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4話 行かないでって言えなくて
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『ふたりでイこうっ♡』
蓮くんが一番気持ちいいっ!!
心の中で叫んで、それと同時に、蓮くんの中に熱を放った
ぐったりと力が抜けていく蓮くんをじっと見ていた
蓮くんは呼吸が乱れてて、時折ビクンっとカラダを震わせて意識を手放したみたいだ
蓮くんの額に光る汗が、綺麗な顔をより一層艶めかしくしていて
その汗で貼り付いた前髪を指ですくって
『…このまま、ここにいてよ』
ボソっと囁いた。
そんな事言える資格なんてないのに…
何の反応もない蓮くん
それでいい。
そんな事言ったらダメなのに…。
蓮くんに聞かれたら…ダメなのに…。
言葉になってしまった。
なんで、こうなってしまったんのだろう?
俺も蓮くんも…
俺たちは最高のふたりだと思う。
でも、最低なふたりだ。
すやすやと寝息を立てる蓮くんをきれいにして、蓮くんの隣に横になって
そのさらさらな髪に触れて
愛おしいと思ってしまった。
触れていたいと思うのは…蓮くんで
それなのに…
俺は…。
たくさんの言葉をのみ込んで、今ある俺たちの環境にため息をついた。
そんな凹んだ気持ちを、紛らわせるようにそっと唇を重ね
蓮くん…ちゅー好きだもんね。
行為の時にキスをせがむ可愛い蓮くんを思い浮かべる
いつもあれくらい素直だったらいいのにって思うけど
ツンツンしてる蓮くんも、あれはあれで
可愛いからよしとしよう。
蓮くんの寝顔に見惚れていると
突然電話が鳴った。
蓮くんの電話だ…
この電話に俺が出たら?
良からぬ妄想が頭をよぎってしまった。
もし、そんな事をすれば俺たちの関係は壊れるし
いろんなものが崩れていく
わかってる
だから、そんなことはしない
『…れんくん。電話…なってるよ…』
そっと、声をかける
出来れば気が付かずに、このままここに居て欲しい
でも、蓮くんには約束がある
『…ん?…うん…ぁ~…』
寝ぼけている蓮くんに、電話を渡すと、瞳を閉じたまま蓮くんは話し出した
『…ん?…もしもし?』
寝ぼけた声も可愛らしいなんて思っていたら
『よかったぁ。』
電話越しに聞こえる阿部ちゃんの声が、すごく心配していたんだとわかるくらいに安堵していた。
阿部ちゃんこと阿部奏介は、同じ会社に勤める後輩で、俺よりも年下で蓮くんの部下だ。
まぁ、俺の後輩でもある訳だけど…。
『あっ…ごめんっ…俺…今から行くっ!!』
蓮くんの大きな瞳がぱっと開いた。
『うん。事故とかじゃなくて良かったです。気をつけて来て下さい。待ってます。』
『ほんとに…ごめん…』
会話中の蓮くんの首筋に顔を埋めて、抱き締めた。
蓮くんはパッと俺を見て、こらっ!!って怒った顔をしたけど
それでも、蓮くんを繋ぎ止めたくて…
そっと蓮くんの下半身に触れた
『ンンっ…あっ///…ごめん!今、行くから!っ///』
そう言って、蓮くんは慌てて電話を切った。
電話が切れた事をしっかりと確認すると
『ばかかっ!今、しゃべってんだろ!!何してんだよ!!』蓮くんは少し怒っていた
『蓮くんの匂い嗅いで、れんくんのれんくんを撫で撫でしてた!!』
『アホっ!!そんなことして、声出たらどうすんだよ!!』
『聞かせてあげればいいじゃん!その可愛い声♡』
蓮くんの顔がバッと真っ赤になった
『え?まだヤってないの?あべちゃんと?』
『ヤってるからっ!!…何っ!言わせんだよっ!!』
わかってたけど…
蓮くんの口からその事実を聞くとショックだ…
俺の可愛い蓮くんが…
あべちゃんに抱かれてるなんて…
こんな気持ちになるなんて…思わなかった
いつの間に、こんなに蓮くんの事が気になって仕方なくなってた?
カラダだけって思ってたのに…
カラダだけの関係のはずだったのに…
でも、気になって仕方がないんだ
蓮くんの事が…。
でも、俺たちの始まりがカラダだから。
どうしたらいいのかもわからないし
もう、遅いのかもしれない。
蓮くんはまだ少しだるそうに、起き上がり急いで支度を始めた
最近付き合い出したあべちゃんの元へ行くために…
行って欲しくなくて、思わず服を着ている蓮くんを後ろから抱きしめると
『おいっ!着替えられないだろ!』
『…うん…』
行かないで…そう言えればいいのに…
ぎゅっと抱きしめて、首筋にキスをちゅっとすると…
『…キスマ…つけるなよ…』
『…うん…』
わかってる…これからあべちゃんともするんだろ?
あべちゃんとシないで欲しい
…なんて、俺のわがままだよな…
俺の腕を振り払って、蓮くんは…言った。
『だいきともシてるだろ?』
だいきとは…姫川大樹27歳、俺とタメで同期で一年前から付き合ってる、俺の恋人
だいきは色白で線が細く、女子が羨む様な可愛い顔をしていて、男にしておくのがもったいないと会社でも人気なヤツだ。
もちろん、蓮くんの部下でもある…。
『………』
俺は返す言葉もなく、苦笑いで口を閉ざすしかなくて…
蓮くんはそのまま振り返りもせずに、俺の家を出て行った。
蓮くんが一番気持ちいいっ!!
