死神のカウントダウン

28話 数字とその意味

28話　数字とその意味


頭ん中パンクしそうなまま…

何も、答えの出せないまま…

月曜日がやって来た。

気が重い…重すぎる。

どれだけ考えても、答えなんて出なくて…

りおんくんの言っていた、覚悟とやらも…出来ないまま

このまま、かずまに今日の講義で逢ったら…
きっと、今まで通り…

【なにもなかった】ことに…なるんだと思う。

ほんとにそれでいいのか？

何回も自分に問いかけても

答えはでないまま。

家を出る時間になって、鍵をかけて家を出ようとした時

『おはよっ』
お隣さんから挨拶されて

『おはようございます』
って、挨拶をした。

相変わらず、頭の上には【10】の数字

この数字よりも今は、かずやの事で頭がいっぱいでほかの事なんて考えてる余裕なかった。

でも、大学に行くと、掲示板の前に人が群がっていて、人だかりを潜り抜けて掲示板に目をやると

【1時限目　臨時休講　】

俺たちの授業やった

学生たちが話しているのが聞こえてきて

『あの先生亡くなったらしいよ』
『え？先生、先週遅刻してきたじゃん？』
『具合悪かったらしいよ』
『あ～、それで10分遅刻？』
『あの講義の2日後に亡くなったらしいよ』
『あの時、もう体調悪かったんじゃん！！』

なんて、学生の会話が聞こえてきた。
俺も、その講義取ってて、休講になって、なんだかほっと一安心。
かずまと逢わなくて済むなんて考えてた…

ん？

待てよ？

あの講義の2日後に死んだ？

あの先生…あの時、頭の上の数字…

【2】じゃなかった？

急に胸がどきどきしだす

待ってっ！
あの先生の数字…確かに【２】だった！！


そして、土曜日ニュースで見た高校生…

死んだのいつって、言ってた？

慌ててスマホでニュースを調べる

幸い高校生の名前を覚えていて、名前で検索したら、一発でひかかった。

ニュースの記事を読むと…
12日（水）の午後16時頃死亡

俺が、彼を尾行していたのが11日（火）の17時頃…

あれ…あの時の数字…
【23H】が【22H】に減って…

俺が尾行してゲームセンターを出たのが17時頃で…
頭の上の数字が【22】…になっていた

となると…
15時…？でも、死亡は16時…？
もう一度記事を読み返すと、15時ごろにカラオケ店に押し入った犯人が、高校生を刺し逃走。高校生は救急車で運ばれるも、病院にて死亡確認…。

もしかして？刺された時にはもう死んでいて、確認されたのがそれよりも後だった？

…なんて？
まさかな？

数字と…関係ないよな？

ただの偶然だよな？
そわそわして仕方がない。

数字の意味がまさか？死を表している？


ドキドキと心臓が速くなっていく

まさか？

かずまも？

あいつの頭の上の数字…

金曜日に【5】だったから…

今日は…減っているのであれば…

【2】

…あの先生は2日後に亡くなっていた。

心臓がざわざわとうるさい。
まさか？これ？

死までのカウントダウン？

そんな…そんな事…

ただの偶然が重なっただけだろ？

でも、そんな偶然が2回も重なるだろうか？

もし、これが偶然じゃないとしたら？

かずまの数字はもう【2】になっているはず…

残り2日？

あと2日で死ぬ？

まさか…？

でも、否定材料を探しても…
見つからないのに…

点と点が繋がっていくように数字と先生や高校生の死が結びついていく。

そして、不安材料だけがどんどん膨らむ

それに…かずまの異変。
夜逃げかって笑ったけど、あれがもし自分が死ぬ事をわかっていたら？
死ぬ前に、荷物の整理？

でも、自分の死なんてわかるはずない…

俺には、数字が見えるけど…
かずまにも見えているのか？

…いや、自分の頭の上の数字は見えない。
余命宣告されたとか？

えっちした時は元気そうだったし…

どこも悪いところなんて…なさそうだけど

やっぱ、数字と関係ないのか?

関係ないと信じたい!