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第2章

ノヴァへの贈り物

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僕の好きな冬の季節がやってきた。


ルナイス・アーバスノイヤー

アーバスノイヤー公爵家次男である僕は先々月に7歳になりました。



学園に通い出すのは8歳から。
あと少しで学院生になる僕はちょっとずつ準備をしている。

にぃ様は14歳になられて、あと2年で卒業してしまうけど、2年間は同じ学院へ一緒に通えるので楽しみだ。






友人は残念ながら未だにいない。

同年代が少ないのと、居てもちょっと合わない子が多かった。


とーさまもにぃ様も無理に友人を作る必要はないと言うし、遊び相手は沢山いるので特に困ることもないので呑気にしてる。



「坊っちゃま、ノヴァ様が到着しましたよ。」

ばぁやに言われて読んでいた魔法書を机に置いて早足で応接間に向かう。

今の僕の1番の遊び相手のノヴァは今日で19歳になった。
つまり今日はノヴァの誕生日!




コンコン

僕より少し前を歩いていたメルナが扉をノックすると中から「はい」ってお返事があった。


「ノヴァ!お誕生日おめでとう!」



扉が開いた瞬間にダッシュでノヴァに飛びつく。


「熱烈だな。ありがとう。」


飛び付いた僕を難なく抱き上げたノヴァは冷静に、でも嬉しそうに笑った。

少し前から思っていたけど、19歳になったノヴァは4年前と比べて大分大人ぽくなった。


昔から大人びてはいたけど、今は顔から幼さが感じられなくなりつつある。




ノヴァにはご両親もきょうだいもいないので、3年ほど前からアーバスノイヤー家で祝っている。

ノヴァは今更祝わなくていいって言うけど、僕が祝いたいのでとーさまにお願いしたら余裕でおーけーだった。



「プレゼントがある。受け取って。」

じゃじゃーんとパケットから取り出してノヴァに見せつける箱は小さいけれど、中身は絶対にノヴァが喜ぶものだって確信してる。



ノヴァは箱の状態でも分かったのか目を少し輝かせている。



「開けてみてー」

箱をノヴァの掌に置いて開けるよう促す。



「これはルナイスのか?」


「そう!僕の魔力で作りました!」


ちょっと照れくさくて敬語になっちゃった。


僕がノヴァに贈ったプレゼントは僕の魔力で作った魔力晶。

前にお爺様が僕を使って魔力晶につくれーって騒いでたやつ。



ふと気になって調べたら魔力晶っていうのは、自然に出来るものと人工的なものがあって、魔力を使わずに魔法が使えるアイテムみたい。

魔力晶によって魔力の質が違うので、それぞれ効果も違うのだとか。



お爺様は僕の魔力で攻撃型と結界型の魔力晶を作る計画を立ててたみたい。
今はなんか捕まってるみたいで、静かだけどまた来るのかな?




まぁ、そんなことはどうでもよくて…


今回ノヴァに渡した魔力晶は闇奈落ブラックホールが使えるようになっている。


闇魔法が使えることを皆にきちんと打ち明けてから、こそこそとせずに闇魔法についてノヴァに教えてもらって勉強しているので魔法の幅が広がった。

ノヴァは全属性の魔法を使えるみたいなんだけど、闇属性と光属性については他よりも適正力が低いみたいで、あまり展開できていないみたいで、僕が闇魔法の使える幅を広げる度に興味深く観察と研究をしている。



闇奈落ブラックホールは僕が前世の記憶から


『闇魔法でブラックホール作れるんじゃ?』という思いつきからノヴァに万が一の場合に備えてもらいながらものにした魔法だ。

ノヴァも何度か闇魔法の使い手に会ったことがあるけど、初めて見たって。



作ったはいいけど、この闇奈落ブラックホールに吸い込まれたものがどうなるのかは分からない。

取り出すことはできないし、ちょっと危険な魔法である。



ちなみに、僕が考え出した~なんて言ってるが闇魔法以外の魔法は平均的なことしかできないし、光魔法に適性はなかった。

それに前世の記憶の一般的な知識を元に新たな魔法を考えてるから裏技的な感じで、少し後ろめたい気持ちだ。



「この魔術式は闇奈落ブラックホールか?」

色々考えて1人でしおっとしていると、ノヴァはさすがの質問をしてくれた。


「うん!ノヴァ研究したいって言ってたから。」


「ありがとう。最高の贈り物だ。」



目を輝かせて微笑むノヴァにぽっと頬が熱くなる。

ノヴァはとても綺麗な顔立ちをしてるし、背筋もぴんと伸びてて脚も長くてそんじょそこらにはいないイケメンさんなので、微笑みの威力がすごい。


顔面つよつよさん。



あ!

「吸い込まれないように注意してね!」

絶対!!

ノヴァ夢中になって吸い込まれそうで怖い!



「大丈夫だ。きちんと安全な環境下で研究すると誓う。」

ノヴァはキリッとしたお顔でそう言うとパッと誓約書を魔法で作り出し、サラサラーとサインして僕に渡してきた。


うん…

とーさまに預かってもらっておくね。






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