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16話 もやもや悩む
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16話 もやもや悩む
翔side
かずまが不機嫌…というより、泣きそうな顔だった理由ばっか、考えてた。
翌朝は少し寝不足で、頭ん中ずっと『なんで?』と『俺なんかした?』が巡ってた。
ギリギリの時間に起きて、ギリギリ講義に滑り込む。
今日の教室はすごく狭くて、学生で埋め尽くされていた。
相変わらず、みんなの頭の上には【10】の数字がうかんでいる。
だいちが俺を見つけて、こっちっと手招きをして、どうにか座ることが出来た。
『おはよ、ギリギリセーフじゃん』だいちが言った。
『まぁ…』
『なんか浮かない顔してどうしたん?かずまとなんかあった?』
『えっ?なんで?』
俺は思わず目を見開いて、驚いた。だいちって、やけに鋭い時あるよな…。
ケタケタ笑うだいち。
『今日の昼、一緒に食べる?その時に聞くわ。』
と、言って教壇の前に立った先生に視線を移した。
話聞くって言われても…
なんでそうなったのかも、わからんし…かずまの機嫌悪くて…泣きそうだっただけで、そんなの放っておけばいい話。
それなのに…、気になって仕方がない自分がいて、勝手にもやもやしている。
あんな顔して欲しくない、いつもみたいに笑っていて欲しいって、思ってしまう。
…どこか、おかしい…?
どこかはわからないけど、なんかもやもやするし、なんか引っかかる感じ。
なんだコレ!!
だいちに話せばスッキリするのか?
こんな訳のわからない感情をどう説明すればいいだよ?
先生の話なんて、全く入ってこないし!!
全部アイツのせいだ!!
講義が終わって
『ちゃんと聞いてた?』
クスクスとだいちに笑われる。
『まぁ…一応…耳には入っていたけど、そのまま出て行ってた』
『だろうね。ふふっ。』
だいちが立ち上がって、
『俺、次空いてるんだけど…翔くんは?』
『ん…サボれる…』
『ははっ。じゃあ、少し早いけど、カフェかなんか行って話そうか?聞かれたくないなら、飲み物買って人が少なそうなとこ行く?』
少し考えて
まぁ…あまり…聞かれたくない訳ではないし、話もまとまってへんし…
『カフェ…行くか?』
『うん』
だいちが頷いた。
大学の裏にあるカフェは幸い空いていて、ちょうど一番奥が空いていて、そこに座った。
だいちがコーヒーで、俺はジンジャーエールを注文し、しばらくすると、コーヒーとジンジャーエールが運ばれてきて、俺達は話し始めた。
『で?なにをそんなに悩んでんの?』
だいちは、幼稚園の先生が園児に声をかけるくらいすごく優しい口調で俺に問いかけた。
んーー…
考えまとまってへんし、なんて言うたらいいかわからん…
しばし、沈黙…
だいちが
『昨日の帰り道で?』と聞いてきて
うん。と頷いた。
『俺たちの事、話してて?そうなった?』
だいちが申し訳なさそうに言うから
『だいちたちの話してたけど…それが原因とは違う気がする。俺は、今まで通りだいちと友達だしっ言ったら、かずまが翔くんならそういうと思った…みたいな事いって…』
昨日の帰り道の会話をブツブツと話し始める。
それをだいちは真剣な表情で聞き入っていた。
『かずは驚かないの?って聞いて…俺は、びっくりしたけど、かずま全然驚いてなかったから…。そしたら、何回かだいちとりおんくんが一緒に居るところ、見かけたって言って…もしかして?って思ってたからそんなに驚かなかったって言って…て…』
うんうんと頷きながら俺の話を聞いてくれる、だいち。
『それで…よくわかったなって、俺も見かけた事あるけど…全然気が付かなかったって…男同士なんて考えた事なかったからって…言って…、そしたら、かずま…不機嫌?というよりなんか泣きそうな顔してなんか、コンビニ行くとか言って、逃げてった感じ…』
だいちに視線を移すと…だいちも固まっていた。
???
ん?今の話の中に…やっぱおかしなところあった?
『ん?何?ひかっかるとこどこ?』
『…かずまの気持ちが分かったような気がする。でも、これ、言っていいのか…わかんない。』
『えっ!言っていいって!あいつならなんでも言っていいって、言うはず!!』
『ん~ん~』
腕を組んで、頭をかしげたり頭をかいたりめちゃくちゃ悩むだいち。
そんなに悩む?
『ごめん…やっぱ、これは言えない。これからのふたりの関係が変わっちゃうことだと思うし…それを、俺が言うのは…なんか違うと思うし…』
そういうと、だいちはコーヒーを一口飲んだ。
余計に、もやもやしたじゃん!!
だいちはわかるのに…
なんで、俺はわからない?
俺の方がかずまとずっと一緒に居たのに!!
