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7話 綺麗な花を咲かせる運命
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7話 綺麗な花を咲かせる運命
惇希side
『だいじょう…ぶって…これって?…もしかして?』
って、すぐに俺に駆け寄って来たのは、大輝だった。
あぁ…バレちゃった?
『じゅんくんっ!コレって?…そうだよね?間違いなく…あれだよね…』
『う゛っ…うぇっ…おぇッ///』
治まらない吐き気に、たくさんの花びらを吐き出す。胸が痛い…苦しいっ…
大輝が背中を擦ってくれるけど、全然治まらない吐き気に涙が溢れた。
『じゅんくんっ…今、ふじさん呼んでくるっ』
って、行こうとした大輝の手をどうにか掴んで
『言うなっ!!絶対に言うな!』
声を張り上げた
『はぁ?だって…これ…苦恋花病の症状だろ?…相手はもちろんふじさんだろ?』
『…なんで…とうやってっ…ゴホっ…わかった?』
片思いの相手言い当てられて、戸惑っていると
『そんなの、見てればわかるだろ?気が付いてないのは本人くらいだよ!!』
『いいから…ゴホっ…うっ…言うなよ!!絶対にっ、ゴフォっ、言うなっ!!』
『でもっ…いつから…?』
心配そうに俺を見る大輝の瞳に、涙が滲んでいた。
『雪と…透弥が…付き合って、少ししてから…花びらを…吐いた…』
『なんで!早く言わないんだよ!!』
大輝はイラついている様子で俺に言った
『言えるわけ…ないだろ…?雪、あんなに喜んでて…嬉しそうだったんだから。』
雪が付き合うことになったと報告してくれた時の事を思い出していた。
『そういう事じゃないって!なんで、雪より先にふじさんに好きって言わなかったのかってことだよ!!』
俺の背中を擦る手に力が入る大輝
『言えないだろ?…俺たち、戦友みたいなもんで…っずっと、ゴホっゴホ…一緒に居たんだから。言えるわけない。大輝だって、言えないだろ?雪に…』
『いや……俺、言ってる!何回も!何回も言ってちゃんと断られてる!俺、ちゃんと伝えてるからっ!!』
え?そんな事…聞いたこと無い…
何度も断られてるのに?
何もなかったみたいに、今まで通りで、今までと変わらない関係なのか?
『…大輝は勇気があるんだな…俺、情けない…けど、怖くて言えなかった…』
すると、突然…キィーってまたドアが開く音がして、大輝は急いでドアの方へ行って、扉を押さえた。
『じゅんくん?どうした?様子を見に行った、だいちゃんも帰って来ないし…大丈夫?っちょ、開けて?』
大輝と透弥がドアを押しあっている
『………』
扉を押さえながら俺をチラッと見た大輝に、【ダメ】って首を横に振ると
はぁってため息ついて、扉に向かって大輝は
『…大丈夫だから!今行く!!…先に部屋戻ってるか…、あっ、そうだ、夕飯先に行っといて!!後からじゅんくん連れて行くから!!もう、大丈夫』
『ほんとに…大丈夫なの?…最近、じゅんくん顔色悪いし…どこか悪いんじゃ…』
透弥の言葉を掻き消すように
『全然大丈夫!!』って、ドアの向こうの透弥に叫んだ
『…わかった。…でも、なんかあったら言って。俺に出来ることなら…なんでもするからさ!』
そう言って、透弥は諦めて去っていった。
透弥の声を聞いて、少し落ち着いた俺は…
散らかった花びらを拾い集めた。
透弥の【なんでもするから】って言葉が、頭の中に残ったけど…
なんでもなんて無理だ!
俺と付き合う事なんて…できるわけないし、
俺を抱くことなんて…できるわけない。
雪が居るんだから!!
大輝は透弥がいなくなったかドアの外を確認してから、散らばった青い薔薇の花びらを一緒に集めてくれた。
散らばった花びらを集めながら大輝は、
『何度か遠巻きに苦恋花病の人の花びらを見たことあるけど…じゅんくんの花びらは…綺麗な青で見惚れてしまうな?』
『カナシミブルー綺麗だろ(笑)』
自虐的に冗談を言ったけど
『笑いごとじゃない!!』
大輝に叱られて失笑した
確かにな、笑い事じゃないよな
『でも…ほんとに綺麗で…捨てるのもったいな…』
大輝は青い薔薇の花びらを一枚取って、トイレの電球にその花びらを透かして眺めてた
『飾っておくつもり?』
『まさか!そんなわけないだろ!いくらキレイでも飾っておけないよ!!…で、どうすんの?』
『どうも、こうもない…このまま。今までと何も変わらない』
花びらを全部集め終わって、トイレのごみ箱に捨てた。こんなものを持ち運ぶ訳にもいかないし、申し訳ないけど…トイレのごみ箱に捨てさせてもらう他なかった。
『苦恋花病の最後は、どうなるか知ってる?』
大輝は言いにくそうに俺に言った。
『綺麗な花が咲くらしいね』
『そういう事言ってるんじゃない!死ぬんだよ!!死んでしまうんだよ!!』
『しゃーないな。…それが、…俺の運命なんだから…それが、俺の運命。』
俺は、自分の運命を確認するように、ゆっくりと大輝に伝えた。
そう、綺麗な花を咲かせる運命なんだよ。
惇希side
『だいじょう…ぶって…これって?…もしかして?』
って、すぐに俺に駆け寄って来たのは、大輝だった。
あぁ…バレちゃった?
