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11話 誰と居ようと、誰とシようと
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最低なふたり11
速水side
出勤時間になると、蓮くんとあべちゃんは別々に現れた
あれ?
昨日はあべちゃんの家にお泊りじゃなかったけっ?
『れんくん。大丈夫でした?無事に家に帰れましたか?』
蓮くんに駆け寄るあべちゃんは、周囲の目など気にしていない様子
『あっ…うん。ごめん。』
浮かない表情の蓮くんは、あべちゃんを見ようともしていなかった
『ゆっくり眠れましたか?』
『うん。眠れた…』
ふたりの会話から推察するに、連絡くんは泊まらずに帰ったってこと?
…なんで?
いつもえっちが終わると、爆睡する蓮くんが珍しい…。
意識手放すように堕ちて、動けないって言って、ぐったりする蓮くんが?
家に帰った?
ふたりを少し離れた場所から見ていたら
『やまと♡』
だいきが俺の名前を呼んだ
『ん?』
直ぐに俺の腕に絡みつく、細い腕
『あ、ごめん。ふたりの時しかそう呼んだらだめだった?』
【やまと♡】って、大きな声で呼んだから蓮くんとあべちゃんが俺たちの方を一緒に振り返った
『…別に…でも、あんまりみんなの前でそういう事は…』
『いいじゃん。俺たち付き合ってるんだし。みんなも知ってるんだから…』
俺は蓮くんに聞かれたくなくて
『そうだけど…あ、ほら。自販機行こう?なんか買ってあげる。コーヒーにする?』
『やったー♡ほんとに♡』
俺の腕をいっそう強く抱きしめて、ぴったりとくっつくだいき
なんだか、その距離に違和感を覚えた
いつもよりも近くて、そんな事人前でする人じゃなかったのに?
蓮くんとあべちゃんから逃げるように自販機に向かった
『ねぇ♡今日、俺の家に来ない?』
だいきが楽しそうに話す
最近は一緒にいると疲れてしまって、一緒に居たく無くないと言うのが正直な所
なんか、ぐいぐい来るっていうか…
【愛してオーラ】がすごいっていうか…
子犬みたいで可愛いんだけど、ぐいぐい来られるのはあまり得意じゃなくて、少し疲れる。
『聞いてた?』
ほっぺをぷくっと膨らませて、俺を見つめるだいきに、近くにいた女子社員が『今日も姫川くん可愛いっ♡』って、内緒にならない内緒話が聞こえてくる
そんな事に気を取られて
『あ、え?…なんだっけ?』
『俺の家に来ないか?って話!!』
『あぁ~。…そうだな…。でも…』
『今日の夜、空いてるでしょ?』
返事に困っている俺に、容赦なく畳み掛けるだいき
『じゃあ、俺がやまとの家に行こうか?』
え?
俺はわかりやすく固まってしまったと思う
でも、すぐに
『あっ///…いいよ。俺が行くからさ!だいきは家からあんまり出たくない派じゃん?』
『じゃあ♡俺の家ね!!』
…蓮くんの私物は俺の家に置いて無いけど、なんだか、蓮くん以外を家に入れることが酷く躊躇われた。
だいきと付き合い始めの頃に、何度か俺の家でだいきを抱いた。
でも、なんだかわからないけど…
家では抱きたくなくて、それからというもの、だいきの家かホテルでしかヤらないと決めていた。
コーヒーを飲み終えて、デスクに戻ると部下と楽しそうに話す蓮くんが目に入った。
さっきの会話…聞かれたよな?
…でも、付き合ってるのも知ってる訳だし。
【だいきともシてるだろ】って、さらりと言われたし…。蓮くんにとって、俺とだいきがどんな会話をしていても、取るに足らない、なんて事のない普通のことなのかもしれない。
俺が誰と居ようと、俺が誰とシようと…
きっと、蓮くんには関係のない事なんだ…
俺たちはカラダだけの関係だから。
微かに期待していた、だいきと付き合うかもって言った時、【だいきと付き合うのをやめて、俺と付き合おう】って言ってくれるんじゃないかって…
でも、蓮くんの反応は特になくて、軽く流された。
俺が誰と付き合おうが、蓮くんには関係がなかった…。
だいきに【好き】って言われて、俺もだいきを嫌いじゃなかったから、別に付き合ってもいいかなぁって思ったし、好きになれるんじゃないかと思った。
カラダで始まってしまった蓮くんとの関係だったけど。たぶん…俺は、蓮くんを好きになり始めていた。
でも、蓮くんが求めているのは一緒に気持ちよくなれる相手だから…、俺が好きなんて言ったら、きっとカラダさえも繋がれなくなってしまう。
だから、好きになり始めた自分を抑えたかった。
速水side
出勤時間になると、蓮くんとあべちゃんは別々に現れた
あれ?
