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火遊び

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 こんなはずじゃなかった…。

軽い出来心で、ちょっとした火遊びのはずだった。

そうじゃなくなってしまったのは、いつからだろう。


一緒にご飯を食べて、お酒を飲んで気が付いたらベッドの上で喘がされてた。

そんなのが何回か続いて、別に付き合おうなんて言ってない。

お互いわかってる!


オトナだから!!


時々カラダを重ねるそんな関係でいい。
そんな風に思ってた。




俺よりも5つも年下のゆうと。
こいつが俺の職場にバイトとして来たことから始まった。

運送関係の仕事でふたり一組になって回る仕事で、こいつと組まされたことで俺たちの距離が近づいた。

人懐っこくて生意気で、いたずらっ子なガキだ!

昼休憩の空き時間に昼寝をしている俺の頬に、キンキンに冷えたペットボトルを押し当てる。

『ひぃ~っ!!おいっ!なにやってんのっ!』

『びっくりした?』

『おまえっ!俺の昼休み返せっ!』

このっ!クソガキっ!

そう思っていたのに…
金髪で少しチャラいのに仕事の態度は真面目で
整ったキレイな顔立ち


黙っていればきっとモテるだろう。


いつの間にか、笑顔が可愛くて
無邪気にハシャグ姿に釘付けになったり…
無性に逢いたくなったり…


遊びの範囲を越えてしまった。



『しょうさん♡』

可愛く俺の名前を呼ぶゆうと。

『なに?』



ゆうとは俺の家に出入りするようになった。

家でヤればホテル代が浮くからってゆうとが言い出したのだ。

ゆうとは、自分が来たい時に来て

俺を抱いて帰って行く。


もちろん遊びだから、気持ちを確認したことはない。

最初の頃はそんなの関係ないと思っていた。

遊びなんだから!!

気持ちなんて関係ない!そう思っていた。

もともと俺は抱かれたい側だし、抱いてくれるなら…

誰でもよかった。

この世の中でお仲間に出逢える確率はなかなかに低い!


そんな中で出逢った貴重な存在がゆうとだ。

溜まった欲を吐き出す!それだけ!


それだけの関係!


『しょうさん♡』

可愛く甘えて誘ってくるゆうと


『だからっ!なに?』


後ろから手を回されて、がっちりバックハグされる。

首筋にキスをされて、すでに期待している自分がいた。


『おいっ!離せって!暑いだろっ!』

風呂上りでビールを片手に野球を見ていた俺。

照れ隠しに放った言葉だった。


『全然っ!暑くな~い!こうしていたいんだもん♡』

くしゃっと笑う笑顔はまだまだ幼い少年の様だ。


俺の脇腹をくすぐって、いたずらを仕掛けるゆうとが可愛らしい。


期待している心を落ち着かせて平静を装う。


『かまってよ~』


『今!野球見ているから!後でな!』


そっけなく言った。

それなのに、野球の内容なんて入って来ないくらいに…
ゆうとの手の動きひとつひとつに心が揺れていた。


これから始まる甘い行為に…心が揺れていた。




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