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陣痛の苦しみ
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そんな思いも投げつけたくなるほど陣痛は辛かった。
痛いなんてレベルじゃない。
「痛い…うー…痛い…痛い!」
「頑張れ~いきまないで~赤ちゃんは自然と産まれてくるから~」
その言葉にさえ腹が立った。
どれくらいの時間が経っただろう。
先生が来て
「子宮口がまだ全開じゃないね…」
と言いながら時計を見た。
きっとすぐ近くにいるんだろう…
この子の「両親が」
どんどん激しくなる痛みに勝手に涙が出る。
叫び声をあげながら
泣きながら
何で私は一人で赤ちゃんを産んでいるのだろう…
たった一人で。
親も、愛する人も友人もいない。
私は一人。
「ゔーーーっっ…ゔゔ…」
苦しい
とにかく苦しい
痛い
意識が飛びそうになると痛みでまた意識が戻る。
その繰り返しだった。
赤ちゃん…
君も頑張ってるんだよね…
一生懸命この世に誕生しようとしてるんだよね…
ごめんね…
産むことしかできなくて…
君のそばに居てあげられなくて…
ごめんね…
「はーい!頭出ましたよー!もういきまないでー!」
ハッハッハッと短い呼吸をする。
あぁ…
生まれてくる。
会える…
そしてすぐに別れがくる。
痛いなんてレベルじゃない。
「痛い…うー…痛い…痛い!」
「頑張れ~いきまないで~赤ちゃんは自然と産まれてくるから~」
その言葉にさえ腹が立った。
どれくらいの時間が経っただろう。
先生が来て
「子宮口がまだ全開じゃないね…」
と言いながら時計を見た。
きっとすぐ近くにいるんだろう…
この子の「両親が」
どんどん激しくなる痛みに勝手に涙が出る。
叫び声をあげながら
泣きながら
何で私は一人で赤ちゃんを産んでいるのだろう…
たった一人で。
親も、愛する人も友人もいない。
私は一人。
「ゔーーーっっ…ゔゔ…」
苦しい
とにかく苦しい
痛い
意識が飛びそうになると痛みでまた意識が戻る。
その繰り返しだった。
赤ちゃん…
君も頑張ってるんだよね…
一生懸命この世に誕生しようとしてるんだよね…
ごめんね…
産むことしかできなくて…
君のそばに居てあげられなくて…
ごめんね…
「はーい!頭出ましたよー!もういきまないでー!」
ハッハッハッと短い呼吸をする。
あぁ…
生まれてくる。
会える…
そしてすぐに別れがくる。
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