死神のカウントダウン

6話 どうしてくれんの？

6話　どうしてくれんの！！

翔一side



『おやすみ』


そう言ってか和真が俺の部屋をでた。



バッと起き上がって唇を指でなぞる…

『はぁ？なんなん？』

一気に目が覚めた。


キス…したよな？
俺のファーストキスだったんだぞ！！

どうしてくれんの！

俺のファーストキス返せ！！

遊んでいる風に見えとるかもしれないけど…

まだ、キスしたことなかったんだぞ！！


何人かデートしたけど、なんかちがうって思って…
好きになった子としようと思って大切にとっておいたんだぞ！！


どうしてくれんの！！


………でも…嫌じゃなかった…かも…？

なんなら…もう一回…してみたいかも？


なんて思ってしまって…


慌てて頭をぶんぶんと振った！


『違う！違う！俺の初めて返せ！！』

…なんて、言えない…よな


大学生だし、みんなキスの一つや二つ…いや、それ以上ヤってるし。


俺だって好きな子さえできればキスくらいしてたしっ！


なんか好きになれなかっただけだし、和真や男友達と遊んでた方が楽しかったってだけ！！


…っ//////


明日、どんな顔して逢ったらいいのぉ～！！

…でも、あいつは俺が寝てたって思ってるんだから…


普通の顔したらいいのか？


っってか！

あのキスなんなんだよっ！


お酒飲んだから？キスしたくなったってこと？

それとも俺誘った？

…いや…服脱がせてって言ったような気はするけど…

キスして…とは言うてない！！

女の子と間違えた？

…間違える訳あるかっ！！

胸もないし。俺の背中擦っとったし、明らかにカラダ男やだよな！！

え？

どういうキス？

何のキス？


…おやすみのキス？

お母さんがこどもにするヤツか？

…ちゅっ♡ってやつ？

…いや…なんか違うううよな…。

だって…なんか…柔らかかったし…ちょっと気持ちいいって感じだったし…

なんなら…もっと…っ///て俺！なに考えてんの！！

シャワーを浴びて、全て流し去ろうと思ったけど…

唇に残った柔らかな感触だけは、流し去ることが出来なかった。




次の日、痛い頭を抱えつつ、いつもみたいに、お隣さんに挨拶をして、お隣さんの頭の上の【10】を見上げた。

まだある…。

この数字…なんだよ！
数字の意味が分からん。コレなんかの分類なのか？

講義室に入ると学生の賑やかな声が頭に響いた。
『痛っ…』

『大丈夫？』
大地が後ろから来て、一緒に席に着いた。
大地の頭の上にもやっぱり【10】が浮かんでいた。



『まぁ…なんとか…』

『あんまり飲まない丈くんが珍しかったやん。
でも、サワー2杯であれやもんね！可愛いわ！！』


大地がにっこりと笑った。

『可愛い？俺が？』

『丈くんって可愛いと思う！なんか…やる事とか？少年ぽいっていうか…』

『おいっ！バカにしてるんか？』

『そうじゃないよ！天真爛漫みたいな！』

…経験豊富そうな大地なら、あのキスの意味が分かるかもしれないって思った。

『なぁ…だいち？…キスってどんな意味？』

『え？キスの意味？』

『そう…キス…する…意味…///』


『ははっ！なにそれ！キスする意味なんて好きだからに決まってるだろ？』

『っ//////好きだから…？』


『嫌いな人とちゅーしないだろ？』


…いや…誰ともしてないしっ！！

『まぁ…ヤる前にキスしとく？みたいな感じもあるけど…嫌いな子とはえっちもしないし！まぁこの子ならええかってあるじゃん！』

いや…待て待て！益々わからん！！

こいつに聞いた俺がアホだった！


…キス…

好きやからに決まってる？

…って、かずやが？俺の事を？