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10話 助け船
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『どっちで寝る?』
なぜだ…なぜこんなことに…。
好きを隠し通そうと思っているのに!
それなのに、こんなに距離近くちゃ…隠し切れないかもしれないっつーの!!
ツアー初日の北海道に着いて、アリーナへ移動する。
本日のホテルの説明があって、もちろんそんなに売れていない俺たちは2人部屋…。
でも、7人なのでひとりだけひとり部屋になれとあって、部屋割りはかなり力が入るイベントだ!!
アリーナ到着早々にマネージャーから
『では、恒例の部屋割りじゃんけんしてください!!2人部屋が3つとひとり部屋1つです!!』
『よっしゃー!!絶対勝つ!!』
そう言ったのは、メンバーの一太。
運動神経抜群の細マッチョで、金髪のちょっとちゃらめのイケメン。
『まぁ俺が勝っちゃうんだけどね。』
余裕な表情で冷静に皆を見ているリーダー翔吾。
翔吾の掛け声で一斉に手を出すメンバー
『じゃんけんっ…ぽいっ!!』
最年少の優人と隼が負けて、2人部屋が確定した。
出来れば、ひとり部屋でのんびり過ごしたい。
昔は勝手に部屋が決められていて、よく陽向と同じ部屋になっていたっけな。
なんて考えているうちに…
『じゃんけんぽいっ!!』
負けたのは、女の子より可愛いんじゃないかってくらい透き通るような肌と大きな瞳の玲央。
そして、一太。
残るは俺と翔吾と陽向。
『じゃんけんぽいっ!!』
俺と陽向は顔を見合わせた。
翔吾がチョキで俺と陽向がパー…
『ほらね!』
得意の余裕の笑顔を見せる翔吾。
『嘘だろ~!!俺コイツとヤダよ~』
なんて、言いながらどこか嬉しくて、なんだか恥ずかしい。
『俺めっちゃ嬉しいっ!!一緒に寝よ~ね!ひーくん♡』
俺にぴったりとくっついてニコニコ笑顔を俺に向ける。
複雑だけど、なんか嬉しいっ。
なんて、思っていたけど…
いざ、リハが終わってホテルに着いて部屋にふたりっきりになると…
なんか変に意識してしまう。
昔は同じ部屋になると嬉しくて、ひたすらはしゃいで一緒にふざけたりイタズラしたりしてたのに…
好きって気が付いてからは…なんか、そういうの意識しちゃうし。
まぁ、陽向をそういう対象として見ているわけだし…
なんか、複雑…。
『ひなたっ!!お前っ!パンツでうろうろすんのやめろってっ!』
俺の視界に陽向の上半身が映し出される。
『これからシャワーだし、外で着てたの部屋で着たくないの!!…で、ベッドどっちがいいの?』
釘付けになってしまった視線を、ベッドへ向けて考えようとしたら
『どうせ、左側でしょ?いつもそっち選ぶもんな~いいよ!』
『いや、まだ言ってないけど…』
『じゃあ右側にする?』
少し考えて…
『お前が右が良いっていうから、俺は左でいいや!!』
『ふふっ。素直じゃないんだから!ひーくんは!!』
ベッドが決まった時だった
トントンっ!トントンっ!
部屋のドアをノックする音が聞こえて
『俺たちでーす』
『そう!俺たちで~す!』
優人と一太が尋ねて来た。
『遊びに来ましたぁ~』
部屋にズカズカと乗り込んで来た後輩たち。
それでも、なんか少しホッとしている自分もいた。
陽向の裸なんて見慣れているはずなのに…、なんか変に意識しちゃって。
『ゲームやりましょうよ!!』
一太が陽向を誘った。
優人はおやつとジュースが入った袋をベッドの上に置いて、ひとつづつ出し始めた。
『おぉ~いいじゃん!やろっ!やろっ!』
陽向もノリノリで遊び始める。
『他の部屋でやれよ…』
俺が言うと。
『氷雨さんもやりましょうよ!!』
優人が可愛く甘えた声で言った。
『お前らが騒いでいる間にゆっくり風呂入って来るわ!温泉あるらしいし、温泉に行ってくるから!!』
『行ってらっしゃーい』
三人の声が聞こえた。
正直、変に陽向を意識しちゃってたからなんか助かった。
優人と一太が来てくれなかったら、ふたりだけの時間をどう過ごしていいかわからなかったかも?
一緒にいるのが凄く楽しいし、好きなんだけど…。
最近の俺、やっぱおかしくて。
ちょっと、陽向に触れられるだけで敏感に反応しちゃう。
夜な夜な、陽向を想ってひとりでシているのが悪いのだが…。
ホッと安心して、大浴場へ向かった。
なぜだ…なぜこんなことに…。
好きを隠し通そうと思っているのに!