もうっ!!最近こんな、もやもやばっか!
翔side
かずまが不機嫌…というより、泣きそうな顔だった理由ばっか、考えてた。
翌朝は少し寝不足で、頭ん中ずっと『なんで?』と『俺なんかした?』が巡ってた。
ギリギリの時間に起きて、ギリギリ講義に滑り込む。
今日の教室はすごく狭くて、学生で埋め尽くされていた。
相変わらず、みんなの頭の上には【10】の数字がうかんでいる。
だいちが俺を見つけて、こっちっと手招きをして、どうにか座ることが出来た。
『おはよ、ギリギリセーフじゃん』だいちが言った。
『まぁ…』
『なんか浮かない顔してどうしたん?かずまとなんかあった?』
『えっ?なんで?』
俺は思わず目を見開いて、驚いた。だいちって、やけに鋭い時あるよな…。
ケタケタ笑うだいち。
『今日の昼、一緒に食べる?その時に聞くわ。』
と、言って教壇の前に立った先生に視線を移した。
話聞くって言われても…
なんでそうなったのかも、わからんし…かずまの機嫌悪くて…泣きそうだっただけで、そんなの放っておけばいい話。
それなのに…、気になって仕方がない自分がいて、勝手にもやもやしている。
あんな顔して欲しくない、いつもみたいに笑っていて欲しいって、思ってしまう。
…どこか、おかしい…?
どこかはわからないけど、なんかもやもやするし、なんか引っかかる感じ。
なんだコレ!!
だいちに話せばスッキリするのか?
こんな訳のわからない感情をどう説明すればいいだよ?
先生の話なんて、全く入ってこないし!!
全部アイツのせいだ!!
講義が終わって
『ちゃんと聞いてた?』
クスクスとだいちに笑われる。
『まぁ…一応…耳には入っていたけど、そのまま出て行ってた』
『だろうね。ふふっ。』
だいちが立ち上がって、
『俺、次空いてるんだけど…翔くんは?』
『ん…サボれる…』
『ははっ。じゃあ、少し早いけど、カフェかなんか行って話そうか?聞かれたくないなら、飲み物買って人が少なそうなとこ行く?』
少し考えて
まぁ…あまり…聞かれたくない訳ではないし、話もまとまってへんし…
『カフェ…行くか?』
『うん』
だいちが頷いた。
大学の裏にあるカフェは幸い空いていて、ちょうど一番奥が空いていて、そこに座った。
だいちがコーヒーで、俺はジンジャーエールを注文し、しばらくすると、コーヒーとジンジャーエールが運ばれてきて、俺達は話し始めた。
『で?なにをそんなに悩んでんの?』
だいちは、幼稚園の先生が園児に声をかけるくらいすごく優しい口調で俺に問いかけた。
んーー…
考えまとまってへんし、なんて言うたらいいかわからん…
しばし、沈黙…
だいちが
『昨日の帰り道で?』と聞いてきて
うん。と頷いた。
『俺たちの事、話してて?そうなった?』
だいちが申し訳なさそうに言うから
『だいちたちの話してたけど…それが原因とは違う気がする。俺は、今まで通りだいちと友達だしっ言ったら、かずまが翔くんならそういうと思った…みたいな事いって…』
昨日の帰り道の会話をブツブツと話し始める。
それをだいちは真剣な表情で聞き入っていた。
『かずは驚かないの?って聞いて…俺は、びっくりしたけど、かずま全然驚いてなかったから…。そしたら、何回かだいちとりおんくんが一緒に居るところ、見かけたって言って…もしかして?って思ってたからそんなに驚かなかったって言って…て…』
うんうんと頷きながら俺の話を聞いてくれる、だいち。
『それで…よくわかったなって、俺も見かけた事あるけど…全然気が付かなかったって…男同士なんて考えた事なかったからって…言って…、そしたら、かずま…不機嫌?というよりなんか泣きそうな顔してなんか、コンビニ行くとか言って、逃げてった感じ…』
だいちに視線を移すと…だいちも固まっていた。
???
ん?今の話の中に…やっぱおかしなところあった?
『ん?何?ひかっかるとこどこ?』
『…かずまの気持ちが分かったような気がする。でも、これ、言っていいのか…わかんない。』
『えっ!言っていいって!あいつならなんでも言っていいって、言うはず!!』
『ん~ん~』
腕を組んで、頭をかしげたり頭をかいたりめちゃくちゃ悩むだいち。
そんなに悩む?
『ごめん…やっぱ、これは言えない。これからのふたりの関係が変わっちゃうことだと思うし…それを、俺が言うのは…なんか違うと思うし…』
そういうと、だいちはコーヒーを一口飲んだ。
余計に、もやもやしたじゃん!!
だいちはわかるのに…
なんで、俺はわからない?
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もうっ!!最近こんな、もやもやばっか!
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