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43話 友達だから言って
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43話 友達だから言って
透弥side
ゴミ箱に捨てられた、青い花びらを見てしまった。
見てはいけないものを見てしまったような、そんな胸のザワザワ感に戸惑う。
それも結構な量の花びらが捨てられていた…
どういう事?
なぜかわからないけど、胸が騒いだ。
たかが、花びらくらいで…
それなのに、なぜかざわざわと胸が鳴る。
なに?この感じ?
俺はわけのわからない不安に襲われて、眠っているじゅんくんに抱き着いた。
まるでわけがわからない…。
これはどういう事なの?
それでも、なんだかじゅんくんを抱きしめなくちゃいけない気がして
じゅんくんを強く抱きしめた。
今思えば…この頃から、俺はじゅんくんの事が気になっていいたのかもしれない。
何とはわからないけど、とにかくいつもと様子の違うじゅんくんが気になってて、雪が俺に甘えたいのも、気が付かないくらいに、俺の頭の中はじゅんくんでいっぱいだった。
そして、宮城では、俺と大輝が同じ部屋で、雪とじゅんくんが一緒の部屋だった。
突然、雪が、じゅんくんが体調が悪いと言って、大輝に連絡してきて、大輝は慌てて、雪とじゅんくんの部屋へ向かった。
俺に雪を見ててって言って、俺がじゅんくんの部屋に行こうとしたら、すごい剣幕で叱られて、仕方がないから雪と俺たちの部屋で待っていた。
雪が不安そうな顔して、
『じょうくん…ずっと、吐いててっ…大丈夫かな…』ただならぬ雰囲気を雪からも感じ取った。
『うん、大丈夫。きっと…大丈夫』って、言ったけど…
その言葉は、きっと、不安で仕方がない自分に向けて言った言葉なんだと思う。
俺の不安はそれだけには留まらなくて、震える手でじゅんくんの症状をこっそり検索した。
【吐く】【体調不良】
こんなの検索したところで、たくさん病名が出て来て、何の病気かなんて全くわからない
なにひとつピンと来なくて…
もう一度、頭の中を整理して
浮かんだ言葉は【花びら】だった。
あの、真っ青な花びらが脳裏に浮かんで、【花びら】を追加した
すると【苦恋花病】と、出て来た。
胸がぞわぞわして、煩い。
ドキドキと心臓が何かを知らせていた。
花びらを見つけたのは…偶然じゃない?
もし、じょうくんが吐いているのが、花びらだとしたら?
ひとつずつ繋がってしまう状況に戸惑った。
俺でもその病名は知っている。
最近流行っている、病で、片思いの人が罹るって…何人も死者を出して、治療法も見つかっていない、不治の病。
仮に、じゅんくんが【苦恋花病】だとしたら…
じゅんくんが片思い?
誰に?
そんな話は聞いたことがない?
じゅんくんの好きな人…?って?
長い間一緒に居るけど、そんな話聞いたこと無い!!
しばらくすると、大輝が戻って来た。
『じゅんくんは?』
大輝に問いかけると
『今、眠った』
大輝はベッドに腰かけて、俯いて言った。
俺は、少し疲れている様子の大輝に
『雪も眠ってる。少し、じゅんくんの様子見に行ってもいいかな?』って、聞いた。
さっき調べた、【苦恋花病】かを調べたかったから。
『寝てるから、静かにね…それと…』
大輝は、雪が眠っているのを確認すると
『少し、カラダ擦ってあげると…違うかも?』
ん?なんで?
そう思ったけれど、すぐにじゅんくんの所に行きたかったから
『わかった』と告げて、じゅんくんの部屋へ向かった。
俺は大輝がなんでそんな事言ったのか、わからなかった。じゅんくんの部屋へ行くと、じゅんくんはまだ眠っているみたいで、でも、顔色が悪いのは目に見えてて…
苦しそうな表情のままで眠っていた。
でも、それだけじゃ【苦恋花病】かどうかはわからない。
眠っているじゅんくんを眺めても、結局わからないままだった。
なんで?
