千年恋物語~何度生まれ変わっても、また君に恋をする~【R18】

白夜

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32話 思い出させ作戦!!

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陽向を知る前に…


繋がる前のふたりに…戻るだけ。


それで、ずっとそばにいられるなら…。




そう決心して、最後だと心に決めて抱かれたはずなのに…


カラダは陽向を覚えていて


夜になると、カラダは陽向を思い出して

ズキズキと疼きだす。


もしかしたら、陽向を知らない、繋がる前の方がまだ傷が浅かったのかもしれない。


それでも、陽向と繋がっていた時間は夢のようで

たくさんの事を思い出させてくれた。


一緒に、ダンスレッスンをしていても、撮影をしていても…


不意に触れてしまった肌に、あの日の夜を思い出してしまう。


簡単にあの日の夜を呼び覚まして、カラダを熱くしてしまう。



陽向…


お前は…、あの日の夜を覚えてる?


陽向のそばに…隣にいるためだったのに…


近くに居るから…苦しい…


苦しくて…


やるせない…





そんな現状を打破するために!


やっぱり、耐えられないこの現状をどうにかしようと


俺は、動き出した!!



陽向に記憶を取り戻させる!!


これしかないっ!!



前世の記憶を取り戻せれば、また俺を好きになってくれるかもしれない。

この苦しい現状をどうにかできるかもしれないっ!!


まず、最初に考えたのは…


【俺たち!前世で愛し合ってた】って伝える

正直にストレートに伝える…


…………こんなの…上手くいくわけない…

却下っ!!

一番やったらダメなヤツ!!
そんな事言われて信じるヤツいない。

一歩間違えたらただのイタイ奴だ!!


…、となると…

やっぱり、同じエピソードなぞるしかない!!

前世と同じ状況を作り出して

フラッシュバックさせる!!


やっぱ、これが一番いいと思う。


…いいとは、思うけど…。


同じ状況になる?


俺が斬られそうになって…って、そんなことこの現代であるわけないっ!


同じ状況を作り出すって…実は、かなり難易度高いんじゃね?



……


考えて


考えた結果…



一番簡単にできるやつ…




『ひなた♡』


軽めのバックハグで、多めのスキンシップ!!



『あのさ~ひなたぁ~』

ひたすら、瞳を見つめて俺をその瞳に映す!!



『ひなた~。聞いて~。昨日…って事があって、マジで焦った』

ひたすら話かける!!


俺の作戦はまだまだ終わらなくて…


撮影中も、並びが決まっていない撮影は積極的に陽向の隣をゲットして、

手を繋いだり


ハグしたり


肩を抱いたり


一緒に寝転がったり


少しでも近くに居て、触れ合うようにした。


少しでも触れて、陽向が前世を思い出すように…





そんな事してたら…


優人が
『最近の氷雨さんと陽向さん。距離感バグってないですか?』

と、鋭いツッコミを入れてきて…。



すかさず

『そう言われてみれば…氷雨さん、陽向さんにべったりですよね?』

と、隼が言った。


『最近の【お天気コンビ】は尊い!!もうBL!!』

と、リーダーの翔吾まで言う始末。

メンバーになんやかんやと言われても…


陽向は…


全く今までと変わらなくて…


悲しいくらいに、俺の作戦は失敗したようだ。


鈍すぎる…。


俺が、こんなに頑張っているのに…


これだけやってるんだから

前世を思い出すことは無くても…

好意を持っていることはわかるだろ?


っていうか、気が付けよっ!!




そして、極めつけに…


『陽向。初めて俺に逢った時どう思った?』


陽向は少し考えて


『ん~オーディション受かるかなぁ?とか…』


『はぁ?それ、俺の印象じゃなくね?』

『…だって、ほんとにそう思ったんだもん。』

少し、唇を尖らせて可愛く答える陽向。


『俺は、【見つけた】って思ったけど!』


『イジる後輩見つけた…みたいな?』


『違うわっ!!』


って、感じで…全然、前世に繋がる要素ないし。


陽向が思い出してる様子もない。



やっぱり…前世を思い出させるなんて

無理だったんだろうか…?


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