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第二章
まさか…
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彼はセックスするとき避妊をしなくなっていた。
私は毎回不安で…
でも言ったら嫌われるんじゃないか…と怖くて拒絶できなかった。
でも大事なこと。
それは私が誰よりも分かってる。
いつものように私を抱こうとした時
「こうちゃん、待って。
…ゴムつけよ? やっぱりさ、大事なことじゃん?」
「何で?付けたくない。伊織と距離を感じるから付けたくない。」
「いや…そういうことじゃなくて…」
「やだ」
そう言うと彼は避妊せずまた私を抱いた。
愛情に包み込まれたセックスは幸せだった。
彼の全部で愛を感じていた。
でも…
数週間後。
私は身に覚えがある身体の違和感を感じていた。
胸が張り、下っ腹がチクチク痛む。
まさか…
まさかだよね…
生理が5日遅れてるだけ。
よくあること。
大丈夫。
なんて…
そんなわけない。
私があの時の感覚を忘れるはずがない。
間違えるはずがない。
私の中できっと新しい命が宿っているだろう…
もう12才じゃない。
19才。
あと数ヶ月で成人だ。
この命を私は今度こそちゃんと受け止めなきゃいけない。
記憶が蘇る。
あの時一人だった。
怖くて怖くて病院に行くのが遅れた。
ちゃんと調べなくちゃ…
妊娠検査薬をその日に購入。
何も考えずすぐ検査をした。
しっかりと陽性反応。
大地…
ごめん…
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
病院に行かなくちゃ。
大地を生んだ病院には…行けなかった。
目の前まで来て、また足がすくんだのだ。
どうしよう…
先に彼に言うべきなのかも…と彼の家に向かっていた。
その途中に産婦人科が目に入った。
吸い込まれるように私はその病院に入り
「妊娠の確認をしてほしいです…」
と言っていた。
私は毎回不安で…
でも言ったら嫌われるんじゃないか…と怖くて拒絶できなかった。
でも大事なこと。
それは私が誰よりも分かってる。
いつものように私を抱こうとした時
「こうちゃん、待って。
…ゴムつけよ? やっぱりさ、大事なことじゃん?」
「何で?付けたくない。伊織と距離を感じるから付けたくない。」
「いや…そういうことじゃなくて…」
「やだ」
そう言うと彼は避妊せずまた私を抱いた。
愛情に包み込まれたセックスは幸せだった。
彼の全部で愛を感じていた。
でも…
数週間後。
私は身に覚えがある身体の違和感を感じていた。
胸が張り、下っ腹がチクチク痛む。
まさか…
まさかだよね…
生理が5日遅れてるだけ。
よくあること。
大丈夫。
なんて…
そんなわけない。
私があの時の感覚を忘れるはずがない。
間違えるはずがない。
私の中できっと新しい命が宿っているだろう…
もう12才じゃない。
19才。
あと数ヶ月で成人だ。
この命を私は今度こそちゃんと受け止めなきゃいけない。
記憶が蘇る。
あの時一人だった。
怖くて怖くて病院に行くのが遅れた。
ちゃんと調べなくちゃ…
妊娠検査薬をその日に購入。
何も考えずすぐ検査をした。
しっかりと陽性反応。
大地…
ごめん…
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
病院に行かなくちゃ。
大地を生んだ病院には…行けなかった。
目の前まで来て、また足がすくんだのだ。
どうしよう…
先に彼に言うべきなのかも…と彼の家に向かっていた。
その途中に産婦人科が目に入った。
吸い込まれるように私はその病院に入り
「妊娠の確認をしてほしいです…」
と言っていた。
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