じゅんくんは苦恋花病なの?
眠っているじゅんくんの唇に触れた。
じょうくんが苦恋花病なら、一体誰に片思いしてるのだろう?
じゅんくんの事なら、なんでも知ってると思ってた…
俺の知らないじゅんくんがいる…
眠っている、じゅんくんがやたらと愛おしく思えた。
しばらくじゅんくんを見つめていたら、じゅんくんがぼんやりと目を覚ました。
なんだかほっとして、目の前のじゅんが愛おしく思えた。
じゅんくんの瞳に吸い込まれるように、見つめ合った。それから、青白い頬に触れると、じゅんくんが俺の手に手を重ねて、その手は白く冷たくて…胸が苦しくなった。
じゅんくんの頬に触れていたら、不思議なことにじゅんくんの顔色が徐々に良くなって、もう…じゅんくんしか見えなくなってた。
色付き始めたその唇に引き寄せられるように、そっと唇を重ねた。
じゅんくんはふっと微笑んでまた、瞼を閉じた。
自分でもわからないけど、なぜかキスしたくなって、雪のキスは断ったのに…
なぜだろう?
ガチャっとドアが開く音がして、振り返ると雪がいた。
『雪、起きたの?』声をかけると
『うん、じゅんくん…大丈夫かな?』
って、じゅんくんを心配そうにのぞき込んでた。
大丈夫だよと告げて、俺は自分の部屋に戻った。
それからは、じゅんくんの事が気になって仕方なかった。
じゅんくんの体調は俺から見ても、どんどん悪くなっていて、しかも、じゅんくんは俺じゃなくて、大輝に色々話しているみたいで、なんだか胸の奥がもやもやしてしかたがなかった。
俺に言ってくれないのも、なんだか許せないし…
なんで、俺を頼ってくれないのか、不思議でしかたなかった。
ずっと一緒にやって来た、親友だろ?
なんでも話して欲しい。
透弥side
ゴミ箱に捨てられた、青い花びらを見てしまった。
見てはいけないものを見てしまったような、そんな胸のザワザワ感に戸惑う。
それも結構な量の花びらが捨てられていた…
どういう事?
なぜかわからないけど、胸が騒いだ。
たかが、花びらくらいで…
それなのに、なぜかざわざわと胸が鳴る。
なに?この感じ?
俺はわけのわからない不安に襲われて、眠っているじゅんくんに抱き着いた。
まるでわけがわからない…。
これはどういう事なの?
それでも、なんだかじゅんくんを抱きしめなくちゃいけない気がして
じゅんくんを強く抱きしめた。
今思えば…この頃から、俺はじゅんくんの事が気になっていいたのかもしれない。
何とはわからないけど、とにかくいつもと様子の違うじゅんくんが気になってて、雪が俺に甘えたいのも、気が付かないくらいに、俺の頭の中はじゅんくんでいっぱいだった。
そして、宮城では、俺と大輝が同じ部屋で、雪とじゅんくんが一緒の部屋だった。
突然、雪が、じゅんくんが体調が悪いと言って、大輝に連絡してきて、大輝は慌てて、雪とじゅんくんの部屋へ向かった。
俺に雪を見ててって言って、俺がじゅんくんの部屋に行こうとしたら、すごい剣幕で叱られて、仕方がないから雪と俺たちの部屋で待っていた。
雪が不安そうな顔して、
『じょうくん…ずっと、吐いててっ…大丈夫かな…』ただならぬ雰囲気を雪からも感じ取った。
『うん、大丈夫。きっと…大丈夫』って、言ったけど…
その言葉は、きっと、不安で仕方がない自分に向けて言った言葉なんだと思う。
俺の不安はそれだけには留まらなくて、震える手でじゅんくんの症状をこっそり検索した。
【吐く】【体調不良】
こんなの検索したところで、たくさん病名が出て来て、何の病気かなんて全くわからない
なにひとつピンと来なくて…
もう一度、頭の中を整理して
浮かんだ言葉は【花びら】だった。
あの、真っ青な花びらが脳裏に浮かんで、【花びら】を追加した
すると【苦恋花病】と、出て来た。
胸がぞわぞわして、煩い。
ドキドキと心臓が何かを知らせていた。
花びらを見つけたのは…偶然じゃない?