昨日はあべちゃんの家にお泊りじゃなかったけっ?
『れんくん。大丈夫でした?無事に家に帰れましたか?』
蓮くんに駆け寄るあべちゃんは、周囲の目など気にしていない様子
『あっ…うん。ごめん。』
浮かない表情の蓮くんは、あべちゃんを見ようともしていなかった
『ゆっくり眠れましたか?』
『うん。眠れた…』
ふたりの会話から推察するに、連絡くんは泊まらずに帰ったってこと?
…なんで?
いつもえっちが終わると、爆睡する蓮くんが珍しい…。
意識手放すように堕ちて、動けないって言って、ぐったりする蓮くんが?
家に帰った?
ふたりを少し離れた場所から見ていたら
『やまと♡』
だいきが俺の名前を呼んだ
『ん?』
直ぐに俺の腕に絡みつく、細い腕
『あ、ごめん。ふたりの時しかそう呼んだらだめだった?』
【やまと♡】って、大きな声で呼んだから蓮くんとあべちゃんが俺たちの方を一緒に振り返った
『…別に…でも、あんまりみんなの前でそういう事は…』
『いいじゃん。俺たち付き合ってるんだし。みんなも知ってるんだから…』
俺は蓮くんに聞かれたくなくて
『そうだけど…あ、ほら。自販機行こう?なんか買ってあげる。コーヒーにする?』
『やったー♡ほんとに♡』
俺の腕をいっそう強く抱きしめて、ぴったりとくっつくだいき
なんだか、その距離に違和感を覚えた
いつもよりも近くて、そんな事人前でする人じゃなかったのに?
蓮くんとあべちゃんから逃げるように自販機に向かった
『ねぇ♡今日、俺の家に来ない?』
だいきが楽しそうに話す
最近は一緒にいると疲れてしまって、一緒に居たく無くないと言うのが正直な所
なんか、ぐいぐい来るっていうか…
【愛してオーラ】がすごいっていうか…
子犬みたいで可愛いんだけど、ぐいぐい来られるのはあまり得意じゃなくて、少し疲れる。
『聞いてた?』
ほっぺをぷくっと膨らませて、俺を見つめるだいきに、近くにいた女子社員が『今日も姫川くん可愛いっ♡』って、内緒にならない内緒話が聞こえてくる
そんな事に気を取られて
『あ、え?…なんだっけ?』
『俺の家に来ないか?って話!!』
『あぁ~。…そうだな…。でも…』
『今日の夜、空いてるでしょ?』
返事に困っている俺に、容赦なく畳み掛けるだいき
『じゃあ、俺がやまとの家に行こうか?』
え?
俺はわかりやすく固まってしまったと思う
でも、すぐに
『あっ///…いいよ。俺が行くからさ!だいきは家からあんまり出たくない派じゃん?』
『じゃあ♡俺の家ね!!』
…蓮くんの私物は俺の家に置いて無いけど、なんだか、蓮くん以外を家に入れることが酷く躊躇われた。
だいきと付き合い始めの頃に、何度か俺の家でだいきを抱いた。
でも、なんだかわからないけど…
家では抱きたくなくて、それからというもの、だいきの家かホテルでしかヤらないと決めていた。
コーヒーを飲み終えて、デスクに戻ると部下と楽しそうに話す蓮くんが目に入った。
さっきの会話…聞かれたよな?
…でも、付き合ってるのも知ってる訳だし。
【だいきともシてるだろ】って、さらりと言われたし…。蓮くんにとって、俺とだいきがどんな会話をしていても、取るに足らない、なんて事のない普通のことなのかもしれない。
俺が誰と居ようと、俺が誰とシようと…
きっと、蓮くんには関係のない事なんだ…
俺たちはカラダだけの関係だから。
微かに期待していた、だいきと付き合うかもって言った時、【だいきと付き合うのをやめて、俺と付き合おう】って言ってくれるんじゃないかって…
でも、蓮くんの反応は特になくて、軽く流された。
俺が誰と付き合おうが、蓮くんには関係がなかった…。
だいきに【好き】って言われて、俺もだいきを嫌いじゃなかったから、別に付き合ってもいいかなぁって思ったし、好きになれるんじゃないかと思った。
カラダで始まってしまった蓮くんとの関係だったけど。たぶん…俺は、蓮くんを好きになり始めていた。
でも、蓮くんが求めているのは一緒に気持ちよくなれる相手だから…、俺が好きなんて言ったら、きっとカラダさえも繋がれなくなってしまう。
だから、好きになり始めた自分を抑えたかった。
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