死神のカウントダウン

8話 高校時代と新たらしい数字

8話　高校時代と新しい数字


翔一side



キスの意味も数字の意味もわからない事だらけで、頭ん中パンクしそうだった。

講義が終わると、かずまは

『俺やらなくちゃいけない事があるからっ』
そう言って、帰っていった。

『なんか最近忙しいみたいよ』
だいちが言った。

『なんで？』

『知らないけど…なんかあるんじゃないの？』

『なんかって？』

『自分で聞けばいいじゃん！俺が聞くよりいいと思うよ』
聞けるなら聞いてるっつーの！！

小さい頃なんて、なんでも話してくれたのに…
高校受験の少し前くらいから、なんか俺を避けてるっていうか…そんな感じやった。

『なぁ？かずまってさ…高校の時どんなだった？』
クスクスと笑い出すだいち。

『どんなってなによ？』

『彼女とか…いただろ？』
俺はなんでこんな事聞いてるんだろって思ったけど…なぜか知りたかった。
たぶん、昨日キスをしてしまったから。

『う～ん…告白されて、何回か他に好きな人いるから付き合えないって断ってたけど…その子が他に好きな人いてもいいって言って、付き合い始めたんだよ。』

『ふ～ん』
聞いておいてなんだけど、あんま聞きたい話やじゃ無かった。

ってか、好きな人いるの？
初耳だし、俺にはそんな事聞いてない！

『ずっとその人が好きで、でも絶対に両想いになることはないからって言ってた。俺もそれが気になってたけど、大学入ってすぐにわかったけどね！なるほどって！ふふっ。』

『誰？俺も知ってる人？』

『クスクスっ…ほんまに翔くんって可愛いっ！』

『はぁ？全然可愛くね～よ！で、俺も知ってる人なのかって？教えろって！』

『聞いてみればいいじゃん本人に！』

聞いても教えてくれないもん！

高校受験の時みたいに、ふわぁ～と誤魔化されて終わり！

『言っとくけど、彼女いたの3～４か月くらいだから！しかも、最後フラれてたし！ははっ。』

『そうなんや…』

『翔くんはどうなの？彼女いたこととかある…わけないか！』

『はぁ？デートとか女の子としたことあるしっ！…でも、…なんか…楽しくなくて…楽しいのはかずまや男友達と遊んでいた方が楽しいし、なんか…違うなって…女の子優しかったけど、かずまの方が気が利くし、一緒におると楽やし、アイツおかんみたいでなんか安心するし…』

『かずまと比べてんの？』

『別に比べてないけどっ!』
なんかあいつが浮かぶっていうか…


『なるほど…どっちもどっちだからか。なかなか進まないわけだわ！もう一回ちゅーしてみれば？気になってるんでしょ？キスの意味、今度は翔くんからしてみたら？キスした意味わかるかもよ？』

『だいちゃ～ん』遠くで可愛らしい男の子がだいちを呼んでいた。

だいちはその男の子に向って大きく手を振って、
『ごめん！俺、これからりおんとメシだから！またね～』

嬉しそうに去っていった。


俺からキスしてみろって？
そんな事できるかっ！！
それに、キスなんてしたことないんだから…どうやってキスしたらいいか…わかんないしっ！！

あ…キスしたか…
かずまとキスしたけど！あれは、されたっていうか…奪われた的な？そういうヤツだから…わかんないし…

でも、キス…悪くなかった。



講堂を出て、家に向かっていると

突然目に飛び込んで来た見慣れない数字。

【23H】

少しづつ見慣れ初めていた数字にまた新しいやつが出て来た！！

なにっ？

すれ違う高校生の頭の上に【23H】
今まで見たこともない数字が気になって、思わずその高校生の後をつけた。


その新たな数字が、気になって体が勝手に動いてた。