『じゅんくんっ!コレって?…そうだよね?間違いなく…あれだよね…』
『う゛っ…うぇっ…おぇッ///』
治まらない吐き気に、たくさんの花びらを吐き出す。胸が痛い…苦しいっ…
大輝が背中を擦ってくれるけど、全然治まらない吐き気に涙が溢れた。
『じゅんくんっ…今、ふじさん呼んでくるっ』
って、行こうとした大輝の手をどうにか掴んで
『言うなっ!!絶対に言うな!』
声を張り上げた
『はぁ?だって…これ…苦恋花病の症状だろ?…相手はもちろんふじさんだろ?』
『…なんで…とうやってっ…ゴホっ…わかった?』
片思いの相手言い当てられて、戸惑っていると
『そんなの、見てればわかるだろ?気が付いてないのは本人くらいだよ!!』
『いいから…ゴホっ…うっ…言うなよ!!絶対にっ、ゴフォっ、言うなっ!!』
『でもっ…いつから…?』
心配そうに俺を見る大輝の瞳に、涙が滲んでいた。
『雪と…透弥が…付き合って、少ししてから…花びらを…吐いた…』
『なんで!早く言わないんだよ!!』
大輝はイラついている様子で俺に言った
『言えるわけ…ないだろ…?雪、あんなに喜んでて…嬉しそうだったんだから。』
雪が付き合うことになったと報告してくれた時の事を思い出していた。
『そういう事じゃないって!なんで、雪より先にふじさんに好きって言わなかったのかってことだよ!!』
俺の背中を擦る手に力が入る大輝
『言えないだろ?…俺たち、戦友みたいなもんで…っずっと、ゴホっゴホ…一緒に居たんだから。言えるわけない。大輝だって、言えないだろ?雪に…』
『いや……俺、言ってる!何回も!何回も言ってちゃんと断られてる!俺、ちゃんと伝えてるからっ!!』
え?そんな事…聞いたこと無い…
何度も断られてるのに?
何もなかったみたいに、今まで通りで、今までと変わらない関係なのか?
『…大輝は勇気があるんだな…俺、情けない…けど、怖くて言えなかった…』
すると、突然…キィーってまたドアが開く音がして、大輝は急いでドアの方へ行って、扉を押さえた。
『じゅんくん?どうした?様子を見に行った、だいちゃんも帰って来ないし…大丈夫?っちょ、開けて?』
大輝と透弥がドアを押しあっている
『………』
扉を押さえながら俺をチラッと見た大輝に、【ダメ】って首を横に振ると
はぁってため息ついて、扉に向かって大輝は
『…大丈夫だから!今行く!!…先に部屋戻ってるか…、あっ、そうだ、夕飯先に行っといて!!後からじゅんくん連れて行くから!!もう、大丈夫』
『ほんとに…大丈夫なの?…最近、じゅんくん顔色悪いし…どこか悪いんじゃ…』
透弥の言葉を掻き消すように
『全然大丈夫!!』って、ドアの向こうの透弥に叫んだ
『…わかった。…でも、なんかあったら言って。俺に出来ることなら…なんでもするからさ!』
そう言って、透弥は諦めて去っていった。
透弥の声を聞いて、少し落ち着いた俺は…
散らかった花びらを拾い集めた。
透弥の【なんでもするから】って言葉が、頭の中に残ったけど…
なんでもなんて無理だ!
俺と付き合う事なんて…できるわけないし、
俺を抱くことなんて…できるわけない。
雪が居るんだから!!
大輝は透弥がいなくなったかドアの外を確認してから、散らばった青い薔薇の花びらを一緒に集めてくれた。
散らばった花びらを集めながら大輝は、
『何度か遠巻きに苦恋花病の人の花びらを見たことあるけど…じゅんくんの花びらは…綺麗な青で見惚れてしまうな?』
『カナシミブルー綺麗だろ(笑)』
自虐的に冗談を言ったけど
『笑いごとじゃない!!』
大輝に叱られて失笑した
確かにな、笑い事じゃないよな
『でも…ほんとに綺麗で…捨てるのもったいな…』
大輝は青い薔薇の花びらを一枚取って、トイレの電球にその花びらを透かして眺めてた
『飾っておくつもり?』
『まさか!そんなわけないだろ!いくらキレイでも飾っておけないよ!!…で、どうすんの?』
『どうも、こうもない…このまま。今までと何も変わらない』
花びらを全部集め終わって、トイレのごみ箱に捨てた。こんなものを持ち運ぶ訳にもいかないし、申し訳ないけど…トイレのごみ箱に捨てさせてもらう他なかった。
『苦恋花病の最後は、どうなるか知ってる?』
大輝は言いにくそうに俺に言った。
『綺麗な花が咲くらしいね』
『そういう事言ってるんじゃない!死ぬんだよ!!死んでしまうんだよ!!』
『しゃーないな。…それが、…俺の運命なんだから…それが、俺の運命。』
俺は、自分の運命を確認するように、ゆっくりと大輝に伝えた。
そう、綺麗な花を咲かせる運命なんだよ。
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