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46話 このキスが意味するものは?
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46話 このキスが意味するのは
透弥side
広島での2公演目のことだった。
前日じゅんくんと一緒にお好み焼き食べて、キスをした。
なんか恋人みたいなキスをして、一緒にお好み焼き食べて、それがなんだか当たり前みたいで心地よかった。
雪と一緒に居る時とはなんだか違う。
なぜだろう?
昔から、じゅんくんと一緒にいると落ち着いて、会話なんて無くても平気だけど、話し出すと止まらない、そんな雰囲気もすごく好きだった。
顔色の悪かったじゅんくんも、ご機嫌になって次の日の昼公演も元気な姿が見られて、なんだか嬉しかったのに…
昼公演が終わると、いつも休憩に医務室へ向かうじゅんくんが、今日に限って全然医務室に向かわない!!
何してんの?
みんなとおしゃべりしたり、ケータリング食べたり…そんな事してる場合じゃないだろ?
いくら体調がいいって言ったって、全然顔色良くないし!!
早く、医務室いってキスした方がいいだろ!!
そんな俺の気も知らずに、じゅんくんはみんなと楽しくおしゃべりしてた。
そして、夜公演が始まるほんの少し前に、その体調の悪さに気が付いたのか、慌ててトイレに向かうじゅんくん。
だから、言わんこっちゃない!!
なんで、大人しく医務室行かなかったんだよ!!
壁にもたれるように歩くじゅんくんを追っていって、抱きかかえてキスをした。
どうしようもないくらいに心配で、いても経ってもいられなかった。
ここが廊下だってそんなのかまっていられないくらいに、じゅんくんの事だけ考えて、目の前の崩れていくじゅんくんを助けたかった。
ただその一心でキスをしてた。
それなのに、キスをした後に、ここがどことか、ごちゃごちゃ煩く文句をいうじゅんくんに
『黙ってキスされてろっ!!』
俺は言い放った。
そんな事言ってる場合じゃないだろ?
自分の体調の悪さくらいわかるだろ?
今は、そんな事いってられないくらいに体調わるいんだろ?
ぐったりするじゅんくんとのキスは、もう何度目だろうか?
じゅんくんを癒すためのキスを何度も繰り返した。
じゅんくんも、キスすると楽になるってわかっているせいか、俺がキスしても何も言わない。
普通友達にキスされたら止めろっていうよな?
…いや、友達にキスされる状況がまずないのか?
俺の腕の中でキスで蕩けた顔するじゅんくんに、何とも言えない感情になる。
なんだよ…これ。
自分で自分がわからない。
キスをすればするほどにわからなくなる。
キスをしているのは、じゅんくんを救う為…
なのに…なぜか、それだじゃ言い表せない感情が胸の中でもやもやと胸を締め付ける。
雪とはキスしないのに?
なぜだろう…。
雪にキスをせがまれても、キスをする気にはなれなかった。
嫌いじゃない、可愛い後輩、好きか嫌いかなら好きだ!
雪の事が好きだ。
可愛くて、少し生意気なトコロもあるけど、それもまた可愛らしいの藩中だ!
