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わがままは君の愛②
しおりを挟むアイスを食べ終えた俺の可愛い小悪魔ちゃんは、次の行動に移ったようだ!
『ねぇ~♡だいちゃん♡』
『次はなに?』
『口の中甘くなっちゃった!!』
『はいはい!』
決して、お茶を持って来てとか飲み物を持って来てって言わない。
これは命令でもなければ支配でもない
ただのわがままだから
それを聞くか聞かないかは俺に委ねられている!
嫌だったら動かなければいいだけ!
ただそれだけの事!
俺が動かなければそれで終わる、でも、俺はりゅうとのわがままに付き合う。
これが毎日なら、きっと俺も聞かないし嫌になってしまうかもしれない。
でも…これは、りゅうとが疲れた時や不安になった時に発動する甘えたさんモードなので、俺はそれに付き合うことにしている
冷蔵庫からお茶のペットボトルを持って来て渡した。
『ありがとう♡だいちゃんだ~い好き♡』
それに付き合っているというのは、ちょっと違っていたのかもしれない…
このありがとうに添えられている満面の笑みを見るためにわがままを叶えてしますのかもしれない。
いつもなら…だいたい…
このあたりで、『ぎゅーして』とか『ちゅーして』とか言い出すはずなのに…
『ねぇ~だいちゃん♡』
今日はまだ終わらないようだ…。
『どうした?』
『僕だけを見ててね♡』
こんな事言い出すなんて、俺なんかしたかな?
何かあった?
『うん。りゅうとのわがままだけに振り回される!!』
『なにそれ!!笑!』
りゅうとは最高の笑顔を見せた。
『おっきなベッドでいっぱいえっちしたい!!』
『がははっ!なんだそれ!』
不意をついた言葉に笑ってしまった。
『そうだな。次はおっきいベッドにしようか?』
『今がいいのっ!!』
『今…は…ちょっと…無理だな…』
さすがに…それはちょっと無理だな
『でっかいお家にだいちゃんと住みたい!』
『そうだな。あと数年経ったら、ふたりでほどほどの大きさの家に住もうか?』
『いやだ!今がいいのっ!!』
『今は…無理だな…』
いつもよりも無理難題で俺を困らせるりゅうと。
今日はどうしたの?なにかあったの?
疲れてるの?
『なんかあった?』
りゅうとの顔を覗き込んだ。
目をぎゅっと瞑って
『なにもないっ!!』
明らかに今すぐに叶えられそうもないわがままを言うりゅうと。
『今すぐには…叶えてあげられそうにない…ごめんね。りゅうと…』
りゅうとが望む全てを叶えてあげたいのに…
全てなんて叶えてあげられなくて…不安なりゅうとを癒してあげられない、自分が情けなかった。
俺はどんな顔をしていたのだろうか?
りゅうとがこっちを心配そうに見つめて、言った。
『ぎゅーってして♡思いっきりぎゅーって!』
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