死神のカウントダウン

白夜

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10話 俺、なんか変っ!

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10話 俺、なんか変っ!



翔一side




『かず…お前は要らないの?』



なんだか無性にイラついてしまった。

あんなに一生懸命ふたりで集めてた漫画なのに、ふたりで集めれば半額で済むなんて言い合いながら、あの当時発売日には欠かさずふたりで買いに行ったのに?


俺の不機嫌な声に気が付いたのか

『そういう訳じゃないんだけどっ…ほらぁ~今度は翔くんの番って事!そうそう!今度は翔くんが持っている順番!!』

なんだかイマイチ納得いかないけど…

『今、渡していい?』
『はぁ?今なの?』
『そう!今!…渡せる時に渡しておかないとっ!!』

そう言って、かずまが部屋の鍵を開けて中へ入っていった。
俺も、いつもみたいに玄関のドアをくぐって、入っていくと…。

その光景の異様さに気が付いた。

『なに?お前夜逃げでもすんの?』

『わぁ~なんだよ!中まで入ってくんなよ!』

『いいじゃん!いつもの事じゃん!』

『なにこれ?段ボールにたくさん荷物も入ってるし…』
俺は、かずやの部屋をきょろきょろと見回した。
前に来た時はそんな感じじゃなかったよな?


『あ~ん~えっと…あれ!断捨離!!俺片づけ好きじゃん!それの究極のカタチみたいな?』

『まぁ~昔から部屋キレイだったし…断捨離するほどでもない気がするけど…』

『はいっ!これ!』
紙袋2つ分の漫画を押し付けられるように渡される…

『これを家まで持って帰れと?』
ずっしりと重たい紙袋を見つめた。

『ひゃひゃっ笑!けっこうあったな!笑!翔くん家まで一緒に持っていってあげる!』

『そうしてくれ』

かずまは鍵をかけて、紙袋をひとつ抱えて一緒に俺の家に向かった。
歩きながら、あの当時ハマっていたこの漫画の話をたくさんした。
なんだか懐かしくて、すげー嬉しかった。
こんな風に昔の話をできるのもかずやだけだと思う。
あっという間に俺の家に着いて、漫画を玄関先で渡された。
『じゃあ』
『え?上がっていかないの?』
『もう帰るから!』
『上がっていけばいいじゃん?』
『いや…帰る…』

頑なに、上がって行こうとしないかずまに、だんだんイラついてきて…

『上がっていけって!!』
『いやだっ!帰るっ!!』

こんな意味の分かんないやり取りを数分して…
別に俺を納得させなくても、そのまま帰ればいいのに…
それをしないのは、かずやが優しいから。

だから、俺はそれをいつも利用させてもらっとる!!

『腹減ったから!お前のメシ食いたい!!』

『はぁ?そんな事一言も言って無かったじゃん?』

『今、腹減って来たの!かずまのパスタが食いたい!俺、ニンニク多めで~』

かずまは
『はぁ~』っと、大きくため息をついて渋々俺の家に上がった。
昔よく作ってくれたペペロンチーノ!!
かずまのペペロンチーノは絶品だ!
大学に入ってからも、何回か俺の家で作ってもらった。


『材料あるの?』
『無くても、お前なら大丈夫だろ?』
『材料なくちゃ、作れないって!!』

冷蔵庫や食品が置いてあるところをひとしきり見て…
『肝心なニンニクないって!!カルボナーラならいけるけど…』

『それでいいや』

手際よく料理を作り始めたかずま。
『かずも食ってけよ!』
『俺はいいよ!帰る』

『いいだろ!どうせ家帰って作るなら、ここで済ませればいいじゃん!』

かずまはまた、ため息をついて仕方なく返事をした
『わかった…』

そんなに俺と居るのいやなの?
なんか最近めっちゃ俺と居るの嫌がるじゃん!
なんか、それ…傷つくんですけど…。
テーブルを挟んで向かい合わせでパスタを食べた。
『さすがっ!美味いっ!』

幸せな美味しさに顔が緩む。

その俺の顔を見て、嬉しそうにするかずま。

っ//////
なんか…昔と雰囲気違う!!
変に落ち着いてるし、よく見たら…
なんか…手とかデカくて…そんなだったっけ?

その手で…俺、背中擦られてた…

っ//////

なんか急に思い出してっ///

『どうしたの?顔赤いけど?熱?大丈夫?』
かずまの手が俺の額に触れた
『っちゃっちがうっ!食べたから…熱くなっただけっ!…もういいって!!』

かずまの手を振り払った。
『じゃあ、早く食べて!冷めちゃうよ』

かずまは、何事もなかったみたいにまた食べ始めた。

なんなのっ!
なんか…調子狂うって!!
お前がキスとかするからだろっ!!

なんか、変に意識して…なんか手とか気になるし!!
それなのに、お前は全然気にしてないしっ!!


そこもなんかイラつくぅ~!!


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