だから付き合ってもいいと思った。
でも、キスしていいのか…正直わからない。
キスしたいと思ったことは、正直一度も無い。
雪とのキスは迷うのに、じゅんくんにするキスに迷いはない。
じゅんくんを救う為のキスに、他の意味はないと思っていた。
日に日に弱っていくじゅんくん、ついにふたりで踊るカンパニュラの振付さえも変更せざるを得なくなっていた。
大輝とじゅんくんが、振付けの屋良さんの所へ行った時、俺はその話を聞いてしまった。
『すみません。もう、元の振りで踊ることが難しいんです。苦恋花病なんです。』
じゅんくんは屋良さんにそれを打ち明けた。
じゅんくんのその言葉に、改めてショックを受けている自分がいた。そうだろうとは思っていたけど、知っていたし、だからキスだってしてじゅんくんの症状を癒せたらとも思っていたはずなのに…。
じゅんくんの声で聞くその病名に、大きなショックを隠し切れなかった。
膝から、崩れ落ちてしまいそうだった。
それからはより一層、じゅんくんが気になった、本番じゅんくんと踊るカンパニュラは特に
じゅんくんの様子が気になって仕方がなくて、このまま倒れたり、俺の隣にいなくなってしまうのが怖くて、じゅんくんから目をはなすことができなかった。
本番中、ふたりで踊るカンパニュラの時、ふらふらとするじゅんくんを抱きかかえて、ステージ袖にはけた。
そのまま、衣装ブースへ隠れる様に、紛れ込んで…衣装に隠れてキスをした。
もう、ただじゅんくんにキスしたいだけだったのかもしれない。
ふらふらと力なく踊るその姿、それでもステージに立っていたいと言う思いに、俺の心が揺れていた。
俺の傍から居なくならないで欲しい。
抱き締めて、キスしなければ消えてしまうそうな儚いじゅんくんを、キスで繋ぎ止めてぎゅっとこの腕の中に留まらせた。
その、一心だったかもしれない
じゅんくんが、絞り出したような小さな声で言った
『お前と踊りたい』が、やけに胸に刺さった。
俺も、同じ気持ちだ。
一緒にカンパニュラを踊るんのはじゅんくんしかいない!
他の誰でもない、じゅんくんとじゃなきゃ、だめなんだ!!
甘くて優しい、まるで夢のようなキスだった。
癒すためのキスと呼ぶには、あまりにも甘くて、胸が苦しくなるほどに、優しいキスだった…。
そのキスを今でも覚えている。
じゅんくんの症状は、たくさんキスをしてもあまりよくならなくなっていった。
気が付いていたのだろうか?
症状が悪化しているということに?
この時の俺は、どうしたらいいのかもわからず、自分の中の感情がなんなのか?
どんな風にじゅんくんを見ていたのかさえ、わかっていなかった。
透弥side
広島での2公演目のことだった。
前日じゅんくんと一緒にお好み焼き食べて、キスをした。
なんか恋人みたいなキスをして、一緒にお好み焼き食べて、それがなんだか当たり前みたいで心地よかった。
雪と一緒に居る時とはなんだか違う。
なぜだろう?
昔から、じゅんくんと一緒にいると落ち着いて、会話なんて無くても平気だけど、話し出すと止まらない、そんな雰囲気もすごく好きだった。
顔色の悪かったじゅんくんも、ご機嫌になって次の日の昼公演も元気な姿が見られて、なんだか嬉しかったのに…
昼公演が終わると、いつも休憩に医務室へ向かうじゅんくんが、今日に限って全然医務室に向かわない!!
何してんの?
みんなとおしゃべりしたり、ケータリング食べたり…そんな事してる場合じゃないだろ?
いくら体調がいいって言ったって、全然顔色良くないし!!
早く、医務室いってキスした方がいいだろ!!
そんな俺の気も知らずに、じゅんくんはみんなと楽しくおしゃべりしてた。
そして、夜公演が始まるほんの少し前に、その体調の悪さに気が付いたのか、慌ててトイレに向かうじゅんくん。
だから、言わんこっちゃない!!
なんで、大人しく医務室行かなかったんだよ!!
壁にもたれるように歩くじゅんくんを追っていって、抱きかかえてキスをした。
どうしようもないくらいに心配で、いても経ってもいられなかった。
ここが廊下だってそんなのかまっていられないくらいに、じゅんくんの事だけ考えて、目の前の崩れていくじゅんくんを助けたかった。
ただその一心でキスをしてた。
それなのに、キスをした後に、ここがどことか、ごちゃごちゃ煩く文句をいうじゅんくんに
『黙ってキスされてろっ!!』
俺は言い放った。
そんな事言ってる場合じゃないだろ?
自分の体調の悪さくらいわかるだろ?