それなのに、こんなに距離近くちゃ…隠し切れないかもしれないっつーの!!
ツアー初日の北海道に着いて、アリーナへ移動する。
本日のホテルの説明があって、もちろんそんなに売れていない俺たちは2人部屋…。
でも、7人なのでひとりだけひとり部屋になれとあって、部屋割りはかなり力が入るイベントだ!!
アリーナ到着早々にマネージャーから
『では、恒例の部屋割りじゃんけんしてください!!2人部屋が3つとひとり部屋1つです!!』
『よっしゃー!!絶対勝つ!!』
そう言ったのは、メンバーの一太。
運動神経抜群の細マッチョで、金髪のちょっとちゃらめのイケメン。
『まぁ俺が勝っちゃうんだけどね。』
余裕な表情で冷静に皆を見ているリーダー翔吾。
翔吾の掛け声で一斉に手を出すメンバー
『じゃんけんっ…ぽいっ!!』
最年少の優人と隼が負けて、2人部屋が確定した。
出来れば、ひとり部屋でのんびり過ごしたい。
昔は勝手に部屋が決められていて、よく陽向と同じ部屋になっていたっけな。
なんて考えているうちに…
『じゃんけんぽいっ!!』
負けたのは、女の子より可愛いんじゃないかってくらい透き通るような肌と大きな瞳の玲央。
そして、一太。
残るは俺と翔吾と陽向。
『じゃんけんぽいっ!!』
俺と陽向は顔を見合わせた。
翔吾がチョキで俺と陽向がパー…
『ほらね!』
得意の余裕の笑顔を見せる翔吾。
『嘘だろ~!!俺コイツとヤダよ~』
なんて、言いながらどこか嬉しくて、なんだか恥ずかしい。
『俺めっちゃ嬉しいっ!!一緒に寝よ~ね!ひーくん♡』
俺にぴったりとくっついてニコニコ笑顔を俺に向ける。
複雑だけど、なんか嬉しいっ。
なんて、思っていたけど…
いざ、リハが終わってホテルに着いて部屋にふたりっきりになると…
なんか変に意識してしまう。
昔は同じ部屋になると嬉しくて、ひたすらはしゃいで一緒にふざけたりイタズラしたりしてたのに…
好きって気が付いてからは…なんか、そういうの意識しちゃうし。
まぁ、陽向をそういう対象として見ているわけだし…
なんか、複雑…。
『ひなたっ!!お前っ!パンツでうろうろすんのやめろってっ!』
俺の視界に陽向の上半身が映し出される。
『これからシャワーだし、外で着てたの部屋で着たくないの!!…で、ベッドどっちがいいの?』
釘付けになってしまった視線を、ベッドへ向けて考えようとしたら
『どうせ、左側でしょ?いつもそっち選ぶもんな~いいよ!』
『いや、まだ言ってないけど…』
『じゃあ右側にする?』
少し考えて…
『お前が右が良いっていうから、俺は左でいいや!!』
『ふふっ。素直じゃないんだから!ひーくんは!!』
ベッドが決まった時だった
トントンっ!トントンっ!
部屋のドアをノックする音が聞こえて
『俺たちでーす』
『そう!俺たちで~す!』
優人と一太が尋ねて来た。
『遊びに来ましたぁ~』
部屋にズカズカと乗り込んで来た後輩たち。
それでも、なんか少しホッとしている自分もいた。
陽向の裸なんて見慣れているはずなのに…、なんか変に意識しちゃって。
『ゲームやりましょうよ!!』
一太が陽向を誘った。
優人はおやつとジュースが入った袋をベッドの上に置いて、ひとつづつ出し始めた。
『おぉ~いいじゃん!やろっ!やろっ!』
陽向もノリノリで遊び始める。
『他の部屋でやれよ…』
俺が言うと。
『氷雨さんもやりましょうよ!!』
優人が可愛く甘えた声で言った。
『お前らが騒いでいる間にゆっくり風呂入って来るわ!温泉あるらしいし、温泉に行ってくるから!!』
『行ってらっしゃーい』
三人の声が聞こえた。
正直、変に陽向を意識しちゃってたからなんか助かった。
優人と一太が来てくれなかったら、ふたりだけの時間をどう過ごしていいかわからなかったかも?
一緒にいるのが凄く楽しいし、好きなんだけど…。
最近の俺、やっぱおかしくて。
ちょっと、陽向に触れられるだけで敏感に反応しちゃう。
夜な夜な、陽向を想ってひとりでシているのが悪いのだが…。
ホッと安心して、大浴場へ向かった。
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