おなじクラスのながおくん!

白夜

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28話 まじわらない世界線

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28話 交わらない世界線


松枝side


ながおくんらしき人を人混みの中で見つけたけど…

直ぐに、人混みの中へ消えて行ってしまった。


それから、翼からながおくんの話を聞いた。

ながおくんのお父さんはすでに亡くなっていることと、今はお母さんとふたりで暮らしていること

でも、これはあくまでも中学の噂であって、本当の事は誰も知らないらしい。

そして、ながおくんが人気者になったのは中三からで…翼は、それ以前にも目立たないながおくんを可愛いと目をつけていたらしいけど…

ながおくんが、急に変わった理由を誰も知らない。


少しミステリアスという印象を受けたけど、もちろんながおくんを嫌いになることは無いし、もっと知りたいと思った。


翼から聞き出せたのはそれくらいで、人気者のながおくんだけど、誰もながおくんの家に行った事もないし、プライベートでながおくんと遊んだ人もいないらしい。

なので、交友関係の広い翼でも、この程度の情報しか持っていないらしい。

もっといろんな事を、聞き出せるんじゃないかと思っていたけど、翼からはその程度の不確かな情報しか聞き出せなった。


そして、次の日いつもの様に学校に行くと、

いつもの教室で、いつも通りのクラスのみんなに囲まれている人気者のながおくんがいた。

そして、目立たなく静かに過ごす対称的な俺達。


でも、授業が始まれば…熱い視線を絡め…る、はずだった。

あれ?

いつもなら、授業中にこっそり見つめ合って、俺たちの秘密の時間を過ごしているのに…

あれ?

今日は全然、目が合わない

…と、言うよりも…ながおくんがこっちを見ない?

心なしか俺に冷たい?

でも、学校ではほとんど話さないから、確かめようもない。

人気者の一軍男子様に俺みたいなヤツが、声をかけていいわけない…。

たまたま、まだ目が合わないだけかもしれない…。

放課後になれば…と、思っていたけど。

放課後になっても、ながおくんは俺の前には現れなかった。
最近は、放課後教室から一緒に出たり、学校の校門前で待ち伏せされてたりと、一緒に過ごすことが多くなっていたから…

なんだか急に寂しさが込み上げる。

教室で待っていても、校門前で待っていても…ながおくんが俺の前に現れることは無かった。
別に、約束をしていたわけじゃない…

いつも、ながおくんが俺を待ち伏せしていただけ…
ながおくんに予定がある日だってある!

仕方なく、とぼとぼと家に帰った。

たまたま今日は、予定があったんだと勝手に自分に言い聞かせて、次の日になれば、教室もしくは校門前で俺を待ち伏せしているかも?

なんて…思ってた。

それなのに…

次の日も…
その次の日も…
そのまた、次の日も…

放課後、ながおくんが俺の前に現れることは無かった。
そして、恒例だった授業中に見つめ合う秘密の時間さえも、無くなってしまった。

教室で話すことは無くて、ながおくんは相変わらずみんなに囲まれて楽しそうにおしゃべりしてて、それでも俺との会話は皆無。

俺たちが交じってた世界線は、いつの間にかどこかへ行ってしまったのだろうか?


俺だけがながおくんを見つめていたあの頃に…

戻っただけ。

でも、もう俺は…
ながおくんの可愛さを知ってしまった。

雨の中、涙を流すながおくん。
オレンジジュースが好きなながおくん。
コーヒーが苦いながおくん。
初めてのキスの相手が俺!なながおくん。

誰も居ない教室で、キスをしちゃうながおくん。

そして…屋上で…XXXな、ながおくん。


何も知らなかったあの頃には、もう、戻れない!!
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