にするようなエスコートを僕によくする。

僕ももう学園に通いだしたんだし、そろそろ控えてもらうように言った方がいいだろうか?

でも、その辺りの分別をとーさま達が分かっていない…なんてことは考えられないから、とーさま達が良しとしてやっていることならいいのかな?


僕としては人目の多い所でされると少々気恥ずかしい思いなのだけど、嫌ではないし…。


大事に思ってくれているのだなって伝わって、くすぐったいって思うけど…。







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