心の中で叫んで、それと同時に、蓮くんの中に熱を放った
ぐったりと力が抜けていく蓮くんをじっと見ていた
蓮くんは呼吸が乱れてて、時折ビクンっとカラダを震わせて意識を手放したみたいだ
蓮くんの額に光る汗が、綺麗な顔をより一層艶めかしくしていて
その汗で貼り付いた前髪を指ですくって
『…このまま、ここにいてよ』
ボソっと囁いた。
そんな事言える資格なんてないのに…
何の反応もない蓮くん
それでいい。
そんな事言ったらダメなのに…。
蓮くんに聞かれたら…ダメなのに…。
言葉になってしまった。
なんで、こうなってしまったんのだろう?
俺も蓮くんも…
俺たちは最高のふたりだと思う。
でも、最低なふたりだ。
すやすやと寝息を立てる蓮くんをきれいにして、蓮くんの隣に横になって
そのさらさらな髪に触れて
愛おしいと思ってしまった。
触れていたいと思うのは…蓮くんで
それなのに…
俺は…。
たくさんの言葉をのみ込んで、今ある俺たちの環境にため息をついた。
そんな凹んだ気持ちを、紛らわせるようにそっと唇を重ね
蓮くん…ちゅー好きだもんね。
行為の時にキスをせがむ可愛い蓮くんを思い浮かべる
いつもあれくらい素直だったらいいのにって思うけど
ツンツンしてる蓮くんも、あれはあれで
可愛いからよしとしよう。
蓮くんの寝顔に見惚れていると
突然電話が鳴った。
蓮くんの電話だ…
この電話に俺が出たら?
良からぬ妄想が頭をよぎってしまった。
もし、そんな事をすれば俺たちの関係は壊れるし
いろんなものが崩れていく
わかってる
だから、そんなことはしない
『…れんくん。電話…なってるよ…』
そっと、声をかける
出来れば気が付かずに、このままここに居て欲しい
でも、蓮くんには約束がある
『…ん?…うん…ぁ~…』
寝ぼけている蓮くんに、電話を渡すと、瞳を閉じたまま蓮くんは話し出した
『…ん?…もしもし?』
寝ぼけた声も可愛らしいなんて思っていたら
『よかったぁ。』
電話越しに聞こえる阿部ちゃんの声が、すごく心配していたんだとわかるくらいに安堵していた。
阿部ちゃんこと阿部奏介は、同じ会社に勤める後輩で、俺よりも年下で蓮くんの部下だ。
まぁ、俺の後輩でもある訳だけど…。
『あっ…ごめんっ…俺…今から行くっ!!』
蓮くんの大きな瞳がぱっと開いた。
『うん。事故とかじゃなくて良かったです。気をつけて来て下さい。待ってます。』
『ほんとに…ごめん…』
会話中の蓮くんの首筋に顔を埋めて、抱き締めた。
蓮くんはパッと俺を見て、こらっ!!って怒った顔をしたけど
それでも、蓮くんを繋ぎ止めたくて…
そっと蓮くんの下半身に触れた
『ンンっ…あっ///…ごめん!今、行くから!っ///』
そう言って、蓮くんは慌てて電話を切った。
電話が切れた事をしっかりと確認すると
『ばかかっ!今、しゃべってんだろ!!何してんだよ!!』蓮くんは少し怒っていた
『蓮くんの匂い嗅いで、れんくんのれんくんを撫で撫でしてた!!』
『アホっ!!そんなことして、声出たらどうすんだよ!!』
『聞かせてあげればいいじゃん!その可愛い声♡』
蓮くんの顔がバッと真っ赤になった
『え?まだヤってないの?あべちゃんと?』
『ヤってるからっ!!…何っ!言わせんだよっ!!』
わかってたけど…
蓮くんの口からその事実を聞くとショックだ…
俺の可愛い蓮くんが…
あべちゃんに抱かれてるなんて…
こんな気持ちになるなんて…思わなかった
いつの間に、こんなに蓮くんの事が気になって仕方なくなってた?
カラダだけって思ってたのに…
カラダだけの関係のはずだったのに…
でも、気になって仕方がないんだ
蓮くんの事が…。
でも、俺たちの始まりがカラダだから。
どうしたらいいのかもわからないし
もう、遅いのかもしれない。
蓮くんはまだ少しだるそうに、起き上がり急いで支度を始めた
最近付き合い出したあべちゃんの元へ行くために…
行って欲しくなくて、思わず服を着ている蓮くんを後ろから抱きしめると
『おいっ!着替えられないだろ!』
『…うん…』
行かないで…そう言えればいいのに…
ぎゅっと抱きしめて、首筋にキスをちゅっとすると…
『…キスマ…つけるなよ…』
『…うん…』
わかってる…これからあべちゃんともするんだろ?
あべちゃんとシないで欲しい
…なんて、俺のわがままだよな…
俺の腕を振り払って、蓮くんは…言った。
『だいきともシてるだろ?』
だいきとは…姫川大樹27歳、俺とタメで同期で一年前から付き合ってる、俺の恋人
だいきは色白で線が細く、女子が羨む様な可愛い顔をしていて、男にしておくのがもったいないと会社でも人気なヤツだ。
もちろん、蓮くんの部下でもある…。
『………』
俺は返す言葉もなく、苦笑いで口を閉ざすしかなくて…
蓮くんはそのまま振り返りもせずに、俺の家を出て行った。
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