今は、そんな事いってられないくらいに体調わるいんだろ?
ぐったりするじゅんくんとのキスは、もう何度目だろうか?
じゅんくんを癒すためのキスを何度も繰り返した。
じゅんくんも、キスすると楽になるってわかっているせいか、俺がキスしても何も言わない。
普通友達にキスされたら止めろっていうよな?
…いや、友達にキスされる状況がまずないのか?
俺の腕の中でキスで蕩けた顔するじゅんくんに、何とも言えない感情になる。
なんだよ…これ。
自分で自分がわからない。
キスをすればするほどにわからなくなる。
キスをしているのは、じゅんくんを救う為…
なのに…なぜか、それだじゃ言い表せない感情が胸の中でもやもやと胸を締め付ける。
雪とはキスしないのに?
なぜだろう…。
雪にキスをせがまれても、キスをする気にはなれなかった。
嫌いじゃない、可愛い後輩、好きか嫌いかなら好きだ!
雪の事が好きだ。
可愛くて、少し生意気なトコロもあるけど、それもまた可愛らしいの藩中だ!
だから付き合ってもいいと思った。
でも、キスしていいのか…正直わからない。
キスしたいと思ったことは、正直一度も無い。
雪とのキスは迷うのに、じゅんくんにするキスに迷いはない。
じゅんくんを救う為のキスに、他の意味はないと思っていた。
日に日に弱っていくじゅんくん、ついにふたりで踊るカンパニュラの振付さえも変更せざるを得なくなっていた。
大輝とじゅんくんが、振付けの屋良さんの所へ行った時、俺はその話を聞いてしまった。
『すみません。もう、元の振りで踊ることが難しいんです。苦恋花病なんです。』
じゅんくんは屋良さんにそれを打ち明けた。
じゅんくんのその言葉に、改めてショックを受けている自分がいた。そうだろうとは思っていたけど、知っていたし、だからキスだってしてじゅんくんの症状を癒せたらとも思っていたはずなのに…。
じゅんくんの声で聞くその病名に、大きなショックを隠し切れなかった。
膝から、崩れ落ちてしまいそうだった。
それからはより一層、じゅんくんが気になった、本番じゅんくんと踊るカンパニュラは特に
じゅんくんの様子が気になって仕方がなくて、このまま倒れたり、俺の隣にいなくなってしまうのが怖くて、じゅんくんから目をはなすことができなかった。
本番中、ふたりで踊るカンパニュラの時、ふらふらとするじゅんくんを抱きかかえて、ステージ袖にはけた。
そのまま、衣装ブースへ隠れる様に、紛れ込んで…衣装に隠れてキスをした。
もう、ただじゅんくんにキスしたいだけだったのかもしれない。
ふらふらと力なく踊るその姿、それでもステージに立っていたいと言う思いに、俺の心が揺れていた。
俺の傍から居なくならないで欲しい。
抱き締めて、キスしなければ消えてしまうそうな儚いじゅんくんを、キスで繋ぎ止めてぎゅっとこの腕の中に留まらせた。
その、一心だったかもしれない
じゅんくんが、絞り出したような小さな声で言った
『お前と踊りたい』が、やけに胸に刺さった。
俺も、同じ気持ちだ。
一緒にカンパニュラを踊るんのはじゅんくんしかいない!
他の誰でもない、じゅんくんとじゃなきゃ、だめなんだ!!
甘くて優しい、まるで夢のようなキスだった。
癒すためのキスと呼ぶには、あまりにも甘くて、胸が苦しくなるほどに、優しいキスだった…。
そのキスを今でも覚えている。
じゅんくんの症状は、たくさんキスをしてもあまりよくならなくなっていった。
気が付いていたのだろうか?
症状が悪化しているということに?
この時の俺は、どうしたらいいのかもわからず、自分の中の感情がなんなのか?
どんな風にじゅんくんを見ていたのかさえ、わかっていなかった。
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