もし、じょうくんが吐いているのが、花びらだとしたら?
ひとつずつ繋がってしまう状況に戸惑った。
俺でもその病名は知っている。
最近流行っている、病で、片思いの人が罹るって…何人も死者を出して、治療法も見つかっていない、不治の病。
仮に、じゅんくんが【苦恋花病】だとしたら…
じゅんくんが片思い?
誰に?
そんな話は聞いたことがない?
じゅんくんの好きな人…?って?
長い間一緒に居るけど、そんな話聞いたこと無い!!
しばらくすると、大輝が戻って来た。
『じゅんくんは?』
大輝に問いかけると
『今、眠った』
大輝はベッドに腰かけて、俯いて言った。
俺は、少し疲れている様子の大輝に
『雪も眠ってる。少し、じゅんくんの様子見に行ってもいいかな?』って、聞いた。
さっき調べた、【苦恋花病】かを調べたかったから。
『寝てるから、静かにね…それと…』
大輝は、雪が眠っているのを確認すると
『少し、カラダ擦ってあげると…違うかも?』
ん?なんで?
そう思ったけれど、すぐにじゅんくんの所に行きたかったから
『わかった』と告げて、じゅんくんの部屋へ向かった。
俺は大輝がなんでそんな事言ったのか、わからなかった。じゅんくんの部屋へ行くと、じゅんくんはまだ眠っているみたいで、でも、顔色が悪いのは目に見えてて…
苦しそうな表情のままで眠っていた。
でも、それだけじゃ【苦恋花病】かどうかはわからない。
眠っているじゅんくんを眺めても、結局わからないままだった。
なんで?
じゅんくんは苦恋花病なの?
眠っているじゅんくんの唇に触れた。
じょうくんが苦恋花病なら、一体誰に片思いしてるのだろう?
じゅんくんの事なら、なんでも知ってると思ってた…
俺の知らないじゅんくんがいる…
眠っている、じゅんくんがやたらと愛おしく思えた。
しばらくじゅんくんを見つめていたら、じゅんくんがぼんやりと目を覚ました。
なんだかほっとして、目の前のじゅんが愛おしく思えた。
じゅんくんの瞳に吸い込まれるように、見つめ合った。それから、青白い頬に触れると、じゅんくんが俺の手に手を重ねて、その手は白く冷たくて…胸が苦しくなった。
じゅんくんの頬に触れていたら、不思議なことにじゅんくんの顔色が徐々に良くなって、もう…じゅんくんしか見えなくなってた。
色付き始めたその唇に引き寄せられるように、そっと唇を重ねた。
じゅんくんはふっと微笑んでまた、瞼を閉じた。
自分でもわからないけど、なぜかキスしたくなって、雪のキスは断ったのに…
なぜだろう?
ガチャっとドアが開く音がして、振り返ると雪がいた。
『雪、起きたの?』声をかけると
『うん、じゅんくん…大丈夫かな?』
って、じゅんくんを心配そうにのぞき込んでた。
大丈夫だよと告げて、俺は自分の部屋に戻った。
それからは、じゅんくんの事が気になって仕方なかった。
じゅんくんの体調は俺から見ても、どんどん悪くなっていて、しかも、じゅんくんは俺じゃなくて、大輝に色々話しているみたいで、なんだか胸の奥がもやもやしてしかたがなかった。
俺に言ってくれないのも、なんだか許せないし…
なんで、俺を頼ってくれないのか、不思議でしかたなかった。
ずっと一緒にやって来た、親友だろ?
なんでも話して欲しい。
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